ルオーとマティス/マラルメ/諸星大二郎/高山宏
Posted at 08/04/21 PermaLink» Tweet
日曜日は更新せず月曜日もどう書こうかとうだうだしているうちに夜が更けてきた。土曜夜から月曜までの記録。
土曜は仕事が暇だったが終わる直前に駆け込みで忙しく。6時59分発の特急で帰京。特急の中で足がだるくなった。仕事は暇なほうが体が疲れる。疲れが残る。日曜の朝も疲れが残り、何もできないうちに9時。自治会の総会の準備があるので出かけたら、集まり悪し。まあしかしいろいろ仕事があったのでやっているうちに総会が始まり、無事終了。終わったあと慰労会、鮨が旨くて食べ過ぎた。この食べ過ぎが尾を引く。腹具合が悪い。
1時前に失礼し、砂町図書館に吉岡栄一『文芸時評―現状と本当は恐いその歴史』(彩流社、2007)を借りる。
文芸時評―現状と本当は恐いその歴史吉岡 栄一彩流社このアイテムの詳細を見る |
これはマイミクの方が推薦していたもの。村上春樹論にちょっと興味がある。砂町銀座の『ひよ子』で田舎饅頭・蓬饅頭・酒饅頭を買って帰る。食べ過ぎに拍車をかける。
2時ごろ汐留の松下電工ミュージアムに出かける。銀座の中央通りの突き当りを曲がってすぐのところに鉄道開業時の新橋駅の跡があり、0マイル標識などが復元されていた。その向かいに松下電工の本社ビルがあり、その中にルオー美術館があった。『ルオーとマティス』展を見る。
ルオーもマティスもあまり深い関心がある人ではないのだが、先週だったか『美の巨人たち』で二人の交友関係にスポットを当てて紹介していて、この友情は貴重だと感じた。二人の作品をこれだけじっくり見たのは初めてかもしれないのだが、二人ともすごく持っているものを感じるのだけど、今の自分にはあまりよくわからないものだなと思った。すごいものを持っているとは思ったけど。図録と絵葉書とルオーの絵のTシャツを買う。これにこの展覧会のポスターがついてきた。得をした気分。
その後銀座に歩く。最近本当に中国人の観光客が多い。欧米人も割と多いけど、いかにもおのぼりさん的な観光客の中国人が多いという印象が最近強い。最近かなり痩せたのでズボンを一本買おうかとブルックスブラザーズにはいったが、手ごろな値段のものは麻の物しかない。さすがにまだ麻は早いだろう。特に私のように寒冷地と往復していると、こういう初夏を先取りしたような物は買えない。教文館でマラルメを探すが見つからず。そのまま日本橋まで歩き、丸善でもう一度探すが手ごろな物はなし。東京駅を丸の内側に出て、こちらの丸善で探した結果、洋書のコーナーで英仏対訳本を見つけて買った。
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…うーん、これ今amazonでみると1251円だ。私の買った値段は2142円。やっぱり洋書はamazonで買うべきか。中身検索で英仏対訳本だということもわかるしなあ。
その後家に帰ってきて何かをしようとしたのだけど手につかないうちにうとうとして寝てしまった。昼間食べすぎたので夜は抜く。起きたら「N響アワー」を遣っていた。オーボエ奏者シュレンベルガーが指揮者としてモーツァルトを振る。躍動的で個性的な演奏。モーツァルトは音色の色彩の魔術師だ、と思う。そういう演奏だったと思う。早めに寝る。
5時起床。起きて荒川に日の出を見に行こうと思ってネットで日の出の時刻を調べたら5時1分。もうそんなに早いのか。しかしこのサイト、便利だ。携帯でも見られる。私のように日の出の時刻を知りたい人間にはうってつけだ。
午前中はやはりなかなか物事をやる気が出ず、諸星大二郎『海神記』を読み直す。
海神記 上 (1) (光文社コミック叢書“シグナル” 6)諸星 大二郎光文社このアイテムの詳細を見る |
海人(あま)たちの常世(とこよ)を目指すある種の千年王国運動が「謎の4世紀」の大和国家の形成に大きな役割を果たした、という物語。単なるファンタジーでなく、一つの壮大な仮説の形で語られている。平成初期の作品だが、諸星の構想力の大きさに改めて圧倒される。話は途中と言えば途中で終わっているのだが、多分この続きが書かれることはないだろうな。夕方、『西遊妖猿伝』も河西回廊篇を読み直したが、この頃になるとだいぶ疲れが感じられる。でも十分面白いのだけど。せめてこの作品だけでも、西域篇・天竺篇と書き継いでもらいたいのだけどなあ…
西遊妖猿伝 (16) (希望コミックス (322))諸星 大二郎潮出版社このアイテムの詳細を見る |
時間的には前後するが、昼前に神保町に出かける。東京堂で高山宏『近代文化史入門 超英文学講義』(講談社学術文庫、2007)を買う。
近代文化史入門 超英文学講義 (講談社学術文庫)高山 宏講談社このアイテムの詳細を見る |
これは松岡正剛が高山の仕事を絶賛しているのを読んで読む気になったのだ。実際中身を読んで見るとなかなか面白い。視点の偏りは感じるが、それはそういうものだとして読めばあまり気にならない。松岡正剛も荒俣宏も高山宏も一人だけだとなんだか変わった人、という感じだが、それぞれの関係を頭に入れて読むとかなり迫力のある人たちに感じる。スクールというには小さすぎるが、やはりある種の「一派」であろう。人は誰でも巨人になれるわけではないが、ある程度の友を呼んでいる類に属したほうが理解はされやすいのだろうなあと思う。
夕方友人から電話がかかってきて3時間ほど話す。お互い近況を語り合う。詩のこととか評論のこととか。高山宏の仕事を最初に聞いたのはその友人からだった。
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