高円寺デビュー/運とかツキとか勝負とか
Posted at 10/03/16 PermaLink» Tweet
いつもはブログを前日のことを次の日の朝に書くことが多いのだけど、今回は15日のことを15日のうちに書いてみようと思う。今は午後8時半。
というのは、毎朝8時半から12時半までの4時間をものを書く時間と決めようと思ったのだが、火曜日は10時半から移動なので書く時間がどうしても少なくなる。だから、ブログの分を前の日のうちに書こうと、まあそういう算段である。
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今日は12時過ぎに家を出て、新高円寺に行くことにした。うちから東西線でまっすぐ行けば高円寺に着くけれども、それだとJR線にもかかってしまうので、どうしたものかと。結局来た電車が中野行きだったので、大手町で丸の内線に乗り換えて新高円寺まで行った。40分強。電車の中では『カフェじかん』を確認したり、桜井章一『運とツキに好かれる人になる』を読んだり。新高円寺で降りて『東京カフェじかん』に乗っていたmizutamaというカフェを探す。よく分からないでうろうろしていたら、新高円寺の商店街が何だか面白いということに気づいて、あとでゆっくり歩こうと思った。21番地から22番地を一周して23番地にたどりついたら最初に歩いていたあたりでおっとっとと思うが、まあ迷ったせいで面白い店をいろいろ見られたのでよかったと思う。
mizutamaは小さなお店で、入ったときには私しか客がいなかった。ランチでキッシュを頼む。スープもついて美味しかった。ケーキは桜のシフォン。リンク先に写真があるけれども、これは美味しかった。シフォンケーキで美味しいと思ったこと、実は今までなかったのだけど。高円寺にはまた行くことがありそうなので、今度はまた別のケーキを食べて見たいと思う。ブログを見ていちばんおいしそうなのを見定めてから行けばいいなと思った。今度はオレンジのタルトかな。ご馳走様の直前にもう一人のお客さん。ご馳走様を言って外に出る。
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新高円寺の商店街に戻る。何やら面白げな店がいろいろ並んでいたが、「アニマル洋子」という、古物全般という感じの店の店頭で立ち読みした(今は亡き)『イマーゴ』の特集『オウム真理教の深層』(青土社、1995)それから買おうと中に入って目に付いた岡崎京子『私は貴兄(あなた)のオモチャなの』(祥伝社、1995)を買う。何だかある本に偏りがあるなあと思いつつ、レジに行ったら天井近くの壁に野坂昭如の選挙ポスター(それも自由連合)が張ってあって驚いた。レジに人に言ったら「前にいた人が置いてった」…って分け分からん。その下に張ってあったイラストも変でおかしかった。岡崎京子、久しぶりに呼んだけどこんな絵だったっけなああと思う。内容は、まあこんな感じだったかな。でも読んでると、もう時代を感じるなあと思う。確かに、我々の世代では女の子と寝るときもこんなふうに小理屈こねてたなあという感じだったけど、今はそんなことないんじゃないだろうか。最近の若い子とそういう関係になったことないからよくわからないけど。
『オウム真理教の深層』は95年の8月号だからまさに地下鉄サリン事件をはじめ一連の事件の余韻が冷めやらず、もちろんまだ風化もしていないしその意味の謎解きも行なわれていないし確かまだサティアンも形はあるころのことで、世の中の多くの人が一体何が起こったのかまだ茫然自失の体だったころの本だ。この本を中沢新一が編集しているのだから何だかいい度胸という感じがするが、ほかに書いたり討議したりしているのが河合隼雄、荒俣宏、亀山郁夫、関曠野、山折哲雄と言った面子。今となってはへえという感じだが、この問題をめぐる当時の知性というのはそういうものだったのかもしれない。オウム真理教に入信したのは我々の世代がいちばん多いのだが、(上祐史浩は私と同年だ)それを少し上の世代である中沢新一などが冷笑する、というのがどうもこの本の構造らしい。中沢と荒俣の対談では「俺たちのような根っからの理系はこんなふうな突飛な飛躍のある宗教なんかには入らないんだよねー」という話をしていて、まあそうかねとも思う。そう、このころは、「俺はオウムに入らなかったし、入るわけないんだ!」ということが自慢になる時代だったわけだ。中沢なんか、彼の著書を経由してオウムに入った連中がたくさんいたから、なおさら火消しに躍起だったんだろう。なんかちょっと見苦しい感じがするけど、仕方ないことなのかもしれない。
高円寺方向に歩き、今度来たときは入ってみたいと思う店をいろいろみながら、「天然酵母のパン」という文句に引かれて『ドラゴーネ』という店に入った。ここで二つパンを買ったが、『ルヴァン』のようなドイツ系の固いパンではなく、何だかやわらかいパンで、「天然酵母」といってもいろいろなパンがあるんだなと思った。さらにぶらぶら北に歩くと、アーケードがはじまった。アーケードも何だか面白い店が並んでいて、その中でヴィレッジヴァンガードを発見。中に入っていろいろみたが、結局「アレッポの石鹸」を買った。
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石鹸は油から作るものだが、これはシリアでオリーブオイルを原料に手作りされているものだという。先ほど手を洗ってみたが何だかいい感じだ。どうも流行っているらしい。
