中村明日美子/私にとっての自分との戦い/BLとかGLとか
Posted at 10/12/02 PermaLink» Tweet
『楽園』に描いている中村明日美子という人の絵を、どこかで見たことがあるなとずっと考えていたのだけど、グーグルで検索してみて判明。モーニングに「呼び出し一」を書いていた人だ。
呼出し一(1) (モーニングKC) | |
中村 明日美子 | |
講談社 |
昨日は12時前に寝たのだけど、起きたのは6時40分ごろで、布団をたたんで服を着替えて、古いマンガ雑誌を12冊ほど選んでまとめて資源ゴミに出す。そのあとファミリーマートに行ってモーニングを買う。朝食後、戻ってきてモーニングの続きを読む。今週号はつなぎの週という印象。「ジャイキリ」はサックラーの話を早く読みたいという感じで、なるほどそうやってJ1の監督になったのかと思った。本当にそういうことがあり得るのかどうかは分からないけど、ひょっとしたら外国にそういう例があるのかもしれない。「宇宙兄弟」はサクサクと訓練が進みつつある。そしてデニール・ヤングの引退。『紅の豚』がネタとして使われていた。あとはまあ、面白いのもあるけど特に語りたいというほどでもない。
小説の書き直しをしていて、どうも面白くないので何が原因かなと朝寝床の中でその漠然とした不満のようなものについて考えていたらしく、起きた時には書きたいものを書きたいように描いていないからだ、ということに思い当る。女子エロの衝撃でやや眩惑されていたせいもあるのかもしれないが、ちょっと何か見失っていて、それはなぜかというと読者として読み直してみると論理的に変だとかこのあたりは無理なつなぎをしているとか、そいうところが目についてしまうのだ。だからそういうところを直そうとすると、論理が通っているとかつなぎに無理がないとかそういうことばかり考えてしまって、肝心の書きたいことを面白いと思うように書くということを見失ってしまう傾向がある、というかまさにそうなっているということに気がついた。
筋の運びや会話を論理的にすると、どうしてもキャラクターがまじめである意味おたくっぽく冷たくなる感じがあって、それがどうも嫌だなと思ったのだった。とにかくキャラクターを魅力的にしないと書いていても面白くないし、読んでいても面白くないだろう。こういうことって本当に経験してみないと分からないことで、まだまだ本当に勉強の最中だなと思う。
書きなおしたものを書きなおし、もともとのものとミックスさせながら、魅力的でありつつかつ無理のない筋運びになるように手直しを進めて行く。途中で一息入れて、書店に二宮ひかるの作品とかを探しに行くことにする。車を国道を走らせて、スーパーで少し買いものをし、書店に入ってマンガを探すが、どうも目当てのものやそれに近いものが見つからない。あきらめてもう一軒の書店に行くと、中村明日美子とかシギサワカヤとか『楽園』掲載の他の作家のものは見つかったのだが二宮ひかるがない。で、中村明日美子の絵ってどこかで見たことあるなと思いつつ見ていたらBLのコーナーにまず発見し、さらに探すと今度はGLのコーナーにもあった。うーん。GLというジャンル名は初めて知ったが、何と言うか、その方がBL寄りは感性的に納得が出来る。まあBLは100パーセント妄想だが、GLは半ば女性にとってリアルな感覚だろうからなあと思う。で、結構いろいろな場所を探したが、結局何も買わないで帰ってきた。
でも、『楽園』で読んで面白いと思った作家とかでも様々なジャンルに伏在していたのが見出されてこういう雑誌に集ったのかと思うと、表現というものの幅広さに改めて呆然とする思いがした。まあ読んで面白いと思わないものを読んでる暇はないにしても、読んで面白いと思うものがどこに隠れているのか全然見当もつかない。今まで近づかなかったジャンルにも面白いものは隠れているようで、機会を狙ってそういうものを探してみないといけないと思う。しかしそうなると、新刊書ではビニールがかぶせられているからまずはBOなどで探してみるということかなと思う。対象が無限にあるような気がして呆然とするが、しかし実際に私が読んで面白いと思うのはそう無限でもないだろうから、まあぼちぼち読んでみるしかないかなと思う。
一度完成したものを書きなおすということになかなかエンジンがかからないのは、「一度完成したという満足感」を失うのが怖いんだなと車を運転しながら思う。自分の持っているものにあまり自信が持てないのはまあ昔からのことだけど、だから自分がやって手にしたものにしがみつきたくなる気持ちが多分あるんだろうと思う。実際、不十分だから書きなおそうと判断したのに、一度完成したということにこだわってしまう気持ちは少し不思議なのだが、あまり「得る」ということに熱心になれない分だけ、「失う」ということを厭う気持ちが強いんだなと思う。それはあまりにも後ろ向きだなとは思うが、「保守」というものの基本的な心性はそういうことなのではないかという気がする。生きるということは何かを得て、そして失うこと。だということはわかってはいても、得ることも面倒だし失うことも怖かったりするのは因果なことだと思う。まあものを作ると決めた以上、失うことを恐れる気持ちと戦い続けること、はきっとついて回る。自分との戦いってみんなそれぞれ何だろうけど、私にとっての自分との戦いというのはそういうものなんだなと思った。
楽園Le Paradis 第1号 | |
シギサワ カヤ,日坂 水柯,二宮 ひかる,宇仁田 ゆみ,中村 明日美子,かずま こを,黒咲 練導,竹宮 ジン,売野 機子,西 UKO | |
白泉社 |
帰ってきて昼食を取り、改めて『楽園』の中村明日美子を読み返してみたらGLだった。って言ってもすごいリアルで、こういうことってあるだろうなと思う。でもこういうのを読んでいると、『虫眼とアニ眼』の宮崎駿と養老孟司の対談が思い出された。いじめがなくならないのは(自然を奪われた)人の感性が人間関係にばかり向いてしまっているからそれが肥大化して見えて来るのだ、ということで、同性の恋愛というのも人間関係のみが肥大化して見える現象と関係があるんじゃないかという気がした。もちろんもともとそういうものが強い人は現にいるけれども、何となくそっちで「も」いい、という人もまたいるはずで、生きて行くのに必死だった時代は多少そういうのがあっても異性間で婚姻して生活を立て子孫を残していくのが当然だったんだろうと思う。まあその人たちが幸せな結婚が出来たかどうかは別にして。人間関係的なものよりももっと生きて行くことそのものの方が大事だった時代は確実にあると思う。まあそういう意味ではそれだけ解放されて自由になってるということなんだろうと思うけど。
虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1) | |
養老 孟司,宮崎 駿 | |
新潮社 |
まあ読み終えてから、また小説の手直しを進めて、で、ブログを書いた。
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