荒木経惟『いい顔してる人』:妊婦と赤ちゃんの親子ヌード
Posted at 10/10/28 PermaLink» Tweet
今朝は昨日ほどは冷え込まなかった。でも風が強くて、職場の不燃物を処理しに行くのにジャンパーを羽織って出かけた。昨夜つけていたストーブが消えていていつ消したのかと思ったら灯油切れだった。灯油缶にももう残ってなくて、家のタンクから補給する。木曜日なのでまずファミマに車を走らせ、モーニングを買おうとしたらスーパージャンプも新しい号が出ていたので買った。職場に出てペットボトルを整理し空き缶のバケツを下げて集積所に出しに行き、帰ってきて手を洗って家に戻る。その間に強い雨が降り出して来た。間一髪。雨は今も降り続いている。強くなったり弱まったり。
帰ってきて少しモーニングを読んでから朝食。少し母と話して、鯉に餌をやって自室に戻る。雨は降っている。モーニングとスーパジャンプを一通り読んだら9時半を過ぎた。全部をちゃんと読んだわけではないけど、今回読んだ中で印象に残ったのはまず「ジャイキリ」。似た者同士のチームの激突、という感が確かに強くてこれからの展開に期待が持てる。「宇宙兄弟」デニール・ヤングの言葉と、ムッタの覚醒。「ビリー・バット」チャック・カルキンの謎。「神の雫」唖者と盲者。「ルシフェルの右手」新たな展開。SJ。「JIN」大団円間近か。「バーテンダー」。ドンキホーテか、泣けた。「ゴタ消し」面白い。「王様の仕立て屋」どんどんドタバタになってくるな。「そして、僕は君に還る」そういう展開だったか。「天下人ソウル」滅茶苦茶だがわりと面白くなってきた。
今回読んだ中ではやはり「バーテンダー」がいい。理想を目指すドン・キホーテ、というところが妙に心に染みた。
いい顔してる人 | |
荒木 経惟 | |
PHP研究所 |
荒木経惟『いい顔してる人』(PHP、2010)読了。途中まで読みにくかったのだけど、途中からずいぶん読みやすくなった。急に言葉が入ってくるという感じになった。この人の写真というのはとても印象に残るのだけど、何が印象に残るのかよくわかっていないところがあった。もちろんいい写真もそれほどでもない写真もあるのだが、いい写真にはストーリーがある。その人の人生の一場面を切り取ったようなよさがある。憂いを含んだ顔や謎めいた表情もいいのだけど、「日本人ノ顔」シリーズについて「アタシがやるべきなのは、そこにすでにある関係を、幸せなままに写し取ることだなって思い始めたんだよ。撮りながら、そして添えrがまとめられた写真集なんかを見てさ、それが確信にかわっていった。」と書いているのを読んでいて、私はようやくこの本に入っていける感じがした。最初の方はどうも何を言いたいのかよくわからなかったのだけど、この人はこういう人なんだということがこのあたりのところでようやくわかってきたといえばいいのだろうか。
荒木は自分でも言っているし、見るからにそうなんだけど、ちょっと不良っぽいあけっぴろげさを売りにして自ら「エロカマラマン」なんて称しながら、実はシャイな江戸っ子。そのポーズと中身のギャップの在り方というのが、私なんかには呼吸が合いにくいタイプの人だなと思っていて、でも写真なんかはたしかに魅かれるものがある。この本も、やはり表紙カバー写真の妊婦と赤ちゃんの親子ヌードの明るく力強い顔に魅かれたから何度も買うのを躊躇しながら結局買ってしまったのだ。今までの荒木の作品とは明らかに一線が引かれてはいるのだけど、でもやはり荒木経惟の作品だとしか思えないオーラを持っていて、この写真がラファエロの『聖母子像』を超えることを目指して撮られたものだというのを知ると確かにそれだけの迫力があると思った。
うーん、何というか、この人の作品というのは、私のこういう取り澄ましたような語り口では語りきれないものがあるんだよな。(笑)新しい語り口を身につけないと、この人の作品は語れないかもしれない。新しい語り口を身につけるということは新しい視点を開発するということでもあるだろう。しかし考えてみれば、ラファエロの絵の素晴らしさを語ることがどれくらいできるかというかというと、出来ない。いくら言葉を費やしたって実物に如くものはない。何を言ってもせいぜい何かを付け加えるだけで、それがよけいなものだったら何も言わない方がましなのだ。
古典作品というのはもともとそういう迫力がある。現代の作品というのは語られることを前提として作られていることが多いから、語ることによって作品に参加し、鑑賞も能動的なものになるが、古典作品というのは基本的に完成されているから何かいうのは余分なのだ。そういう意味では、荒木の写真というのは現代の古典とでもいうべきものなのかもしれない。何かいうことがよけいな感じがするものが多い。いい意味で突っ込みどころがない。
この本は、彼が人間というものをどういうふうにみているかということが非常によくわかって、すごくいいなと思う。そして写真にどういうふうに取り組んでいるのかということも。そのあたりはすごく刺激的で、自分の姿勢をただされるところがすごくある。最近、レディ・ガガに何となく興味があるのだけど、荒木が彼女を緊縛して写真を撮ったということを知って驚いてしまった。ネットで調べてみると『Vogue homme』という雑誌で特集されているらしく、早速アマゾンでバックナンバーを注文した。『Vogue』に男性版があるということ自体初めて知ったのだけど。(今見たら、半年に一度の発刊なのだ)
VOGUE HOMMES JAPAN (ヴォーグオムジャパン) VOL.3 2009年 10月号 [雑誌] | |
コンデナスト・ジャパン |
ああ、いろいろ胸突き八丁だ。創作上もいろいろ考えなければならないことが多いのに他のこともいろいろ忙しい。それだけ人生が動き始めているということなんだろうな。
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