粛々と/人に三楽あり
Posted at 10/05/28 PermaLink» Tweet
今朝起床5時過ぎ。最近早く目が覚める。一番最初に目が覚めたのは4時半だったが、うつらうつらというかぐずぐずというか寝床の中でしていたら5時を過ぎた、ということだ。最近は早く明るくなるし、実家の方にいるときに私がいる部屋は天窓にカーテンをかけてないので外の明かりが分かり、それで目が覚めているんだと思う。起きないときは起きないのだから、今は光に敏感になっているということなんだろう。
実際、朝起きてカーテンを開けて、空は晴れ上がり、遠くの山の目にも鮮やかな緑が飛び込んできたときには心が震えるようなものを感じた。光の季節だ。「万緑の中や吾子の歯生え初むる」という中村草田男の句があるが、みずみずしい緑は何物にも代えがたい。中国でいう清明節というのもこういう感じだろうか。もちろん、清明は春の節季で、今はもう小満と芒種の間なのだが。
起きて少し活元運動をする。どうも腰椎の、おそらく五番が飛び出ていて、ぎっくり腰を起こしそうな状態になっているのが気になった。だいぶ活元運動をして腰に力が入るようになってきたが、朝起きるとそういう状態になっているというのはどういうことか。
6時を過ぎてから車で職場に出て、ごみの処理をする。最近、というかまあ以前からなのだが、職場の前の路地に猫の糞が落ちていて、それを処理するのが面倒くさい。猫をつないでおけとも言えないし、犬猫除けの薬はときどき撒いているのだが、だめなときはだめだ。最近もう慣れたといえば慣れたんだが、忘れたころに落ちているのでまたかと思って粛々と処理している。「粛々と」って国会審議とかで使われているけど、あのニュアンスって猫の糞の処理に近い感じがする。
なぜか缶コーヒーが飲みたくなり、職場近くのカラオケボックスの前の自販機で暖かい缶コーヒーを買った。職場に一番近い自販機はもう暖かいのが置いてないのだ。私のように夏でも暖かいものが飲みたい人間にとっては自販機というのは案外不便だ。
帰ってきてモーニングページを書く。「楽しさ」「面白さ」ということについてきのう書いて、アップする前に「強さ」も大事だなと思って追加したのだけど、どうもそれから「強さ」についてばかり考えている感じがする。「強い」というのは私にとっては「健康」ということ、それも精神的にも健康で肉体的にも健康、つまり整体、ということだなと改めて思う。腕力が強かったり権力を持ったりするのも多分面白いとは思うが、それがなければ絶対に嫌だというほどのものでもない。それより、自分の精神状態が健康だなとしみじみ思え、自分の体調が快調だなと思えることの方がどんなに幸せかと思う。もちろん、それを意識しなくなるくらい快調になることが最もよいことではある。
精神的な健康はsain、肉体的に健康なのはhealtyであるなら、整体というのは英語でどう表現しているのかと思って月刊全生のバックナンバーをめくってみたら、「そのかみの茶室はいづこ糸桜」(野口昭子)という句が目に飛び込んできていいなと思う。彼女は近衛文麿の娘だから、たぶん荻外荘(荻窪にあった近衛の別荘)の茶室をしのんだ句なのだろうと思う。京都あたりで利休の旧跡をしのんだ句かもしれないが。そのかみ、茶室現在の苦に耐える、、いづこ、糸桜。簡単な言葉で情景が湧き立つ。いい句だなと思う。
この号(平成6年4月号)はどこを読んでも面白い。巻頭言に、「人に三楽あり」とあった。過去の苦を回顧して現在あるを思う楽しみ、現在の苦に耐える楽しみ、苦の去りゆくときを思う楽しみ、なのだそうだ。それを追苦の楽、迎苦の楽、去苦の楽というのだそうだ。過去を顧み、未来を思い、現在に処す、それが人間の特権だというわけだ。そういう意味で言えば、いわゆる「楽しみ」というのは苦からの逃避だ、ということになるかもしれないが、逆に言えばその処し方の一形態だともいえる。まあ仏教的な表現だし、そう目新しいことを言っているわけでもないのだが、それを「追苦の楽、迎苦の楽、去苦の楽」と名付けて額縁に入れることによって自分がはまり込んでいる現在の状態そのものを相対化するということそのものに意味があるのではないかと思った。つまり、苦しんでいるのは自分だけではない、ということだ。
「眠くなるから人間は眠る。疲れを取るために眠るのではない。そんなこと(理屈)を知らない時から眠っている。」というのもまあ、逆説的だがよくわかる。ほかにもいろいろあるのだけどまあこんな感じ。
体を強くしたい、という欲求は実は昔からけっこうある、ということに最近気がついて、なんだか面白いなと思っている。
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