『テルマエ・ロマエ』/『ピアノの森』/四谷シモン自伝

Posted at 11/02/05

いろいろなことがあり、いろいろなことを考えていて、ブログにまだ書くような感じではないので、あんまり多くのことをかけないのだが、また一つ忘れていたものを思い出したような感じで、そういうものを考えながら、また前に進んでいけるような気がした。いろいろ考えながらヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』を読み直して、何が面白いんだろうと考えていたら、他の文化の視点からわれわれの文化や習慣というものを見直してみるとなんていいんだろう、なんてすごいんだろうと思えるところが面白いんだなと思った。『テルマエ・ロマエ』の面白さというのは「くすっ」という種類のものなのだけど、久しぶりに読んで見るとやはり面白いと思う。一度読んで大体覚えているつもりだったけど、細部を見てみると面白かったり、またヤマザキマリのほかの作品を読んでから読むと描写のルーツというか、登場人物の起源みたいなものも見えたりして、それが面白かったということもある。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
ヤマザキマリ
エンターブレイン

自分を見直してみようと思って、久しぶりに一色まこと『ピアノの森』を読んだら、すごく感動が起こってきて、小学生篇の部分を久しぶりに読み直したのだけど、すごく感動した。それは結局、「運命」というものに対する感動なのだなと思う。カイが阿字野のピアノでショパンに出会ったという運命。それがカイの一生を決め、また阿字野のその後の一生も決めたといっていい。「自分のピアノを好きになる」=「自分の運命を受け入れる」とはどういうことか、それはどうすればできるのか。それが修平に課せられた自分を越えるための課題だったわけだけど、それが提示された小学生のときからようやくショパコン2次でそれを成し遂げる、その流れの一つがようやく解決して、浄化されたものがある。カイが小5の全日本学生コンクール予選でつかんだ自分のピアノ、森のピアノの場面になぜ感動したか、それは天才というものを描くことが出来た一色の天才に感動したのだと思っていたけれどもそうではなくて、自分の本質を表現することが出来た、実相を顕現させることが出来たそのことに感動したのだということに今日初めて気がついた。

ピアノの森 1 (モーニングKC (1429))
一色 まこと
講談社

四谷シモンの自伝、『人形作家』を読んでいる。小学校高学年の頃から人形作りにのめりこみ、プロのぬいぐるみ作家やフランス人形作りの川崎プッペの家を訪れたり手伝ったりする一方で、中学の時には不良グループと付き合いを持ったり殴りあったりの荒れた生活を送っていたのだというけど、人形という天上の世界とそういうちをはいずるような世界が同居していたということは、まさに四谷シモンという人のイメージそのもので、地獄が深ければ深いほど天上が高いところにある、というような感じのする思春期だったのだなと思う。50/200ページ。

人形作家 (講談社現代新書)
四谷 シモン
講談社

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by Luke Peterson

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