『耳で考える』/ゲイのカップルの大変さその他/直感が働くための土壌

Posted at 09/09/24

昨日。10時の特急で帰郷。指定が満席で自由席に乗る。指定に比べてだらけた感じの人が多いのが自由席の特徴だが、あれはなぜなんだろう。乗る前に東京駅の丸善で本を物色し、養老猛・久石譲『耳で考える』(角川Oneテーマ21、2009)を買った。養老の対談ものは買ったり買わなかったりなのだが、これは立ち読みした感じではわりと面白かった。現在94/207ページ。耳はもともと身体のバランスをとる運動器官だったとか、聴覚は大脳辺縁系に直接届くので情動と関係しやすいとか、まあとりあえずは薀蓄系の話だが。昔はあまり脳の構造などを知りたいと思わなかったのだけど、最近はわりあい素朴に面白いなと思うことがあるのでちょっとだけ調べたりしている。だいたいは、そういうものかと頭の中を整理するのに役に立つ程度知ればいい、という感じではあるのだが。

耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)
養老 孟司,久石 譲
角川書店(角川グループパブリッシング)

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帰郷後、車で山麓へ。しばらく話をしてショパンを聞いてもらったりする。帰ってきて仕事、夜9時半まで。まあ予想通りだが、暇だった。姪が文化祭の振替休日で休みだということで金曜日までの予定でこちらに来た。

「理性について」の文章化を進める。「生きるということ」という仮題をつけた。書き始めるといろいろなことが出てきて、自分の人生を振り返るような感じになってきたが、完成稿までこの部分を残すかどうかはわからない。書き始めてみると、こういう文章を書きたかったんだなという感じもある。書きたいことは決まっているはずなのにそれについて書き始めるとどんどん違うところに話が飛んで、一体どんなふうに書けばいいのかと思う。書いていることはずっと考えてきたことなので言葉にすること自体は簡単なのだけど、それをどういうふうなトーンで書くかがポイントなんだなと思う。読みやすくて面白くてそれでいて心に残って。声に出しても心を打ち、黙読しても味わえる。そんなふうな文章として書けたらいいと思う。

今朝は6時前に起きて、活元運動をしてモーニングページを書く。職場に出て燃えないゴミを処理し、モーニングを買って帰る。今週の『ピアノの森』は感動的だ。ポロネーズ5番の隠された重要な意味。パンウェイにとっての阿字野の意味。カイとの関係はいかに。パンウェイはかなり巨大なキャラクターになってきた。コンクール終了後の展開がまた楽しみだ。次回は出演順だとレフ・シマノフスキだろうか。パンウェイの話がもう少し展開するかな。レフはそれともまた最終日になるのか。いろいろ考えさせられるが、二週間後のお楽しみだ。もう単行本1冊分くらい連載がたまっているから、早く17巻を出してほしいとも思う。

ジャイキリもなんだか先が楽しみ。こちらは来月単行本が出る。ヒウィッヒヒー。へうげものもなんだか楽しげだ。「今夜なに食べる?」もなんだかほろっとした展開。ゲイのカップルの大変さみたいな話は、自分とは関係ないとはいえいろいろ考えさせられるなあ。マイノリティの大変さを訴えるには、マンガはとても有効な手段だよなあと思う。「誰寝」は休載。最近「東京怪童」が出てない。「西遊妖猿伝」が連載を再開する。もともとこれが読みたくてモーニングを読み始めたのに、全然違うマンガに熱中しているのもなんだか面白いなあと思う。「ひまわりっ」もようやく落ち着いた展開に…なるかな?「僕小」の、東村アキコネタが可笑しかった。

私は結構面倒くさい人間で、自分がいいと思ったことしかやらないしやれない。いいと思う理由というのも、言葉で説明できないことが多い。直感的に、「これは正しい」とか、「これならできる」と思ったことに取り組んできたんだなと思う。つまり、正しいかどうか、あるいはできるかどうかが直感的にわからないことにはまともには取り組めないということなんだ、と気がついた。こういうのがいいなあといわば憧れることに対してはそれなりに努力はするのだけど、しかしオーソドックスな、自分でも出来る範囲の、あるいは本で読めばわかる範囲の努力はするけれども、それを超えた努力をすることは基本的にはあまりない。

だから何かするためにはこれは正しいとか、これならやれるという直感が働く状況を作らなければいけない。これは結構大変で、たいていのことは正しいのか正しくないのか、やれるのかやれないのかわからない状態から取り掛からなければならないことが多いから、なかなかモチベーションが上がらないのだ。それでもやらざるを得ないことはするけれども、自分でよくわからないまま努力を続けているとどうも「おかしく」なるようで、基本的にはここ数年の不調というのはどうもそういうことに由来しているのではないかと思った。

ちょっと自分という人間がわかったな、と思ったのだが、そういう直感的な感覚がなるべく働くような状況を作るようにしていくことが大事なんだなと思った。そのためにはやはり方法がいると思う。KJ法は使えるんじゃないかという気がする。直感が働くためには多分、直感が働くための土壌を整備する必要があるのだ。

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