「愛撫の手帖」

Posted at 08/09/29

一昨日夜帰京。昨日は一日何もせず。だいぶ休まった。とにかく、したくないことをしない日、ということにしたのだ。とはいえ、もちろん完全にそうできるわけにも行かないが、基本的にそのスタンスで休みを取った。午前中散髪に行き、午後はテレビでなんとなくスペインの画家・ムリーリョの番組を見て、その後大相撲を最初から最後まで見た。こんな見方をするのは久しぶりだ。たまにはこの位じっくり相撲を見るのもいいものだなと思った。

白鵬の一番が終わったあと、日本橋に出かける。丸善でフランスの歴史で面白そうなのを探し、また洋書のコーナーでフランスの歴史に関するものが何かないかと探すが、歴史自体のコーナーがない。丸の内のほうにはあった気がするので、また見ておこうと思う。フランス語のコーナーとかを見ているうちにDenis Robert "Le bonheur"(Paris, 2000)というのが目に入り、ぱらぱらと読んでみる。恋愛小説、あるいは性愛小説とでも言うべきか。男女の交換書簡みたいな感じで1ページの記述が短いのは3、4行、長くても20行で改ページになっていて、どんどん進む感じで読めるのではないかと思い、買ってみることにした。表紙の写真もかっこいい。"roman erotique"とあるが、読んだ感じはそういう感じでもない。そういう内容ではあるんだろうけど、フランス人のそういうことに関する語り口がやっぱりなんか粋だな、と思う。こういうものはある意味読みやすいと思うし、フランス語の復習にもちょうどいいだろうと思い、ノートも買って一通り訳してみることにした。

Le Bonheur

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帰ってからこの著者のこの作品について調べると、実は角川書店から邦訳が出ていた。ちょっとがっかりだが、自分で訳してみて訳者の解釈とどこが違うのか比較して見るのも勉強になるだろう。原題は『幸福』というような意味だが、訳書はこの本の構成から意訳して『愛撫の手帖』とつけられている。なかなかうまい訳だなと思った。しかし表紙は、原語版のほうがかっこいいと思う。ちょっと「こういうもの」という方向に走りすぎている気がする。

愛撫の手帖
ドゥニ ロベール
角川書店

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この作者、ドニ・ロベールはもともとリベラシオン紙の記者で、90年代後半に一度記者を辞めてこうした小説を何本か書いたそうだ。しかし2001年に復帰し、EUやフランス政界を揺るがしたクリアストリーム事件に取り組んでいる。その同じ年にアメリカの言語学者で政治について発言しているノーム・チョムスキーとの共著を発表している。

昨夜から少しずつ訳しているが、案外訳せるので面白いなと思う。しかしフランス語の感覚みたいなものがそんなにすぐ蘇るわけではないし、観念的な記述になるとニュアンスが少し分かりにくくなる。でもなるべくこなれた日本語にしてみたいなと思う。

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by Luke Peterson

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