知らない国の考古学の成果/文士という類型の人の疾駆する詩情
Posted at 08/07/04 PermaLink» Tweet
昨日。午後から夜にかけて仕事。人は少なかったが忙しかった。そのかわり、今日からしばらく暇になりそうだ。もっとコンスタントに仕事があるといいのだが。
今朝は6時起床。モーニングページを書いて、ゴミを捨てるために職場に。昨夜遅くものすごく雨が降ったので、周辺に水がついているところがあった。少しかたづけをして家に帰り、父に愉気。今朝は両親が検診を受けるので朝食を抜くというので、私もついでに抜くことにした。ここのところどうもトータルで食べ過ぎている。食べ過ぎると体のあちこちに不調が出てくるので控えめにしないといけない。それでも三食食べていると、腹が空になる時間がないのだ。4月に胃を壊してそれ以来三食食べていたが、そろそろ二食に戻すかな。二食だと辛いときもあることはあるのだけど。
朝食を取ったあと、畑で豆の支柱を立てる。これでトマト、きゅうり、豆と全部立てたから、しばらく作業の必要はないかな。畑の作業というのはたまにやるだけだと面倒で仕方がないのだが、ときどきのぞくようになるとちょっと楽しいところがある。この時期、本当に植物の成長が早い。トマトはもう実がなっているし、茄子も花弁から実がつき始めている。きゅうりも花が咲いているしね。
その後会計の仕事。これはさっさと終わらせて部屋に戻る。朝は少し雨が残っていたのだけど、昼前からぐんぐん天気が良くなってきた。気温もどんどん上がる。午前中は詩を書いたり、少しテーマを決めてものを考えて方針をおぼろげながら決めたり、『月刊全生』のバックナンバーを読んだり、活元運動をしたりしているうちにお昼になった。
空を引き寄せる石蜂飼 耳白水社このアイテムの詳細を見る |
昼食後、少し休憩して図書館に出かける。蜂飼耳『空を引き寄せる石』はまだ全部読んでないのだけど、しばらく読みそうもないなと思い返却することにした。でもなんというか、取り上げている話はネタとしては興味深い、というか昔関心を持ったことがある、というものが多くて、面白そうな匂いはしているのだけど、読んでみても実際にそんなに面白くないというのは、蜂飼が女性で若くてはっきりと一つの感性の色を出しているからだろうと思う。なんというか、自分が昔関心を持ったこと、ある種の過去の遺物を掘り出し検証する考古学の成果みたいなものとして面白いのだけど、文章の手触りが縄文土器とか弥生土器とか私が馴染んだものでない、どこか知らない国の考古学の成果みたいな感じで、どうも入ってこないのだ。詩集だと思ってエッセイを借りてしまったので、今度は先に詩集を読んでみようと思う。そうすれば多少は書き手の感性を身近に感じることができるかもしれない。
かんかん照りの中、図書館に出かける。でもまだ風が爽やかで、そんなに暑い感じがしない。半袖のポロシャツで出かけたが、冷房の入っていない館内は少しひんやりして、館内にいるなら長袖でもよかったなという感じだった。
谷川俊太郎『メランコリーの川下り』(思潮社、1988)と高見順『詩集 死の淵より』(日本図書センター、2004)を借りる。
メランコリーの川下り谷川 俊太郎思潮社このアイテムの詳細を見る |
『メランコリーの川下り』は『現代詩手帖』で読んだ谷川俊太郎論の中でも良く取り上げられていた詩集。1988年といえば昭和63年。事実上昭和の最後の年、谷川俊太郎は何を考え、どんな作品を書いていたのだろう。未読。
死の淵より (愛蔵版詩集シリーズ)高見 順日本図書センターこのアイテムの詳細を見る |
『詩集 死の淵より』。高見順といえば小説家だったり、純文学論争とか評論家っぽい仕事をしていた人という印象があるけれども、詩集もいくつか出しているようだ。しかし、ぱらぱらと見たときにあまりに生々しい言葉ばかり並んでいたので、一瞬小説家の余技としての詩なのかと思ってしまった。しかし最初から読んでいくとそんなことはない。やはりかなりストレートな表現が多いけれども、それでも疾駆する詩情のようなものがある。県知事の私生児として生まれ、自分も私生児を生ませ、58歳で食道癌で死んだ、しかしまさに文士という人生。文士という類型の人の詩というものを読んだことがなかったが、文士という類型の人の小説作品よりもこれは多分きっと幾倍も生々しいものになっているのだろうと思う。その生々しさと戦いつつポエジーを発生させる、これは詩人専業の人には出来ないことかもしれないと思った。
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