小泉純一郎は岡本太郎に似ているんだ/オリジナリティを貫くということ/勝って戦うもの常に勝つ
Posted at 08/07/03 PermaLink» Tweet
昨日。午前中は職場へ。屋根屋さんに樋のおかしい所を見てもらう。このあたりは建物が建てこんでいて、行き先がわからなくなってしまっている樋がある。それを方向を変えて違う排水口から排出できるようにしてもらうことになった。やはりこういうことは、プロに見てもらわないと分らない。
午後も少し早めに職場に行く。仕事は早い時間からあった。それとは別に、職場のホームページをかなり本格的に修正した。でもまだまだ手を入れる余地はあるな。しばらく考えながら修正を続けようと思う。見に来ると楽しいような、また見に来たくなるようなホームページにして本業のほうの人集めに役に立つようにできればと思う。なかなか難しいが。本業もそれなりに仕事があり、また本業関連のことで勉強になったこともあって、昨日はなかなか充実した。仕事を終えたのがもう10時を回っていた。
それでもどうも食べすぎなのは変わらないらしく、夕食後は少し調子が悪くなった。今朝は6時起床。思いついたことをやってモーニングページを書いてから散歩に出かける。ファミリーマートでティシュペーパーと洗剤を買おうと思っていたのに、両方思ったものがなかった。スーパーが開いてからもう一度買いに行かなければ。朝食前に資源ごみを出し、きゅうりの支柱立てをする。もうだいぶ伸びてしまった。植物の成長は本当に早い。きゅうりは花が咲いているし、トマトはもう実をつけている。まだ蒔いていない種もあるのに。
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音楽遍歴 (日経プレミアシリーズ 1) (日経プレミアシリーズ (001))小泉 純一郎日本経済新聞出版社このアイテムの詳細を見る |
小泉純一郎『音楽遍歴』一応読了。一応、というのは巻末に40ページ強ある作曲家と演奏家の解説をちゃんと読んでいないからだ。これは本文を読みながら、解説も参照するという読み方をするべきものだった。そういう形で注をつけてくれてあったら最初から読んだのだが、その点はやや不親切な気がする。暇なときにもう一度読めば、小泉流の音楽鑑賞指南書として結構重宝するかもしれない。何しろ本当に知らない作曲家や演奏家について、一貫して彼の好みで喋っているので、ある面白い人物の『一つの好み』から見た音楽鑑賞指南、というなかなかなかいものとして興味深いなと思う。
「私の好きなエルヴィス~小泉純一郎選曲」という章の「I want you, I need you, I love you」の解説。小泉が喋ったことが書いてあるのだが、こんな風だ。
この曲がエルヴィスと私の出会いだった。ビートの効いた出だしのリズム、"hold me close"の発音、さらに、"with all my heart"の信じられないような節回しなど、"欲しい、必要なんだ、愛してるんだ"と、激しく、そして優しく、自由自在なリズムでぐいぐい迫ってくる。何だこの曲は!凄いな!という強烈な印象が、高校生時代の私の心をとらえた。
これを読んでいて思わず吹き出したが、「何だこの曲は!凄いな!」というのがほとんど岡本太郎だ。今まで思いつかなかったが、小泉純一郎は岡本太郎に似ている。「芸術は、爆発だ!」という代わりに「政治は、爆発だ!」とばかりに日本の政界を引っ張りまわし、「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」という代わりに、「郵政は民営化した方がいいじゃないか」とやったわけだ。郵政民営化なんて問題は、一般の国民にとってはグラスの底の顔くらいの認識だっただろう。そこに焦点を当ててぐいぐいやった小泉は、やっぱり根本的に芸術家なのだと思う。だからそれはそれで面白いとどうも思ってしまうのだが、(政治は権力の芸術だ、という言葉があるが、小泉はまさに政局に関しては恐ろしいくらい巧みだった)しかし「政治は最高の道徳だ」、という言葉のほうに関しては、芸術家が必ずしも倫理的ではありえないように、小泉のやったことも倫理的に完全に正しいとは言い切れなかったのは仕方がない。
だから小泉は後継者に若くてまじめで正義感の強い安倍を選んだのだろうが、残念ながら体力の不安までは計算しきれなかったということなのだろう。私は安倍には原敬の後継者と目されていた横田千之助がダブるところがある。「夭折した横田が首相になっていたらよかったのに」という思いがあったのだけど、実はそれを実現してしまったのが安倍で、体力の不安が政局の混乱につながるという後味の悪いことになってしまったので、やはり横田が首相に成らなかったのは運命だったのかもしれない、よかったのかも知れないとも思ったのだった。まあ雑感だが。
大宰相原敬のあとはなかなか安定政権が成立しなかったが、そういう意味では今の状況も同様なのかもしれない。原は自分のやりたいようにやって暗殺されたが、小泉はさっさと退任した。そのあたりも稀に見る人だ。
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昼も夜も (midnight press Original Poems)久谷 雉ミッドナイトプレスこのアイテムの詳細を見る |
久谷雉『昼も夜も』読了。この人は、言葉の速さ、とか滑らかさ、というものを意識していると思う。この人の詩を読んでいると、どんどんすべるように読みが進んでいったり、あるところでたゆたうスピードになったりする。短い言葉で行を変えるその変え方が、一つ一つの行に凝縮した重みがあるという感じではなく、一行を読んだら自然に次の行に目が行く、言葉が動く感じにしてあって、このあたりが私にはとても生理的に納得できた。私が1999年頃に書いていた詩はそういうものが多く、そうやってリズムを作り出していたのだけど、当時そういう詩はネット以外ではあまり見られなくて、こういうのではだめなのかなと思ったりしていた。ああ、こういうのもありでいいんだとこの人の詩を読んで思ったのだが、それを臆することなく世に出していくことにおいてこの人に先んじられたんだなと思う。言葉の選び方、スピードの調節の仕方などはこの人の方がうまいなと思うところがあってやられたと思うのだけど、まあいろいろな思いはありつつも詩を書くペースのようなものが似ているんだろうなと思った。
今こういう書き方をしようとしてうまくいくかは分らない。私の中にどうもくだらないオーソドックス志向があって、一度投稿して採用されないと自分の作風に問題があるのかと思ってしまい、人を真似たような書き方になる傾向があって、それでオリジナリティの発展が相当阻害されてしまっている。評価されなくても自分のオリジナリティを貫いていく朴訥な強さが必要なんだなと読んでいてしみじみ思った。
『月刊全生』のバックナンバーを読んでいたら、野口晴哉師の語録に「信じて為せ/結果を 一切 期待するな/これ信ずるということ也」という言葉があって、そういうことなんだなと思う。
「勝たんとして戦うもの 常に敗る/戦って勝たんとするものも 又同じ/勝って戦うもの 常に勝つ/戦う技 問題に非ず/進めば 道自ずから開かるる也」
と続くのだが、「勝って戦う」、というのは分りにくいが、つまり「信じて為す」ということなのだ。信じるということが勝つということなのだ、と言い換えてもいい。失敗しても、その失敗を生かすことができる、また結果は追い求めてはいけない、結果はおのずから来るが、それが真の結果かどうかは人間にはいつまでたってもわからない、と割り切り、前に進みつづけることが信じるということであり勝つということなのだと思う。
そうは思ってもついくよくよしてしまうのだが、まあそこは頑張って踏ん張るしかないということなのだと思う。
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