小さくなったご飯茶碗

Posted at 08/11/05

食べかた上手だった日本人―よみがえる昭和モダン時代の知恵
魚柄 仁之助
岩波書店

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昨日帰郷。いろいろと忙しいのだが、魚柄仁之助『食べかた上手だった日本人』を少しずつ読む。いろいろ面白いところが多いのだが、いくつか。

一つは冷蔵庫のこと。昭和初期は電気冷蔵庫が既に開発はされていたが、月給の20倍という代物でとても普及していたとはいえない。それよりもまだ普及していたのが氷で冷やす冷蔵庫で、しかしこれは庫内の温度が15度くらいにしかならないものだったという。冷蔵庫といえば戦後のものだと思っていたのでやや驚きだが、私も物心ついたときには既に冷蔵庫は普及していたのでそれ以前の時代は少し見当がつかない。しかし、冷蔵庫のおかげで食物の保存に気を配らなくなったためになくなってしまったメニューや保存技術もたくさんあるんだなとしみじみした。昔の人は何でもかんでも干したり塩漬けにしたりして保存していたみたいで、この辺の話は面白いなと思う。

もう一つ面白かったのは、昔の茶碗は小さかったということ。それは、お膳や卓袱台の大きさがあまり大きくなかったからだろう、と推測している。戦前の大人用のご飯茶碗は、戦後の子供用の茶碗よりも直径が小さいのだという。実は私も、最近の茶碗はどうも大きすぎて落ち着かないなあと思っていたので、昔はもっと小さかったといわれるとやっぱりなあ、という気がする。今のような大きな茶碗で三杯目をそっと出してもあまり奥ゆかしい感じがしないが、小さな茶碗の三杯目をそっと出さなければならないのなら、居候の居心地がわかろうというものだ、という気がする。

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by Luke Peterson

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