見晴らしのよい墓地/自我の秘密

Posted at 10/04/26

昨日帰京。11時からお墓で納骨の予定なので、家から送り出す際に祭壇の前で家族の人たちで何か送り出すことをしようということになって、ダウンロードした般若心経を皆に配って私が木魚を叩きながら読経して皆に斉唱してもらった。素人の読経だが、皆が協力してくれると少しいいことをした感じがした。それから皆で線香を上げて、送り出す。私と妹がお墓に供える卒塔婆や供物、花や水、線香などを持ってお墓に行くと、もう親戚の人たちは大体集まっていた。石屋さんと手順を確認して物を用意しているうちに弟に迎えに行ってもらっていたお坊さんも来て、納骨をした。骨壷の中の父の骨は、火葬の日に見たままだった。当たり前なのだけど、なんだか不思議な感じがした。

今の状態に家の墓を整備したのは祖父だったので、お墓の中には祖父と祖母の骨壷が並んでいた。墓自体は江戸時代からあるのだけど、その前の代の人たちのお骨はもう土に還っているのだと思う。祖父と祖母のお骨を後にして、その前に父のお骨を置いて、石屋さんが蓋をして、周りを調えた。ここで石屋さんの仕事は終わり。御礼をして、それからお坊さんの仕事。お経を上げてもらいながら、順番に線香を上げていく。

家のお墓は、東の山の中腹にある。遅い朝、お墓に向かって手を合わせると、お日様に向かって拝むような形になる。見おろすと、西には諏訪湖。見晴らしがいい。昨日はとても天気がよくて、青空の中に市街と諏訪湖がくっきりと見えた。私は参列の親戚の人たちにご挨拶をしたのだけど、父が晴れさせてくれたのかと思うようなあたたかいよい天気で、父も安心して大地に還って行けると思った。30分ほどで一通り終わり、お墓を引き上げて四十九日のときと同じ料亭で直会。

ここは私の高校の同級生が跡継ぎの料亭なのだが、料理はいろいろと美味しかった。一時半ころ散会になり、私たちは家に戻った。子供たちが遊んでいるなか、私は弟に手伝ってもらってノーマルタイヤを車に積み、ガソリンスタンドに行ってタイヤ交換をした。実はこのスタンドも別の高校の同級生の経営。田舎に暮らしているとこういうことが多い。

取締役 島耕作(1) (講談社漫画文庫)
弘兼 憲史
講談社

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少し時間がかかったが、ギャル曽根の一番高い御節は何か?というどうでもいいような番組を見たり、そこにおいてあった『取締役島耕作』を読んだりしてたらあっという間に時間が経った。家に戻ってきてスタッドレスを下ろしたりし、弟たちと下の妹たちは車で東京へ帰る。

葬送〈第1部(下)〉 (新潮文庫)
平野 啓一郎
新潮社

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私は5時過ぎの特急で上京することに。車中では、平野啓一郎『葬送』第一部下巻を読んでいた。帰りに東京駅の『大地を守る会』で弁当を買い、新丸ビルの成城石井でオリーブ入りのカンパーニュとレバーペーストを買って帰る。

今朝はブログを書いたあと、少し思いついたストーリーを書く。寝床の中で思ったが、私が今文章を書く原動力というのは、「自我の秘密」というものを解き明かしたい、ということなんだなと思った。自分という人間が、一体どういう人間なのか、よくわからない。ブログでも何でも、こんなに大量の文章を書くのは、書くことで何かがわかるのではないかと思うからだ。わかる木もするしわからない気もする、書くことで余計謎が増えるような気もする。でもブログはブログとして形式が決まっているので、それで掘り起こせる自分というのはある一面になってしまう。小説を書くことで、他の方法では見えない自分が掘り起こしたい、と思っているのだと思う。自我の秘密、人間の秘密、生命の秘密。そうやって何かが書ければ。

原稿ノート タテ セミB5 C167
ライフ
ライフ

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10時すぎに出かける。日本橋に出て、丸善で原稿用紙ノートを二冊買う。ポイントカードを忘れた。東京駅まで歩き、中央線でお茶の水に出る。坂を下り、がいあプロジェクトへ。天然酵母パンを二つ買い、蜂蜜を買おうと思ったが、やたら高いのしかなかったのでやめる。神保町へ歩き、三省堂やブックマート、東京堂などを冷やかし、マザーズでお弁当と蜂蜜とパンを買う。それからフジヤスーパーに行ってアンチョビのペーストとバナナを買った。神保町に食品の買出しに行くと言うのもなんだか変だが、まあそれはそれとして。家に帰って昼食。

英国式スピリチュアルな暮らし方 (集英社文庫)
井形 慶子
集英社

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午後、しばらくいろいろしていたらおはぎが食べたくなり、自転車で出かける。駅前の文教堂で本を物色。読んだ感じで面白かった文庫を二冊買った。事例研究?みたいな感じだが。井形慶子『英国式スピリチュアルな暮らし方』(集英社文庫、2007)と佐藤愛子『こんなふうに死にたい』(新潮文庫、1987)。二つともスピリチュアル系という感じなのでいいのかなと思ったが、まあ想像力を刺激するのにはちょうどいいことは確かで、まあそういうものとして読んでみようと言う感じだ。

こんなふうに死にたい (新潮文庫)
佐藤 愛子
新潮社

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by Luke Peterson

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