高円寺駅まで歩いたが、商店街も駅に近くなるとノーマルな感じになってきて、北口の純情商店街にも行ってみたが普通だった。北口のムーミンにでて来るニョロニョロを標榜したカフェにも行ってみたが、結局中には入らなかった。南口に戻ったところでトリアノンというケーキ屋の看板に引っかかって「イグレック」というケーキを食べる。何か賞を取ったものらしく確かに美味しかったがちょっと後で胃にもたれた。お店の中は年配者ばかりで、棲み分けが進んでるんだなと思った。
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ドラマトゥルギイ研究 (1956年)内村 直也白水社このアイテムの詳細を見る |
また商店街に戻り、店頭を冷やかしながら歩く。二合炊きの炊飯用の土鍋がいろいろあってほしいなと思ったが、持ち歩くのも大変なのでまたにすることに。といいつつ、古本屋でまた三冊も買った。仕事の本と、『モーツァルト事典』(冬樹社、1982)、内村直也『ドラマトゥルギイ研究』(白水社、1956)。安かったからだが、や少なかったら買わなかったけど、面白そうではある。新高円寺まで歩いて、後は青梅街道を西へ。この辺に住んだら楽しいかなと思いつつ歩いていたが、ところどころに暴走族の落書きがあったり、ゴミステーションがゴミ出しの日が守られずにゴミが散乱していたりして、あんまり住みやすくもないのかもと思いなおす。古道具屋など、面白いものがある店はいろいろあったのだけど。歩いて『書原』に出た。
勝利は10%から積み上げる張栩朝日新聞出版このアイテムの詳細を見る |
『書原』の本店は久しぶり。中をくまなく物色。面白いと思った本はいろいろあったが、買ったのは張栩『勝利は10%から積み上げる』(朝日新聞出版、2010)。あと小谷野敦編集の『日本の翻訳家101』も面白そうだったが、これはまた買う機会もあるだろうと思って今日はやめた。張栩は台湾出身の碁打ちで今とても強い人だが、その勝負論はきっと面白いだろうと思った。中国や韓国の若手の強さは要するにすべて覚えているということにあるらしい。日本の囲碁・将棋は「自分で考える」ということを重視していて、そこにはそのよさがあるが、スポーツとして打っている中韓両国を破るのはそれなりに作戦を立てて訓練する必要がありそうだという感じだった。
阿佐ヶ谷のアーケードを歩いたが、普通だった。でも自然食品の店F&Fというのを見つけたのでそこでぶり大根と桜のどら焼を買った。いやあ、自然食と称している店って杉並にはいくらでもあるんだなと思う。しかしどら焼の原材料を見ると水あめとか書いてあるし、一体どこまで「自然」何だかよく分からん。こういうのってピンからキリまであるんだろうなあ。としみじみ思う。
阿佐ヶ谷駅から東西線直通に乗って帰る。南砂町まで30分強。案外近い、とも言える。車内ではまた桜井章一を読んだ。読めば読むほど面白くなっていく。
***
今朝はゆっくり時間があると期待していたが、全然なかった。家事的に次々にやることが出てきてPCの前に座れたのは9時40分過ぎ。少しオーバーヒート気味らしく、突然熱が上がった。こういうことがあるんだなとびっくり。自分の体にしろ何にしろ、ちゃんと観察してみると普段は気がつかないことがいろいろ出てくる。自分のことって知っているようで本当に知らないんだなと思う。
張栩『勝利は10%から積み上げる』(朝日新聞出版、2010)が面白い。80年台湾生まれの現在日本棋院第一人者。私はこういう勝負の世界に生きる人たちが書いたものは読むのが好きなのだけど、羽生善治が書くものより分かりやすく、私にとって役に立つ感じがした。将棋と碁では勝負の仕方が違う。自分がしている勝負が、将棋よりは碁の方に近いのだなと思う。将棋は相手の王将を取ることがゲームの目的だが、碁は相手より広い陣地を獲得することが目的で、こちらの方が多分分かりやすい。子供のころ父から習ったのも碁であって、将棋は駒の動かし方とか基本的なことはともかく、誰かから教わったということはない。将棋は最終的に一点集中になるが、囲碁は最後まで大局を見つつ細かいところで陣地線を繰り広げる。やはり将棋の方が戦闘的で、碁の方が戦略的という性質はあるのだろうと思う。最近は将棋の方にスターが多いのでしばらく将棋の方に関心があったが、この本を読むと碁にも再び関心が湧く。
運とツキに好かれる人になる 図解 雀鬼「運に選ばれる」法則76桜井 章一宝島社このアイテムの詳細を見る |
桜井章一『運とツキに好かれる人になる』(宝島社、2010)105/173ページまで読んだが、この本は今までの桜井の本の中でいちばん実戦的というか、生きている上で、あるいは仕事をしている上で、ないし「勝負」の場面で生じるさまざまな問題を、上手く切り分けてそれぞれの対応の考え方を示していて、自分なりにどう考えたらいいかがすごくやりやすくなっている。図も、深層心理に訴えるという点で実はかなり効果的だと思った。この本は上手く使いこなしたいと思う。
今日は文章に統一性がないが、切り張り的に。なんていうか、やってることが切り張り的なんだろうな。
***
『東京カフェじかん』、もう2011年度版が出てる。2010年度版は12軒行ったけど、11年度版とどのくらい重なっているのか。時間があるときにみよう。
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