アーツアンドクラフツ展/音楽資料室を偶然見つける

Posted at 09/03/09

昨日続き。そういえば、朝西友に出かけて百合を買ってきた。その前に古い花を生けなおした。


友人との電話を切ったあと出かける。上野の東京都美術館で民芸の作家たちの作品が展示されている「三国荘」の復元が展示されているということでネットで調べてみたら、「アーツアンドクラフツ展」の一環だということがわかった。ウィリアム・モリスとかを今見たいわけでもないけど、マッキントッシュがひょっとしたら見られるかもというふうにも思って、でかける。まだ昼食をとっていなかったので地元で行こうと思ったが大体閉まっていた。気がついたらもう2時半だったのだ。

そのまま上野に出て駅中の止まり木のようなところで野菜カレーを食べたがまずまずの美味しさ。今調べてみたらブラッスリーレカンのカフェスペースだということがわかった。なんか周りをちゃんと見てないな。でも上野駅の駅中って今、凄く充実していて面白い。先日はハードロックカフェで友人とまったりしたが、昨日もかかっていた音楽がABBAで、「哀しみのフェルナンド」「ダンシング・クイーン」「ブーレ・ブー」だったから思わず口ずさみそうになった。小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』の続きを読みながら。

しのばず口に出て元映画館の横の上に登る通路を上って西郷銅像の後に出、正岡子規記念球場の隣を通って(そんな名前いつついたんだろう)西洋美術館の角に出る。西洋美術館を世界遺産に指定しろという運動を台東区がやっていることを知る。ル・コルビジェの設計だからといってなんか無理がある気がするがどうなんだ。しかし今ネットで調べてフランス政府が中心になってル・コルビジェの建築を世界的に指定する運動をやっていて、日本でもその動きに乗って重要文化財に指定されたことを知る。ふーーーーん。戦後の建築物が、もうそういう指定を受けるんだ。びっくり。

噴水広場では消防車がいくつか来ていてはしご車の実演なんかをしていた。子供のころ、はしご車って憧れだったよなあ、ということを思い出した。

都美館に行くと思ったより人が多い。日曜の午後だからねえ。入場に並んだりしたわけではないけど、なんだか混雑している感じがする。モリスやラスキンの展示をみる。こういうのは基本的に嫌いではないけど、生活の中に何気なくあるべきものたちだからものすごく鑑賞するという気にはあまりならない。でも昨日いた観衆はおおむね熱心な人が多く、またほとんどの人が連れとごしょごしょ話していて館内がなんだかうわんうわんしていた。よく見てみると、普段行くハイアートの展覧会に来る人たちとは服装が違う。なんだかカジュアルな職人ぽい風情の人が多いのだ。都会的というよりは田舎っぽい感じでもある。だからといって本物の田舎者みたいなジャージやスエットで来ている人はもとよりいない。ああなんかこれが職人のオーラだなと思う。一つのものを見ていて何かの拍子でぶつかってもみんな無言。(笑)普通の展覧会では絶対「失礼」とか「ごめんなさい」とか言われるが、基本的に客が傍若無人なのだ。なるほど階層の違いだよなあと思う。和服を着て来ている女性もいたが、立ち居振る舞いが和服的でない。あれじゃあコスプレだよ。人が見ている目の前で手を上げて指差したりしないで欲しい。袖で見えないじゃありませんか。(笑)

まあしかしマッキントッシュは数点あって、現物をみるのはかなり久しぶりのことなので、それはよかった。しかし職人オーラ?に当てられてあんまりゆっくり見られなかったなあ。三国荘の展示も、ふうんこんな感じかという感じ。どうも気持ちがゆっくりしてなくて、残念だった。でも展覧会としてはいいものだったとは思う。

30分ほどで切り上げて上野公園内をぶらぶら。何気なく東京文化会館に入る。レストランの表示の隣に「4F 音楽資料室」と書いてあって、なんだろうと思い、行ってみることにした。エレベーターで上まで行き、外からみると図書室のような風情。100円の戻ってくるロッカーに荷物を入れようとしたら100円玉がなく、受付でカードを作ってから荷物を預けろといわれて照れ笑いをしながら「100円玉がないんですけど」といったら利用票に100円玉と赤字で書いて100円貸してくれた。(笑)ご親切に。

入室してぶらぶら図書のほうをみる。能楽関係、民謡関係などもいろいろあり、音楽関係のことを調べるにはかなり役に立ちそう。バレエのコーナーには私の持っている本も大体揃っていて、興味の引かれた本もたくさんあった。せっかくだから音響・映像資料も見てみようとまず新着のコーナーを見たら「パリ・オペラ座バレエ学校の妖精たち -エトワールを夢みて-」というDVDにひかれてそれを借りて見てみた。

パリ・オペラ座バレエ学校の妖精たち~エトワールを夢見て~ [DVD]

クリエイティヴ・コア

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まず映像がきれいだなあ。私はいつもDVDはパソコンの画面で見ているので、悪オスの画面がこんなにきれいなんだと感動した。本質からずれてるが。中身も面白い。オペラ座のバレエ学校に入学した、10歳未満の子どもたちが、半数は寄宿舎で生活し、午前も午後もバレエ漬けになっている。子どもたちを楽しませる場面もあれば厳しくする場面もあり、でも基本的に人間性の法則に沿って彼らを育てている感じがして好感が持てた。バレエダンサーの教育というだけでなく、フランスの教育というのはこんな感じなんだろうなというのをみる点でも役に立つように思った。みんな幼いけどバレエ界のエリートなんだよなこの子達は。

しかしたまたまふらっとはいったところでこんなに無料で楽しめるとは思わなかった。犬も歩けば棒に当たる。

駅中に戻り、青山フラワーマーケットでミモザの花束を買う。銀座線で日本橋に出て丸善で幸田露伴『努力論』(岩波文庫、1940)を買う。この本、露伴の生前に岩波文庫に入っているのだ。

努力論 (岩波文庫)
幸田 露伴
岩波書店

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プレッセで夕食の買い物をして帰宅。うーん、充実した。

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by Luke Peterson

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