テレビ漬けの一日/大きいもの、強いものへのコンプレックス
Posted at 09/10/18 PermaLink» Tweet
昨日帰郷。職場を出るとき雨もよいであったが、たまたま上がっている時間だったので傘を差さずに駅まで行けた。駅で夕食を買い、7時前の特急で上京。なんだかずっとツイッターと携帯百景を見ていたら、ほとんどの時間がつぶれた。東京についても雨が降っておらず、まっすぐ帰宅。1時ごろ就寝。
夜中に一度目が覚めたが、『整体入門』や導引術の本を読んで、いろいろ処置してもう一度寝た。
朝起きてから、どうもなんだかテレビばかり見てしまった。NHKのニュースを6時台から7時台。ヤミ金融の特集をしていて、中小企業の中に闇金に手を出す人が増えているという話。国民金融公庫とか、そういう公的なところはみんな一応当たっているのだろうか。いままでサラ金でつなぎ資金を調達していたというのもそういうこともあるんだなあと思う。そのまま「さわやか自然百景」を見る。今日は能取湖。アッケシソウという不思議な植物の話。アスパラみたいだった。8時から日テレ「ザサンデーネクスト」で加藤和彦のこと、野村監督の解雇騒動、箱根駅伝の予選会といろいろ見る。TBS「サンデーモーニング」で大沢・張本の「喝!」を少し見て、テレ朝「題名のない音楽会」の10代の天才演奏家たちの特集。それから教育で「日曜美術館」、速水御舟をみる。10時からテレ朝「サンデープロジェクト」で仙石大臣を中心に議論。自民党の河野太郎も、共産党の小池もなんとなく仙石の応援団的で議論というより激励会みたいになっていた。特集は厚生労働省の医系技官の問題。現場を知らない医系技官が権力を握って新型インフルエンザにピント外れの対策を打ってるという話。木村盛世という人が反乱を起こしているみたいで面白いと思った。昼食の買い物に出て、簡単に済ませる。
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12時からサンデースクランブルでまた加藤和彦、ここで始めて「タイムマシンにお願い」がサディスティック・ミカ・バンドの今日であったことに気がついた。一度加藤和彦が作曲した曲のうち知っているものを全部歌ってみたいという気がした。相当な曲数になるだろう。「ガイアの夜明け」で遠隔地医療の話、旭川医大の取り組みが興味深かった。癌の手術中に病理の映像を送信して、それをリアルタイムで外部の病理医に判断してもらい、手術を続けるという手法はすごいと思った。それから「何でも鑑定団」。そろそろそれくらいにしようと思ったのに、NHKでゴルフの日本オープンをやっていて、これがすごく緊迫した試合でつい最後まで見てしまった。マナー違反の問題は大きい。
このへんでようやくテレビから離れる。ネットを見たり整体の本を読んだり、夕食の買い物に出たり。8時から「天地人」を見る。なんだか湿っぽい話になってきたが、関が原後の上杉家というのはこういう状態だったんだろうなと思う。
***
体調がよくないときはいろいろなことを考えるのだが、だいたい子どものころからもともと調子の悪いときが多かった。すぐ寝込んだり、寝込まないまでも不調を抱えて日を過ごしているときが多かった。大人になるとあんまりそういうことはなくなったのだけど、いま調子を少し崩しているせいか、子供のころそうだったことを思い出した。調子のいいときは子どものころのそういう意味で辛かったこととかは忘れている。いや、人間なんてものは辛い思い出は基本的に無意識のうちに忘れていくものだ。でもそれがなんとなく心の中に澱のように漂ってわけのわからない不安に結びついたりする。
私は小柄だし華奢で脾弱だったし今でもそうなので、大きいものや強いものに憧れたりコンプレックスを持ったりしていたんだなと子供のころのことを思い出してそう思った。やっぱりでかい背中の男を見ると単純に羨ましいと思う。また、強いものへの憧れを持っていて、大山倍達の空手入門とか、『小学5年生』の付録の『たくましく強くなるための10か条』とか言うのをけっこう真剣に読んで、実行してみたりしていたことを思い出した。いや、電車の中では座らないで立とう、とかそういうことだったんだけど。今でも内容を覚えているくらいだから、けっこう真剣だったんだろう。今でも野口整体や導引術その他、健康法などに関心が深いのはそのころからのことだなと思った。
そういうコンプレックスは、高校受験のころにクラスメートの人物判断基準が体力から学力に劇的に転換した後では前ほどではなくなったが、やはりそういうのって維持された。また、ごつさよりも見た目のカッコよさが価値基準になってくると、自分でもできることをやってそういう欲望も多少は満たされた。でも、私はずっと「たくさん食べる」ということをひとつの誇りみたいにしてきたのだけど、それは実はコンプレックスの現われだったんだなと昨日今日考えていて思った。健啖とか絶倫とか、男というものはそういうことをつい競い合ってしまい、そういうことにこだわってしまうものなのだ。
しかしこの年になってくると、そういう身の丈に合わない格好のつけ方はからだの負担として現れてくる。自分の身の丈に合ったお洒落というか、自己確認の仕方をもう少し身につけないといけないなあと思う。昔は特に格好つけていなくても自分という人間の見せ方というものはだいたい見当がついたのだが、ここ数年そういうことも迷っていて、鏡の前に立っても自分をどう見せたらいいか見当がつかないということが多くなっていた。というのは、自分が自分のことをちゃんとわかってないということだったんだろうなと思う。「男は40を過ぎたら自分の顔に責任を持て」とリンカーンが言っていたが、それは自分というものをみなにどういう風に見せていくかということを中年になったら確立しなければいけないということなんだと思う。
加藤和彦みたいにいくつになってもカッコいい人に憧れがあったのだけど、その人が死んでしまうと何で?と思う。人の幸せって本当に不思議な感じがする。
自分の顔を、また自分という人間をどんなふうに見せればいいのか、もう少し考えたい。そうなると、このブログなども抜本的に変えることになるかもしれない。
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