『ひまわりっ』/村上春樹大売出し/名曲喫茶アゲイン

Posted at 09/05/24 Comment(4)»

昨日。昼過ぎから6時半まで仕事をして、7時前の特急で上京。昼食に食べた自分で揚げたトンカツが油切れが悪く、どうにも腹にもたれて困った。『ひまわりっ』を結局、数日かけて一気読みしたことになる。8巻~10巻、今までの一話完結的な宮崎編から、上京編は一気に大河ドラマに変わった。今まで作ってきたさまざまなキャラクターが大河の流れに組み込まれていく様は才能だなあと思う。

ひまわりっ~健一レジェンド 10 (モーニングKC)
東村 アキコ
講談社

このアイテムの詳細を見る

健一がバラ100本(伸びすぎたつるバラを刈り込んでだが)をアキコに贈る場面はこれはどう考えてもかっこいい。横で見ていた節子が悩殺されているが、全くそうだろうなと思う。

副部長と副主任がくっついて来るという展開は今の連載を読んでいればわかるが、副部長の存在が急に大きくなっていて面白い。実はこの副部長(歯ブラシ)というキャラクターが結構気に入っているので、書き込まれていると楽しい。

アキコが東京に引っ越したと言う事実を全然把握していなかった健一は、引越しから帰ってきたえびちゃんとあってようやくその自体を悟り、無謀にも(笑)一人で東京に出てくる。94回から109回まで、8巻の終わりから10巻のはじめの3回までこの健一の上京とアキコの「失恋」をめぐる話が展開するが、この中で三国志同人マンガ家・ウィング関先生が登場し、話と副部長が一気にそっちに持っていかれる。アンニュイ女と突然現れた節子(103回のラストで中野駅の構内通路に屹立している節子=「ラスト・ウーマン・スタンディング」の場面は全く痺れた)とアキコとの三国志張りの三つ巴の争い。関先生のインパクトは相当強かったらしく、既にこのあたりで話の展開がずいぶんそっちに引っ張られているのだが、正直言って私はこのキャラはそんなにどうでもいい感じ。節子の方が好きだな。

107回で執念で健一に再会を果たし、109回でついに節子が健一と同泊することの妨害に成功したアキコだが、節子の歌う(音痴)『木綿のハンカチーフ』を10回以上聞いた健一は「俺、なんとなくわかった。あの歌の歌詞見てたらわかった気がする。俺アキコちゃんの足手まといになりたくない」と言って節子と宮崎に帰ってしまう。この場面は泣ける。こういうところは本当に上手いなあ。

110回以降は失恋の痛手でアキコはほとんど半死状態に陥り、話は関先生と副部長のコンビ「古川うなぎ」の三国志学園ものの売り込み大作戦になる。しかし、関先生が「これじゃだめなのよォォキョエーッ」と叫ぶ場面はすごい。エキセントリックなキャラだからこれが突き詰められると異様な力を発揮する。

私がモーニングを再び読み始めたのは諸星大二郎『西遊妖猿伝』が掲載されると言うことを知ったからだが、これも各週掲載だったため、最初のころは二週にいっぺんしか買っておらず、『ひまわりっ』も三週掲載一週休みのペースなので上手く重ならなかったりして話の展開が最初は全然わからなかった。しかし110回からは全部読んでいるので、『ひまわりっ』というのは関先生と歯ブラシの話だと思ってたんだよな。(笑)最近、アキコが健一に託したドラゴンフルーツの花が咲いたと言う話からまた二人の恋バナに話が戻ってきて、またそこに節子が現れて、でもこの人どういう人なんだか見当がつかなくて、コミックス全巻読んでようやく話が見えた。ほんとに奔放に飛び回ってるストーリーだ。

***

今日は朝起きて8時前に起きて、いろいろやってみようとしたがどうも疲れていたのと気になることがあっていろいろと手につかなかった。朝食は抜き、昼食もコンビニのパンで済ませて、4時過ぎに出かけた。京橋に出てブリヂストン美術館のカフェで洋梨のタルトとニルギリ。

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号
柴田 元幸
ヴィレッジブックス

このアイテムの詳細を見る

東京駅から御茶ノ水に出て、神保町に歩き、三省堂で『モンキービジネス』vol.5(ヴィレッジブックス、2009)を買う。これは古川日出男による村上春樹のインタビューが掲載されているからだ。村上春樹は、もうすぐ新作『1Q84』が発売になる。これは最初から上下巻という大作だ。その前人気を煽るためか、三省堂には村上コーナーが出来、また雑誌などにも村上がインタビューによく出ている。今日そのコーナーを見たら村上がチャンドラーを訳した『さようなら、愛しい人』が出ていた。こまるなあ!『1Q84』だけでも出費だなあと思っていたのに、チャンドラーまで訳すなんて!なんかこういう集中的な出し方をされると困ってしまう。村上ファンでもないので全部買うのはなんか癪に障る。今日はチャンドラーは見送った。

