連載マンガのつぶやき/シンプルなものの持つ力

Posted at 10/05/26

10時30分。朝買ってきたスーパージャンプを読了。「バーテンダー」と「王様の仕立て屋」が良かった。「バーテンダー」は、佐々倉が自分の店を開店するときの決意と、客の早瀬の結婚のエピソード、それにヘルズアームのマスター上原の過去の話が絡む。転機というのは、何かを得た時と何かを失ったときに訪れる。希望は深い後悔の中からしか見えてこないから、後悔を生かさなければ、という話。後悔そのものをばねに新しい一歩を踏み出す、という話。

「王様の仕立て屋」はシチリアのマフィアの後継者争いの話がずっと続いていたが、おたくで意気地なしのピエルがピート香のするツイードのスーツを身にまとうことでピエルの、そしてファミリーの背筋を伸ばし、一件落着、という話。「匂い」を落ちに持ってくるとはなるほど、という感じだ。よく書けていると思う。

この二作、欄外を見たらツイッターのアカウントのQRコードが印刷されていて、携帯から簡単にフォローすることが出来た。これはなかなかいいアイディアだと思う。スーパージャンプは隔週刊なので、一回読んだら二週間待たなければならない。その間に、小ネタ的なものなどを配信するというのは、興味を眠らせないという点でも面白い試みだと思う。この二作は基本的に蘊蓄マンガなので、こういう手当の仕方はよいと思う。

仕事で成長したい5%の日本人へ (新潮新書)
今北 純一
新潮社

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昨日帰郷。体調はあまり良くない。特に目が疲れていて、眼鏡が合わないのが気になったりする。出かける途中で、丸の内の丸善で本を少し見て、久しぶりにビジネス書を買う。今北純一『仕事で成長したい5%の日本人へ』(新潮新書、2010)。仕事の能力を成長させるためには他人との対決が、自分の総合力を成長させるためには自分自身との対決が不可欠、という話は面白いなと思う。自分の仕事の相場観を持つとか、どん底で力を発揮するユーモアの力とか、「個人として生きる」ことを完全にベースにしたフランス人の考え方のよいところをよく説明している。そういうふうに徹せるのならそういう世界もまたいいなとは思う。あんまりずっとどよんとしたことを考え続けていたので、いい気分転換になっている。現在、80/206ページ。

朝鮮民謡選 (岩波文庫)
金 素雲
岩波書店

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『朝鮮民謡選』を読みながら思ったことだが、私は本当は素朴なもの、はっきりしたものが好きであるらしい。夜は犬が吠え、朝は鶏が鳴く世界。そうしたシンプルさ。色々やっているうちにどうしても頭の中がごちゃごちゃして整理がつかなくなったりやる気が殺がれたりするのが自分にとっての宿痾なのだが、本当はごちゃごちゃするものよりすっきりしたものの方が好きなのだ。仕事に関してこういうシンプルな考えを読むと、気持ちがよくなる。

夜は仕事9時半過ぎまで。相談の仕事を主にやっていたのだけど、一緒に話をした人の経験の長さと考え方の深さに、認識を新たにされた。大雨。少し早めに終わり、帰宅して夕食、入浴、就寝。仕事をしているときは体調は気にならなかったがやはり疲れはあったのだろう。寝る際にはすぐに寝入って6時間ほど熟睡した感じ。

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by Luke Peterson

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