ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』
Posted at 10/09/29 PermaLink» Tweet
昨日帰郷。ここのところインプット過多だったのでなるべく新しいものを買わないようにしていたのだが、まあ心がなごみそうなものならいいかと丸の内の丸善でヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』第1巻(エンターブレイン、2009)を買う。切符を取って改札に入ってから何か軽い昼食を買おうと南口のエキュートへ行き、物色して平田牧場の豚の味噌漬けおにぎりと向かいで売っていたあんパンを買う。
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新宿に出て、特急の中で『テルマエ・ロマエ』を読み始める。この本、実は出たころに丸善で立ち読み用見本本で少しだけ読んだことがあって、こんな感じかというのは分かっていたのだが、最初から最後まで実直に風呂の話ばかりで、ここまでよく書けるなと感心した。主人公の浴場技師ルシウスがやたらと実直で、話の運びも絵柄も実直そのものでまたそこがおかしいのだろう。私のわかる範囲では考証もしっかりしているし、時代がハドリアヌス帝の末期というのもなかなかいい感じだ。最初から長期連載にするつもりがあったのかどうかわからないが、ハドリアヌス帝とその後継者が出てくるあたりで長期化にも対応できる時代的なスパンも用意していて、ちゃんと作戦的にやってるなと思う。ローマあるいは古典古代の時代もの、というのは塩野七生の『ローマ人の物語』でだいぶ一般にも浸透した感があるが、マンガでも岩明均の『ヘウレーカ』などすでにいくつか作品が出ているけれども、こういうローマと日本の「お風呂の比較文化」的なことをやるマンガというのは斬新だなと思う。ローマの方は時間軸があるが「平たい顔族」の世界の方は全然脈絡なくとにかく風呂関係のところにルシウスが現れるので、どれだけ入浴文化のバリエーションが描けるのかお手並み拝見、という感じだったがところがどっこいなかなかネタが尽きない。作者の風呂に賭ける情熱も相当なもの?ではないかと思った。
2時過ぎに実家の地元について、実家で少し母と話をし、会計事務所に連絡などして職場に出て仕事。10時まで。昨日はいろいろ新しい仕事も入り、ちょっと難しいと思ったらそうでもなかった仕事などあった。帰ってきて夕食、入浴しようと思ったら風呂が冷たい。実家の風呂は、実は温泉が引かれているのでまあ贅沢といえば贅沢なのだが、湯温がやけに低い時があり、ユニットバスに比べればある意味不便だ。沸かし直しもできないし。で結局入浴できず。入浴マンガを読みながら風呂に入れないというのもトンビに油揚げをさらわれた気分だった。まあ昨日は仏滅だったし仕方ないか、とお日柄のせいにしておく。
朝起きてモーニングページなど書いた後、朝食。鯉に餌をやって、自室に戻って短編小説を書き始める。短編というよりショートショートくらいの長さ。実際はこれくらいの長さの方がいいのかもしれない。会計事務所に少し問い合わせをしたら折り返し電話がかかってきて相続関係の書類を取りに行く。思ったより話が長くなった。戻ってきてから短編をワードに落とし、プリントアウト。読み直してから出かける。蔦屋にDVDを返しに行き、『テルマエ・ロマエ』の2巻を買った。その足で隣町のユニクロへ。ズボンを一本新しいのを買おうと思って、グレーのコットンのスリムのものを1本買う。1990円。本当は、ズボンくらいはもっといいものを買おうと思っているのだけど、手軽な方に流れることはままある。
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帰ってきて昼食。母と話をして書類に判をつき、また会計事務所に届けたら所長さんが車を洗っていた。書類を届けて家に戻り、また別の短編を書き始める。こちらの方が長いが、少しもたもたするところがある。アイディアは悪くないと思うのだけど、本当にこういうのを書きたいのかといえば、少し分からなくなってきたところがある。
『テルマエ・ロマエ』の2巻を読む。またまたお風呂のワンダーランドがどんどん展開。歴史的な背景を踏まえながらキャラを立てている。ちょっと単純化し過ぎな感じもあるが、このマンガの乗りからいえばこんな感じがちょうどいいのかもしれない。
『テルマエ・ロマエ』、そこらじゅうで語られているなあと思っていたらいまamazonのコミックス部門で2巻が1位、1巻が23位だ。こういうものが売れる時代になったんだなあと思うと感慨深い。今年の芥川賞でアンネの日記を扱った作品が選ばれた時も似たような感慨を覚えたけれども。
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