『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか』/『思考の整理学』
Posted at 10/01/19 PermaLink» Tweet
NHK-FMで流れている曲がいい、多分ドビュッシーだろうと思ったら、やはりそうだった。ドビュッシーのピアノはいいな。
昨日。前の晩は2時間くらいしか寝られず。昼食後出かける。まず郵便局と銀行を回って用事を済ませる。友人からメールが入り、お茶でもしないかとのことなので約束。電車で日比谷に出、帝国ホテル地下のハッシュパピーズへ。注文してあった25センチサイズの靴を買い、同じタイプの靴を修理に出す。9千円くらいかかるらしい。元の靴が1万9千円くらいだから、さてどんなものかと思うが、靴の修理というものはやったことがないので出してみることにした。新品同様というわけには行かないだろうけど、新品よりは安くて済むわけだし、環境負荷も少ないだろう。
日比谷を歩いていたら別の友人から電話が入り、しばらく話す。久しぶりに公衆電話を使った。たぶん、携帯より安いだろうと思う、400円くらいは使ったが。有楽町のビックカメラを見てブラザーのファックスや複合機を見る。安いといえば安いし、高いといえば高い。もう全体に、経費節減ということもあるし、今の機械を騙し騙し使うことにしよう。
世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)菅原琢光文社このアイテムの詳細を見る |
交通会館の三省堂で待ち合わせ。菅原琢『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか』(光文社新書、2009)を買う。この本はタイムラインを読んでいて見つけたのだが、郵政選挙の大勝から一転、その後の選挙で惨敗を続けついに下野した自民党の戦略はどこが間違っていたのか、ということを実証主義的に明らかにするというもの。政治、特に政局に関する言説は、自分の思い込みや自分たちの主張を展開するのに有利なように世論を誘導しようとするような言説が多く、本当には妥当性を欠くものが少なくないという。まだ44ページまでしか読んでないが、言うだけのことはあると思う。久々に実証的研究の迫力というものを味わっている感がある。
丸の内の三菱一番館まで歩く。アイスクリームとハーブティーを注文。ハーブティーはお湯の入ったポットとティーバッグが何種類か出てきて、好きなものを飲めるという趣向。ハイビスカスとカモミールを飲んだ。ペパーミントも飲めばよかったと思うが、なんとなく二番煎じをしてしまったのは貧乏性の故か。寝不足のせいもあり、喫茶店の梯子は出来ず、新丸ビル地下の「えん」で弁当を買って帰宅した。
帰宅後は夕食を済ませて熱い風呂に入り、早々に就寝。8時ごろだったか。気温がどんどん高まったのか、3時ごろ汗をびっしょりかいて目を覚ます。でも汗をかくのはいいことなので、からだを拭いてもう一度休む。6時ごろまでそれを繰り返し、6時に着替えてもう一度寝て、8時前に最終的に起床した。11時間は寝たことになるか。これだけ寝られたのは久しぶりだ。
自分を活性化させるほうの選択をする、という考え方は割合自分では扱いやすいし、上手く行くようだ。楽な方へ楽な方へと選択すると、結局どんどん楽ではなくなってしまう、というジレンマがある。多少精神状態や身体状態が大変なときでも、というかおそらくはそういうときにこそ、楽な方へという選択ではなく、自分を活性化する方への選択をしたほうがいい。もちろんその中には「休む」という選択肢もあるのだから。
思考の整理学 (ちくま文庫)外山 滋比古筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫、1986)現在84ページ。この本が東大・京大で売れているというのは判る気がする。わかる気はするが、少し寂しい気もする。というのは、内容的には「知的世界の入門書」という感じで、それまで論文を書く方法論や学問に取り組む方法論が全然なかった人にとっては役に立つだろうという本だからだ。
東大や京大の学生からして、大学に入ってからこの種の本を必要とするというのは、まあ当たり前といえば当たり前だけどそれまでが本当に受験一色で来ているんだろうなあと思う。古い名門校などだと高校のころからもっと学問的な雰囲気を持っているところもあって、そういう空気を吸ったことのある人ならば、そんなには飛びつかないだろうという気もする。
大変オーソドックスな「知的世界の入門書」であり、こういうものが売れるというのはある意味健全なことだと思う。方法論的には少し古いかなという気はするが、それは27年も前のものだからある程度は仕方ないと思う。
ただ、この一冊で知的世界を渡っていく方法がすべて身につくかといえばさすがにそんな甘いものではないわけで、私のようなものですらこの手の本は何十冊も読んでいる。そういう意味で言えば目新しいところはほとんどないので、後は暇なときに目を通すというくらいにしようと思うけれども。まあ学者と言われる人たちはこういう「知的なハウツー物」を読んだということを隠さなければいけない恥のように考えている人たちが多くて、自分の方法論はすべて自分で獲得したような顔をしているけれども、多分そんなことはない。最近の情報関係の学者や起業家たちは割りとオープンにこういうハウツーものを評価していて、そのへんの所は気楽でいいなと思う。
思想的、方法的な面からいうと、ポストモダンを経た現在からすればやはりちょっと考え方が古いという気はする部分があることは否めない。ただ、こうしたオーソドックスさを内側に育てる人たちが育ってくれることは悪いことではない気はする。「エッジが立つ」というような面から言えば、ちょっと物足りない感じがしないことはないことはないけれども、啓蒙書という性格から言えばこんなものでもいいのかなとも思う。
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