Landreaall (14) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
おがき ちか
一迅社

このアイテムの詳細を見る

ブックマートでおがきちか『ランドリオール』14巻を買う。発売日は明日なのだが、あるかなと思っていったらあった。読了。Tailpieceで話の流れが補強されていた。今までにないくらいゆったりしたペースで話が流れている。一巻かけてこういう何も起こらない日々が続くのも面白い。最後の回で玉階クウェンティンが登場し、話が動き始めている。28日には次号のゼロサムが出るが、楽しみだ。

東京クラシック地図 (散歩の達人ブックス―大人の自由時間)

交通新聞社

このアイテムの詳細を見る

東京堂をぶらぶらして、『東京クラシック地図』(交通新聞社、2009)を買う。東京の名曲喫茶案内、のようなもの。名曲喫茶が見直されているらしい。渋谷の「ライオン」は私はときどき行くので雰囲気は知っている。中野の「クラシック」はもう閉じてしまったが、すごい(いろいろな意味で)ところだった。しかし、その一部が阿佐ヶ谷の「ヴィオロン」に移築されたと言うのを読んで驚いた。また、調度などは高円寺の「ルネッサンス」にも転用されているのだという。この二つは行ったことがないのでいつか行ってみたい。あと行ったことあるのは本郷の「麦」。ちょっと懐かしい思い出がある。淡路町の「ショパン」も移転前はよく行ったが、昭和62年の移転後は二三回だろうか。駒場の「アンサンブル」というのは行ったことがないのでいつか行ってみたい。

ホールで取り上げられているのでは、サントリーホール、東京芸術劇場、東京文化会館。東京カテドラル聖母マリア大聖堂は友人の合唱の公演で行ったことがあるが、旧岩崎邸庭園や東京都庭園美術館、築地本願寺、東大駒場の900番教室、なども「ホール」として取り上げられていて驚いた。築地本願寺は蜷川由紀夫演出・平幹次朗主演の「オイディプス王」は見たことがあるが。900番教室は、自治会の代議員大会に出たことがあるくらいかな。こうしてみると結構いろいろなところに行ったことは行っているなあと思う。

夕食はどうしようかと思ったが、帰りに西友によって豆腐と肉じゃがを買って帰り、家で土鍋でご飯を炊いて味噌汁を作ってそれで済ませた。

"『ひまわりっ』/村上春樹大売出し/名曲喫茶アゲイン"へのコメント

CommentData » Posted by SHAKTI at 09/05/25

村上春樹とイシグロを勧めたのは私だったような気がする。

実はBK1で予約しておいた。1万円購入すると1割引だからね。近いうちに届くんだろう。

ただ、しゃくなことは、読んだ大長編小説が、村上(ねじ巻き鳥)とハリポタくらいのものだということだ。(他にはドンキホーテとベンオクリ飢餓の道三部作があるが)。

CommentData » Posted by kous37 at 09/05/25

shaktiさん
>村上春樹とイシグロを勧めたのは私だったような気がする。

そうですね。おかげさまでそのへんをきっかけにだいぶ世界が広がりました。あのあと文学というものを相当読むようになりましたし。

大長編小説と言えば、ドストエフスキーとかは読まれてないのでしょうか?光文社の古典新訳文庫の『カラマーゾフの兄弟』は、5巻一気に読みました。

村上の新作はかなりの長編ぽいですね。『モンキービジネス』の村上インタビューも、まだ読みかけですが結構面白い感じですよ。

CommentData » Posted by shakti at 09/05/25

>大長編小説と言えば、ドストエフスキーとかは読まれてないのでしょうか?光文社の古典新訳文庫の『カラマーゾフの兄弟』は、5巻一気に読みました。

あ、kousさんも読まれましたか。周りにはアレを読んだ人が多いですね。実は、100頁ほどよんだんですが止まっています。

CommentData » Posted by kous37 at 09/05/25

>実は、100頁ほどよんだんですが止まっています。

実は私も、2巻か3巻の途中まで読んで中断し、半年以上たってから再開してようやく読みきりました。読みやすくなってはいますが、やはり体力のいる小説だと思います。

"『ひまわりっ』/村上春樹大売出し/名曲喫茶アゲイン"へコメントを投稿

上の情報を保存する場合はチェック

月別アーカイブ

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

Title background photography
by Luke Peterson

スポンサードリンク













ブログパーツ
total
since 13/04/2009
today
yesterday