アン・モロウ・リンドバーグ/ポアンカレ予想とその証明

Posted at 09/03/10

昨日。昼間はずっといろいろしていたが、夕方になって気分転換に出かける。どこに行こうか迷ったが、結局銀座に行った。教文館の二階で本を少し見たあと四階に上り、エインカレムで装丁デザイン展そのほかを見たあと、カフェでコーヒーとナッツのフルーツケーキ。最近、ブレンドでなくアメリカンを注文することが多くなっていたのだけど、昨日はブレンドを注文。やっぱりブレンドの方が美味しい。身体的条件がなければ、やはりブレンドのほうが好きだ。

いろいろ考え事をしながら和む。今新しい文章の構想を練っているのだけど、なかなか形になってこない。目標は決まっているのだけど、そのためにはどういう形式をとればいいか。考えられることをいろいろ考えてみているのだけど、少なくとも今すぐにできる範囲のことに限定していてはいいものにはならないなという感じがしていて、模索している感じがある。

教文館を出て、歌舞伎座の向かいの岩手銀河プラザでお弁当でも買おうと思い、晴海通りを歩くことにした。和光のビルの工事が終わり、リニューアルされていてとても立派な印象。四丁目の交差点を左に曲がると小さな花屋があり、夕方だからかずいぶん安くなっていた。日曜日にまた買いに来ようかと思う。銀座も中央通りから離れていくとだんだん面白い店が増えてくる。昭和通の交差点の向こうに改造社が見えたので一階の書店に行ってみた。ここに入るのは初めてだが、入ってみるとなんだか不思議な品揃えで、私が買いそうな、それでいて見たことのない様な本が並んでいる。アン・モロウ・リンドバーグ著、吉田健一訳の『海からの贈物』(新潮文庫、1967)を買う。アン・モロウはあのリンドバーグの夫人。自身も飛行家だという。人生の生き方についてのエッセイで、言葉の使い方が美しい。人生の深いところを言葉で表現できる人だと感じ、買ってみた。吉田健一訳というのもいい感じだ。そういえば麻生首相の叔父ということになる。吉田健一の本は面白いと思ったことはあまりないが、訳書ということになると悠揚迫らざる品のよさが感じられる。村上春樹と同じく、翻訳という仕事において力を発揮するタイプではないかと思う。

海からの贈物 (新潮文庫)
アン・モロウ・リンドバーグ
新潮社

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岩手銀河プラザによったが、弁当はもう売り切れていた。築地の交差点まで歩いたが、もうだいぶ暗くなってきたので引き返す。松竹の新しいビルの前を歩いていたら、『松竹大谷図書館』の文字。演劇・映画専門の図書館だということで行ってみたが、もう閉まっていた。土日が休みで来週から三月いっぱい整理休館ということでしばらく行ってみることはできない。行くなら来月になってからだ。

結局ナチュラルローソンで弁当とメープルシロップのフレンチトーストを買って帰った。

家に帰ってWBCを見ながら夕食。織部の徳利に先週の日本酒の残り、それに白菜の浅漬けと弁当をつまみながらテレビをみる。なんだか見ているうちに凹んできた。参ったな。見終わってからもなんだかテンションが低い。

なんとなくNHKスペシャルでポアンカレ予想とその証明の過程を見る。なんだか凄い話だ。照明まであと一歩というところに肉薄した多くの数学者が結局証明を投げ出し、最後に証明に成功したペレルマンは栄誉と世間に背を向けて連絡を絶つ。この問題の解決は魔か人か、というようなところまで行ってしまうのだと感じた。

この問題を証明するのはトポロジーだと思われていたのが、結局は微分幾何学や物理学によって証明されるというのも面白いとは思ったが、さすがに何がなんだか分からない。しかしなんだか凄いものを見たという感じだけは残り、ネット上にアップされていたペレルマンの三つの論文の内の一つをダウンロードしてプリントアウトしてみた。何がなんだか分からないことに違いはないが、英語と数式の流れを見ているとそこに美しいものがある感じがする。観賞用に、というかインスピレーションの湧くものとしてこの論文を持っておくのも悪くないと思った。パワーストーンみたいではあるが。

百合が咲いてきた。このままではこの週末に帰宅したときにはもう花が終わっている可能性が高いな。残念。でも、二つだけでも開くのが見られてよかった。

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by Luke Peterson

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