本音の文章と本気の文章
Posted at 10/06/01 PermaLink» Tweet
昨日。午前中に友人から電話がかかってきて、午後に横浜で会うことにする。自分としては余裕を見てでかけたつもりだったのだけど、結局3時33分東京発の東海道線になった。少し早めに横浜に行って散歩でもするつもりだったのだけど、結局待ち合わせ時間にぎりぎり。早めに、というのは30分くらいは早めに出ないと、何もやってる暇がない。10分では誤差の範囲だ。
久しぶりにアフタヌーンティーに入ってアフタヌーンティーを注文。三種類のケーキを楽しむというプランだが、友人はアップルパイをどーんと食べたかった、とあとで言っていた。
なんかずいぶん本質的な話をいろいろした。自分のことについてはまあここに書けることとは多少書いてみよう。
自分の中にクリエイティブな通路のようなものがあって、これはいつも掃除しないとすぐ詰まってしまうのだが、郷里にいるときは実に詰まりやすい。また一人で考え込んでいたら通じるというものでもなく、やはり人と話したり、人の作品を見たり聞いたりするのがいちばん通じるようだ。クリエイティブな通路に日常性の垢のようなものがだんだんこびりついてくる。コレステロールみたいなものだな。やはり血をさらさらにしないといけないということなんだと思う。昨日はだいぶ詰まっているのが取れて血がさらさら流れ出したらしく、いろいろなことが考えられてよかった。
まあ話した内容についてまとめようと思っても、その後また考えて考えが進んだ部分もあるので今考えていることをちょっと書いてみる。
と書いてはみたが、考えたことの中にも、今こうして書こうとしてもう一度いろいろな角度から考え直してみるとそう単純なものでもない、ということも出てきてなかなかそうは行かない、という感じ。ただ、自分にとって本質的なアイディアというのは基本的に向こうからやってくるものだということ。それがやって来やすくするために、毎日書くということが大事なんだと思う。書いていく中でアンテナを立て、そこで本質的なものをキャッチする。モーニングページとブログと活元運動は毎日日課としてやっていることだけど、「稽古」と考えておくといいかと思う。確かに「仕事」は稽古より大事だという面はあるが、その仕事は稽古あってのもの、といえばいいか。どちらを取るかではなく、稽古しつつ作品を書き、その中でしか得られないものをまた稽古にフィードバックしていく、というサイクルが重要なんだと思う。
自分がどういう人間か、ということを友人や自分の周りの人間と比較しつつ考えてみて、自分にとって理念とか規範とかいうものが自分にとって基盤としていちばん必要な物なんだと思った。その上に立って、楽しみを持って、いろいろな方法上のバリエーションを楽しみながら、本質を追求し、それを作品にしていく、ということではないかと思った。そしてその中で得られたものでさらに自分の基盤を整理し、整備し、強化していく。まあ、強さ・楽しさ・面白さの中では楽しさ重視ではあるが、その舵を取るには強さも必要だし、楽しさに変化を加えるには面白さも必要だ。
文章には本気の文章と本音の文章がある、と思う。ここに書いていることはどちらも混ざっているが、最近は本音の方が多いと思う。というか、あるころから本気より本音重視になっている。というのは、本気で書いていた頃にどうも自分の期待していたのと違う反応がいろいろなところで起こってきて、それに応えようという気持ちになると自分が書きたいことが自然に書けなくなる、という危惧を覚えてきたからだ。つまり、本当に書くべきなのは本音かつ本気な文章というべきかもしれないが、それはまあちょっとブログでは書ききれない感じがする。まあともかく、思いがけない期待をもたれないように本音の中であまり望まれないであろうと思う部分のことを集中的に書いたりしたのだった。まあことの良し悪しは別にして、意図はとりあえず成功した。
本音の文章というのは、多分それは自分の中から自然に思考として上ってくる、形になりやすい文章で、まあつまり等身大の文章と言ってもいいけれども、それだけではやはり文章を書く、表現をする上では不十分なことだ。自分の思考や行動の表面的なことを書いているということもいえるし、考えたことをわりとストレートに書くという意味でもある。生々しいし、粗い。まあ、人に読ませるのではない、本来の意味の日記というのはそういうものだろうし、まあそれをモーニングページとブログと両方でやっているということでもある。もちろんそういうことの中で、やはり公開にはさすがに適さないと思うことはブログには書かないのだが多分その基準は相当緩いと思う。
じゃあ本気の文章って一体なんだろうと思って見ると、それは「愛」を表現した文章だということではないだろうかと思った。いや、あくまで私が今そう思っているということだが。社会問題、政治問題等について当時書いていたのは、いろいろな意味で本質的には「愛」の問題について書いていたのだと思う。ただ、根本が「愛」のこととして書いていると、批判とかはなかなか受け入れられないところがある。それは私の場合、愛には正義というものが引っ付きやすいからかもしれない。
時間がなくなってきたのではしょるが、自分の期待していたのとは違う形でもそこに「愛」を読み取ってくれたり、あるいは自分の書いたものを読んで元気を出してくれたりする人がいるということは、とても大事なことだと思う。もっと愛を上手く伝えられるようにならないといけないし、適切な応え方ができるようにしないといけないんだと思ったのだった。
いやなんとも中途半端だ。時間があったらいつか続きを書くかもしれない。帰りに有隣堂で山岸涼子『アラベスク』の愛蔵版第1巻を買って帰った。これもとてもいろいろ考えさせられて面白かったのだが、これもまたの機会に。
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