グローバル化によって個人の幸福も形は変わるんだろう
Posted at 10/07/10 PermaLink» Tweet
昨日。午前中は小説の手直しをし、気分転換に街に出てデパートでコーヒーを買い、銀行で仕事の入金など。昼食後、少し休んでブログを書き、出かけてビックコミックを買ったり革の作業手袋を買ったり。足を伸ばして蔦屋に行って『ダヴィンチ』を買った。「テレプシコーラ」がようやく読む気のでる展開になってきて、ほっとする。第2部の第4巻が23日に出るらしい。モーニングの単行本も、23日にはジャイキリ、へうげもの、ピアノの森と欲しいのが3冊出るし、ジャイキリは雑誌「ジャイキリextra」のvol.2も同時発売。ずらしてくれればいいのになあと思う。まあ品切れになる心配はないし、買うのをずらせばいいだけなんだけど。
グローバル資本主義について、自分なりにだいぶ考え方がつかめてきた。要は、生産産業と交通の発達によって地域経済が国民経済に拡大したように、産業・技術と通信の発達によって、国民経済が世界経済に大規模化した、ということなのだ。
私たちは、というか少なくとも私は、あるいは学校で教えられる教え方としては、経済をとらえるとき、日本全体の経済について考えるし、学ぶ。東北とか沖縄とか地域の経済を考えるのはその次の段階だ。もちろん地域で経済活動をしている人にとっては国全体より地域の状態の方が大事だけれども、それでも国全体を見る視点がなければ地域のことも考えにくいだろう。
経済がグローバル化したということは、結局それと同じように、まず世界全体での経済の動きを見据えた上で国民経済、日本国内の経済やその他の国の経済を見て行かなければならない状況になった、ということなわけだ。そこがどうしても、学校で習ったこともまず国内のことからだから、どうしても小から大を見る見方になってしまう。グローバル化以前にはそれでも何とかなってきたわけだけど、今ではもうそうはいかないということなわけだ。少なくともグローバル派の人の発言や著書を理解するためには、そういうふう考え方を持たなければ何を言っているのかちんぷんかんぷんで、全然理解できないのだということが分かった。簡単にいえば、パラダイムを転換しなければならないということになる。それは国民経済の規模の視点、地域経済の視点を捨てろということではない。それらに加えて、あるいはそれらを考える前提として、あるいは少なくともそれらと強い相互関係を持つものとして世界経済を国民経済や地域経済と同じ程度の重要度としては見て行かなければならないし考えて行かなければならないということなのだ。
政治家もそうだしマスコミも、やはりまだ「国民経済」という枠組みにどうしてもとらわれてしまっていると思う。しかしそれでは地方のニュースしか伝えない地方紙みたいなもので、世の中の大きな流れの中で起きていることを理解するには不足だろう。昔はワールドニュースとか見ていても直接自分には関係ないことだという感じだったけど、今後はそうはいかない。まあ日本は、まだまだガラパゴスでやっていける面もないわけではないと思うし、ある意味それが日本のよさでもあると思うのだが、「Think globally, act locally.世界規模で考えて足元で行動する」(だったか?)ということもあるし、少なくとも世界を見て行くことの重要性を改めて認識したのだった。
少し付け足しておくと、そのときに、国家間対抗意識のようなものにあまりとらわれない方がいいということだ。観察は冷静にしなければならないという意味で。中国がアコギなことをしてのさばってふざけるなと怒りを沸騰させたり、失敗してザマアミロと思ったりし過ぎて冷静な視点を失ってはいけない、ということだ。日本国内でも昔は長州閥打倒と称したりして地域対立も結構あったが、今はあまり意味を失っている。逆に、今は知事自らが牛肉を売り込んだり観光を売り込んだりしているわけで、地方が国内で生き残るための戦略を打ち出しているように、日本という国家もまた世界的に日本をどうやって生き残らせていくかという戦略を持って行動しなければならないということなんだろう。グローバル経済というのは、どの国も「安泰」ではない、ということでもある。
政治家はだから、ドメスティックな足の引っ張り合いにのみ長けた人がリーダーになるようでは困るわけで、まあもちろん権力を握るためにはそういう過程を経る必要はあるのだけど、広い視野で世界を観察し、今何を日本はしていくべきかということを考え、選択し、行動する能力が問われているんだろうと思う。
まあそういう中でもう一つ大事なのは、こういうグローバル化時代において、個人の幸福とは何だろうかということで、これはきっと、我々が育った冷戦時代や国内で自己完結していた時代とはまた違う幸福観というものが出てくるんだろうと思う。地域の人々の幸福が地域での活動によって成り立っていた、仕事も人づきあいも地域の中で基本的に自己完結していた時代と同じような形では幸福は成り立たないだろうし、国内で完結していた時代の幸福とも違うことになってくるだろう。まあ昨日も書いたが新たに100万人が資産運用で食べていけるようになれば100万人分の雇用や事業の創出を考えなくていいということになり、そうなると仕事上の付き合いを主軸にして成り立ってきた今の人間関係というものは変化せざるを得ない。日常生活や地域の奉仕活動、生涯学習活動とか、新たな人間関係の主軸を作っていかなければならないことになる。
なるほど。「生きがい」という言葉があるけれども、要するに仕事が生きがいの人が多かった時代は人間関係も仕事が主軸だったわけだ。生きがいを持て、ということは、生きて行く上で主軸になる人間関係を探せ、ということでもあるということだなと思う。
まあそういうわけで、グローバル化ということにはずいぶん多くの対応しなければならない問題点が含まれている。それに対して否定的な意見が多くなるということは、いわば「鎖国」を求める声が多いということで、その具体的な現れが「ガラパゴス化」ということでもあるんだろう。それは北朝鮮とかとは違う意味ではあるが一種の逆ユートピアかもしれない。まあでも正直、私がi-phoneとかに走らないのは、モバイルスイカとかが使えなくなるとかいうことは大きいけどね。
まあそういうわけで、自分なりに世界をちゃんと見て行って、世界像を日々更新していかないといけないなと思ったわけです。
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