私は死ぬのが怖かったんだ/車の中にチョコボールを落とす
Posted at 10/07/28 PermaLink» Tweet
昨日帰郷。特急の中が寒くて参った。この季節はいつもそうなんだけど。今日はちょっと調子が悪くて、どうもそれは昨日冷えたせいではないかという気がする。先週上京する時に上着を忘れ、今回も新たな上着を持って帰るのをちょっと控えたので、それが悪かったかなという気がする。今日もどうも足が冷えて困る。外は大分暑くなってきたので、そのうち大丈夫かとは思うのだが。しかしそれにしても今日は大分風が強いなあ。窓と入口を開け放していると、ものすごく風が通るのはいいのだが、掃除していない電気の上の埃が舞い散ってそこらに降り注いで行く。寝転がっていると目とか口とかに入ってきそうで嫌な感じだ。いや、涼しいのはいいんだけど。
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昨日は特急の中で、江草さんのブログに紹介されていた森毅『現代の古典解析』(ちくま学芸文庫、2006)を読んでいた。面白いのだけど、やはり誘眠剤としての働きも強力で、八王子の手前から小淵沢くらいまで爆睡した。そのあとぼーっとしながら考え事をしていたのだけど、私が子どもの頃、怖い夢をよく見たのは、やはり死が怖かったからなんだなあ、ということに改めて思いが行った。あまり子どもだったからなのか、それとも死を恐れるのは子どもっぽいと思ったからなのか、わりと早いうちにそういういことを意識しなくなったのだけど、でもやっぱり本当は死が怖かったんじゃないかと思う。
何かよくわからない漠然とした不安というか、いつもそういうものが私には付きまとっていて、その原因が何なのかずっとよくわからなかったのだけど、それは本当は「死への恐怖」だったのではないかなあと思い始めた。思い始めたというより、そうだったんだなと思う。というか、そういうことに思い至って、なんだか結構安心した。つまり、死が怖いということは、生き物としては健康なことなんだと。死が怖いと思うのは、生きている証拠だ。生きていなかったら死を怖いとなんか思わないから。あらゆる生きている存在は、死が怖いのだと思う。生死を超越するということは、死の恐怖から目を背けたり、無視することの向こうにはない。死が怖い人間であるということを受け止めてその向こうに、死が怖いからこそ、いつか死ぬ人間だからこそ、今死を恐れず全力を傾注する、そんな時に初めて「生死を超越する」といいえる状況が生まれるんだろう、と思う。
死への恐怖というか、生への執着というか、そういうものを超越しなければいけないという考え方があるけれども、それは何というか、ある意味危険だ。カルトでもありがちだし、何かそういうのってある意味人間に思いもかけないパワーを与えることもあり得ないこともないんだろうけど、それは生物としての本能に逆らうことだから、「死ぬのが怖い」ということをちゃんと踏まえた上でそれを超えるというパターンを踏まなければいけないと思う。
悟りを開いたら死が怖くなくなる、というのはだから、ちょっとおかしいというか、ある種の生悟り、ある種の野狐禅であるのではないかという気がする。まあ私の分からない境地というものはあるだろうから全部がそうだとは言い切れないけど、「死が怖い人間である自分」であることを認めた上でやらないと、それから目を反らして何かをやろうとするのは、やばい場合はあると思う。
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『芸術新潮』を読んでいたら華道家の川瀬敏郎が『本阿弥行状記』にある一休臨終のありさまについて書いていたが、一休は「死にとむない」と弟子に言ったのだという。禅僧なら生死を超越したようなことを言いそうだが、そんな風に言うとは「一休ならでかやうの事はの給ふまじ。夫故今の代までも尊み申ことなり」と、本阿弥光悦が書いているそうだ。まあこのエピソードは昔から知ってはいたが、意味がよくは分からなかった。今考えてみると、「死にたくないのが人間だ」という真理の悟りを一休は言っているんだなと思う。確かに一休でなければそうは言えないという言葉なんだろうと思う。
死にたくないのが人間だ、というふうに考えてみると、世の中が何というか色づいて見えるというか、色が鮮やかに見えてくる気がする。今までなんとなく淡色の世界の中に自分が生きている感じがしていたのだけど、世の中もっと生き生きとしてるんだよな、と思い直しているところだ。
昨夜は何となく仕事も活気があってよかった。今朝は少し起きるのが遅れたが、7時前に少し草刈りをし、朝食を取って「ゲゲゲの女房」を見た後、草を捨てに焼却場に行った。焼却場では草はたい肥にするためにたくさん積んであって、なんだか面白かった。
調子が今一でないので、少し休んだ後車で出かける。ガソリンを入れてから蔦屋に回り、「ゼロサム」の新しい号を買う。それから綿半に行って仕事で使う封筒を買い、ローソンでアクエリアスとチョコレートを買った。運転しながらチョコボールを食べていたら一つ転がって行方不明に。あとで探したけど見つからなかった。どこかで溶けているんだろうなあ。困った困った。
「ゼロサム」を読む。「ランドリオール」。ネタバレ注意。
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今月号は久しぶりに面白かった。新しいキャラクターが3人登場。アカデミー後期編(そう言えば、夏休みのあとが後期になってるな、この国(アトルニア)では。日本と同じだ。9月新学期じゃなくて、4月新学期なのかな。)前号ではライナスとフィルが歓楽街にDXの探しものを探りに行ったらクウェンティンに会って、そのネタを探り始めたら金髪で菫色の瞳の女性を見つける。つまりDXと同じ、ということ。二人は驚いて、「やべえ予感がする」とその場から逃げだす。うーん。普通に考えるとDXと無関係ということはあり得ないな。ひょっとしてルッカフォート父とリルアーナ王女の間に生まれた隠し子?みたいなところまで空想は飛ぶが、はてさて。DXとルーディーとリドは天恵ラボへ。そこでであったダントンさんにリドが純天恵であることが明らかにされ、そこに現れたマッドサイエンティスト的なフレミーにリドとルーディーが実験台にされようとするところを、DXが高位貴族ならではの啖呵でフレミーを圧倒し、救い出す。この場面、ルーディーならずともかっこいいなと思うだろう。今までこういう場面はなかなかなかった、というかまあないわけでもないんだけどちょっと中途半端だったので、徹底してこういう貴族の魔法の言葉(byフィル)が大放出サービスされたのは初めてじゃないかと思う。いやあ、またまた今後の展開が楽しみになった。
こういうことを書くといつも思うが、読んでる人にはネタバレだし、読んでない人には意味がわからんだろうな。誰のために書いているかというと、すでに読んだ人と感動を共有したい、っていうことなんだな。まあ、というわけで、まだ「ランドリ」を読んでない人には、面白いですよ、と言っておきたいと思う。
職場に出て、駐車場でもう一度探したらチョコボールが見つかった。溶けかけてたけどまだ形はあったのでそのまま処理。よかったよかった。
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