非処女系少女マンガの時代から処女系少女マンガの復権へ/レンギョウとコデマリ
Posted at 09/03/06 PermaLink» Tweet
人生、報われる生き方―幸田露伴『努力論』を読む幸田 露伴三笠書房このアイテムの詳細を見る |
幸田露伴『努力論』。203/221ページ。この本はいろいろいいと思ったところがあるのだが、一つ。p.110の順入逆仙」という言葉。「普通の人間は自然に従い、超越した人間は自然に逆らうという意味である。」という。「逆なれば仙なり」という言葉の真意は、人間はただ造物主の意のままに操られるだけでなく、その意に逆らうことも許されているということだ。」「人間はただ単に生まれて、そして死んでいくことを肯定してはいない。」「大なる造物主がその大なる意思の中へ人間が参加することを許しているからである。」
この当たりのことについて少し考え込む。私はどちらかというと「自然な生き方」を肯定し、反自然的あるいは不自然な生き方をどちらかというと否定的に見てきたところが強い。
しかしよくよく考えてみると、「反自然的な生き方」というとえっと思うが、言葉を代えていえばこれは「志をもつ」ということだ。自然の流れに任せて自然に生きて行くのも楽しいが、こういうことをしたい、やりたいということをもってその実現を目指して努力するというのは、「自然に生きる」ということからは一歩踏み出している。それを反自然ということもできるだろう。
私は努力すること、志を持って努力することも、人間の本能の一つだと思って来ているのでそこで自然と反自然を分けることでえっと思ったのだが、確かにそこで分けた方がわかりやすくなることも多い。たとえば心にいろいろなものを抱えて自然に生きることもできなくて不自然な生き方に埋没していくというのでは面白くないし、まず自然に復帰することを目指した方がいいと思うのだけど、自然に生きていく中で志が育ち、何か大望を抱いて努力をはじめるということは非情に人間的に自然でかつ大変理想的な生き方だと思う。自然な生き方の確立というベース、しっかりした基盤、地盤の上に志を持った努力を積み上げて広壮な構築物を作り上げていくことが大事なのだと思う。
私の場合は正直言って自然に生きる生き方を身につけるのに今までかかったという感じなので、これからようやく志を持って高みを目指すという段階に達したように思う。自然に生きることと反自然的に志を持って、地球の重力という自然に逆らって高みを目指さなければ、生きていても十分に生きている喜びを得られない。そういう意味で、自分の中で目指すべき自然と、その先にある反自然と、そのとき自分の中でうまく行かない不自然な状態とがそれぞれよく分らず、葛藤の渦中にあったのだ。
『努力論』を読みながら考えて、ようやくそのあたりに区別をつけられるようになった。という意味で、私にとって重要な言葉になった。
***
昨日。疲れて早く寝る。起床6時過ぎ。雨。モーニングページを書き、職場に出かけてゴミを処理し、帰ってきて父に愉気、朝食。今日は山の胡桃の木をどうしたらいいかということを専門家にきてもらって検討する予定だったのだが、雨が降っているので中止。そのあたりに関連して両親と少し話をする。戻ってきて昨日からの文章構成について考える。まとまらなくなってきたので車で出かける。綿半に立ちより、蔦屋へ。『NANA』の21巻が今月発売になるということを知る。『ダヴィンチ』を買う。文章の続きを早く書きたいので即刻帰宅。30分強で済んだ。雨がだんだん強くなってきている。
『テレプシコーラ』。まだローザンヌコンクール4日目。「アストロ球団」化してきたな。ノイマイヤー振り付けのコンテンポラリーが興味深い。ノイマイヤー・ハンブルクバレエ団はもう二十年以上前の『マタイ受難曲』しか見ていない。あのころは新進気鋭の振付師という感じだったが、今ではもう大御所だ。それにしても、ローザンヌコンクールのディテールがかなり細かくて、これはローザンヌを目指す若いダンサーたちの案内書を目指しているという面もあるのかなと思った。
そのほか興味をもったこと。海堂尊の特集。興味をもったことがなかったのだが、名越康文との対談を読んで面白いかもしれないと思った。
東村アキコ『海月姫』の紹介。東村アキコのコメントが面白い。「もう10年以上も前から"非処女系少女マンガ"が多くなってると思うんですけど、(中略)私は"処女系少女マンガ"で行こうと。普通に描いたら"こんなヤツ今どきいないよ!"っていわれてしまうと思うんですけど、腐女子だったら、すごくウブな子もいるかもしれないですよね。腐女子には、最後の希望がある気がするんです!」なるほどなあと思う。東村アキコのセンスはぶっ飛んでるということのみに注目していたが、それだけでなくキレのよさがある感じがあったのだけど、「処女」のぶっ飛んだ素直さのようなものを面白がり、共感するセンスにそのポイントがあったのだということが分った。やっぱり東村アキコはすごい。注目に値する。ポートレートも可愛い。75年生まれ。
ヴィレッジバンガードの下北沢店が日本一岡本太郎を売る店だという話も結構へえっと思う。
***
はじめての池坊いけばな入門日本華道社,池坊 専永講談社このアイテムの詳細を見る |
連翹に小手毬をあわせてみたら、ものすごくよく合ってびっくりした。昨日連翹を生けてみて、どうもこれだけだとまとまりがないなあと思い、『はじめての池坊いけばな入門』の花材百種でれんぎょうを調べてみたら、「アマリリス、こでまり、アイリス、パンジー」とあった。たまたまコデマリがあったので合わせてみると、いきいきとした連翹の黄色の花、赤味がかかった茶色の枝に、白く小さく可憐なコデマリと小さな緑色の葉の群れが根〆としてとてもよく、全体をよくまとめる感じになった。写真ではあまりきれいに写っていないので残念なのだけど。
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