椿と桜/三分間の幸せ

Posted at 09/02/01

昨日帰京。ここのところ仕事が忙しく、何だか疲れ気味。車に乗り歩いているせいもあって、運動不足でもあるのだろう。栄養過剰なのか、口角にトラブル。大きい口を開けると痛い。いつも地元の駅で弁当を買って乗るのだが、夜の特急に乗るときは売り切れていることも多い。昨夜も結局買えず、車内で買った。不況の影響なのか、以前はワゴン車が二台乗っていたのに、最近では一台しか乗っておらず、車内販売が来る頻度が少ない。自分のところに来る前に売切れてしまっても敵わないので、いつも自分から車内販売のいるところまで歩いていくのだが、昨夜は3号車に席を取ったのに12号車まで歩くことになった。最近運動不足だからか、余計なパワーの使い方をしている。

家に帰り着きポストを開けると、書籍小包。心当たりがなく、部屋に戻ってあけて見ると思いがけない方からのご恵送。感激してしまった。さっそく内容を読むも、わかりやすくかつビビッドな刺激。きちんと読んで、ゆっくり感想を書きたい。それにしても、「凡例」を読んでご奮闘振りがうかがわれ、思わず笑みを漏らした。ご苦労がしのばれた。

4日ぶりに先週生けた花をチェック。白い椿、咲いていた花はしおれかけ、つぼみがちょうどきれいに開いていた。雪のような美しさ。葉の角度が気に入らず、少し調整していたらそれに引っかかって花が落ちてしまった。うわ。仕方ないので趣向を変えて、形を整えるために切り落とした何枚かの葉と花びらが散った枝と一緒にコップに生けてみた。それにしても失敗したなあ。

疲れていても、花のことだけは落ち着いた形にしておきたいと思うので、ゆっくり出来ない気持ちになる。西行は「春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり」と歌ったが、花が落ち着いた形になっていないと、本当に落ち着かないものだ。1時過ぎ就寝。

今朝は久しぶりにゆっくり寝た。起きたら本棚の上の手紙を挿しておいたボックスが落下して部屋中に手紙が散乱していて驚いた。でも何だかそれもまた優雅な感じ。メール時代とはいえ、まだまだ私信はある。でもずっと同じボックスに挿していたから、中には平成8年なんて手紙もあって自分がいかに不精であるかが判明し、苦笑いした。何で落ちたんだろうと不審に思っていたが、ミクシィで友人の日記に地震があったと書いてあったのでそのせいかなと思う。しかし私自身は気づかなかったしなあ・・・と思いつつ日記にコメントしたら、「それはポルターガイストではないですか(笑)」と書かれてしまった。ポルターガイストに知り合いは居らんのだが。

そうこうしていたら友人から電話。しばらく喋った後、日本橋で会おうという話になる。お昼前に出かけて東京駅で落ち合い、丸善へ。この店は始めてらしく、洋書のバーゲンに熱中していた。ハヤシライスを食べた後、日本橋近辺を案内することにした。山本山の前を通って「はい原」で和紙製品を見、日本橋に連れて行くと写真を撮るのに熱中していたので、そうか日本橋って観光名所だったんだなと改めて思った。一番身近な買い物スポットなので私自身に新鮮味はないのだが、人を案内して見ると改めてその魅力を再認識できていい。一番近いところの魅力が再発見できると、私自身にとっても得をした気分。日本銀行とか貨幣博物館とか回って、三越本店のカフェウィーンでザッハトルテを食べて東京駅に送った。

そのあと東京駅の駅地下と八重洲地下街を散策。花屋さんであと一束になっていた東海桜を200円で買い、桜の枝を持って歩いていると何だか嬉しくなってきた。花瓶がたくさんある雑貨屋さんを見つけ、大きなガラスのものを買った。でもこれで1000円。この店贔屓にしよう。"Three minutes happiness"。いまみたらコムサ系の雑貨屋だと知った。コムサ系ってどの店もホームページがないんだよね。ちゃんと紹介できなくて何だか残念なんだけど。

そのあと文具屋でB2サイズの黒い紙を買い、大丸の地下で「まい泉」のヒレかつ弁当を買って帰宅。食事を済ませたあと、今日買ったガラスの器に桜を生ける。今日はわりあいすっきりと生けられた。大きいので写真が撮りにくいのだけど、先日買ったプラスチックの剣山を使って花を留めてみた。郷里で桜を生けたとき、手を入れようとしてあまりうまく行かなかったので、まずは自然の勢いを生かすことが大事だと思い、なるべく素直に生けたのがすっきりとした感じになったのだと思う。

久しぶりに街を歩いてみて、ただ買い物を楽しんだり美術館で絵を見たりするのは時間的にそのときしか消費しないということに思い当たった。最近どうも忙しくてしょうがないという木がするのは、花を生けるといういわばクリエイティブな行為に熱中しているからだ。消費的な楽しみは、そのときだけしか時間を使わないので時間が足りなくて困るということはあまりないが、クリエイティブな楽しみは本当に無限に時間を必要とする。特に今のように始めたばかりの頃は分からないことだらけ、知らないことだらけなので、情報集めにやたらと時間がかかるのだ。ノウハウも一つ一つ自分で覚えていくからきりがない。でもまあそれが楽しいわけなんだけど。

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Title background photography
by Luke Peterson

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