「みんなの党」の正体/正義を語ること

Posted at 10/07/20

ここのところずっと小説の手直しをしていて、他の文章を書くほうに頭が回らなくて、ブログも更新が滞っていた。昨日はモーニングペ-ジも書けなかったのだが、頭を切り替えるためにも今日は朝からちゃんとモーニングページもブログも書こうと思っている。

小説を読み直し、書き直して行く途中でかなり大きな問題にぶち当たっていて、それをどうするかということが結構難しい問題になっている。自分としてはあまり書かないようにしていたテーマをどう扱うかということなのだけど、物語の枠組を組んで組んで、「何を書いてもある意味OK」的な場面を作るところまでは行ったのだが、さてそこで何を書くかが問題になるという何というかある意味喜劇的な問題に直面している。

まあつまり、この小説がもともと何を書きたかったのかということなのだけど、それがいちばんの難問。構築的に何かを書くべきなのか、もっと掘り下げ的に調べて行くべきなのか、自分を何かの風に乗せてその方向性を得て実体を顕わにしていくべきなのか、自分でもよくわからない。頭を空白にして、中立的にそこに結ぶ映像を書いて行くというのが私の基本的な書き方なのだが、どうもそれでは物足りない感じもあり、いろいろ試行錯誤をしてみている。まあ何を書いてもいいわけだから、いちばん面白くなるようにしたいとは思うのだが。

先週はほとんど東京に帰れなかったので、今週はじっくりと東京にいて自分の中に沈潜した時間を長く持った。根本的にものを書くエネルギーというのは自分の中に沈潜することで生まれるのだと思う。昔のマンガをずーっと読み返したり。今回は『宇宙兄弟』を全部読んだ。それから家事的なことを結構まめにやったり。暑いしよく晴れているから洗濯機は何回も回した。しかし食べ物は結局ほとんど中食だった。

CHOPIN (ショパン) 2010年 08月号 [雑誌]

ショパン

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日曜日、昼頃地元の文教堂に出かけて『ショパン』8月号(株・ショパン)と小林よしのり『修身論』(マガジンハウス、2010)を買う。『ショパン』は、「ピアノの森」が取り上げられている。そのほか、ポロネーズとマズルカの踊り方が掲載されているのが面白かった。一度現地で実見したいものだと思う。『修身論』は、小林が今まで「現代をどう行きぬくか」みたいなことについて「ゴーマニズム宣言」シリーズで描いてきたものを編集してまとめたもの。昔のものも結構含まれていて、もともとはずいぶん強烈な個人主義者であったことを改めて思い出した。基本的には、核になるところのものは変わってないなあと思う。しかし小林の言うように、昔なら「自然に触れることが大事だ」というようなレベルのことをいえば済んでいたのが、今ではまず「しつけが大事だ」という当たり前の根本的なことから言わなければならなくなっているという世の中の変化は確かにあるなと思う。そういう意味で説教くさくしかもたいしたことを言ってない感じになってしまうのは、それだけ時代の方が崩壊を極めてきたという面は確かにあると思う。久々に小林のものを一気読みして、ちょっと懐かしかった。読了。

ゴーマニズム宣言PREMIUM 修身論
小林 よしのり
マガジンハウス

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夕方丸の内に出かけて、まずブルックスブラザーズのセールに行き、シャツを一枚買った。半袖で欲しいのがあったのだけどどうも高く、長袖を一枚買う。それにしても、何でスタッフが蝶ネクタイをしているのかな。最近このブランド、ちょっとよくわからないところがある。本来のアメリカントラッドという方向を守っていく方がいいと思うんだけど。って言うか、蝶ネクタイが似合う日本人って、なかなかいないよなあと思う。

新丸ビルの地下に行って、コーヒーとパテと蜂蜜とカンパーニュなど買う。コーヒーはレジでその場で挽いてくれた。さすが成城石井。1階に上がって「STAND T」というスタンドバーでレモンビールを一杯。そういうものがうまい暑い一日だった。ワンコインで一気飲みして、そのまま黄昏の丸の内へ。こういうのもたまにはいい。

手織の技法
居宿 昌義,田中 佳子
理工学社

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それから丸善で本を物色。いろいろ見たが、居宿昌義ほか『手織の技法(新装版)』(理工学社、1974)を買う。これは、小説に必要な本だなと思い。まだ読んでないが、面白そう。

昨日も朝から暑かった。昼頃アリオ北砂に出かけて昼食の買い物のついでに福家書店ものぞく。結局買わなかったが。夕方神保町に出かける。がいあプロジェクトでパンを買い、三省堂や東京堂をのぞく。結局東京堂で渋谷陽一責任編集『SIGHT』2010夏号(ロッキンオン)と柴田元幸責任編集『モンキービジネス』vol.10(ヴィレッジブックス)を買ってマザーズの食堂で夕食。

SIGHT (サイト) 2010年 08月号 [雑誌]

ロッキングオン

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『SIGHT』は面白い。分かってるようでなかなか正体がつかめない「みんなの党」についての特集。これはなかなかよかった。江田憲司が渋谷のインタビューに答えている内容も面白いし、この党が勢力を伸ばしつつあるのは偶然ではないなという感触がよかった。民主党といっていることが同じようでどこが違うかというと、結局民主党は労働組合や業界団体の組織・団体頼みの政党になってしまったということ。選挙で彼らの支援を受けて彼らの死活問題である既得権の問題に切り込むことが出来るはずはなはい、という明瞭な論理。全くその通りだなあと思う。渋谷の田中秀征のインタビューの面白く、田中がみんなの党をもう全くべた褒めという感じでその将来に期待しているのも面白かった。田中としては、「さきがけ」でできなかったことが「みんなの党」で出来るかもしれないということで大きく期待しているようだ。「みんなの党」は、これから拡大していく過程で何が起こるかはまだわからないけど、方針さえ間違わなかったら化ける可能性は多いにあるなと思う。割と楽しみだ。ウィキペディアに「リバタリアンの政党」と書いてあるが、本当にそうなのか、そのあたりの議論もまたどこかで読んでみたいとは思う。

モンキービジネス 2010 Summer vol.10 アメリカ号
柴田 元幸
ヴィレッジブックス

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『モンキービジネス』は村上の翻訳に関するインタビューとか。村上は、日本でのインタビューでは語らない「正義」をどう考えるかということを、割と海外のメディアには語る。そのへん結構使い分けてるなと思う。私も小説を書いていて、その問題――正義について――ちょっと考えざるを得なくなったので、ちょっと読んでみたくなったというのが大きいな。日本のメディアでそういうことについて村上ってまず語らない。相対主義の深淵に嵌って行くだけだと思っているからだろうな。実際そうだと思うけど。

アーリー・ミュージックの愉しい世界

Naxos

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食後、ディスクユニオンによってジャズとかクラシックのCDを探す。ナクソスの音楽史シリーズ『アーリーミュージックの楽しい世界』とワッツのリストピアノ名曲集『ラ・カンパネラ』を買う。表題の「ラ・カンパネラ」、フジ子・へミングとはまた違ったよさがあるなと思った。

リスト:ラ・カンパネラ(ピアノ名曲集)
ワッツ(アンドレ)
EMIミュージック・ジャパン

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小説を書いていると自分の中から吐き出し続けることになるけど、いろいろなものを吸収するという働きも結構動く。こうしていちいちブログに書くよりもっと原始的にいろいろなものを吸収してるんだなと思う。

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