塩野七生が叩かれる理由

Posted at 08/04/04 Comment(38)»

ちょっと大き目の急ぎの事務仕事が昨日の午後一段落し、そのあとはちょっとほっとしていた。妹とその子どもたちが少し前から来ていたのだが、子供というのはやはり見ていると面白いなあ。妹は小学校の先生なのだが、育休を取って三人の子どもの子育てをしている。みんな丈夫ですくすく育っていていい感じだ。

今日の午前中は松本に出かけて、午後一休みして大仕事。それもつつがなく終わり、その後の仕事はぼちぼちと。新しい仕事の問い合わせもあり、それなりに動いてはいる。

ルネサンスとは何であったのか (塩野七生ルネサンス著作集)
塩野 七生
新潮社

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暇な時間を見つつ塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』読了。最後の三浦雅士との対談が面白い。三浦雅士は最近、私の中では『ダンスマガジン』の編集長でありバレエ評論家なのだが、昔は『ユリイカ』の編集長だったのだからやはり文芸評論家なのだ。

この対談を読んで思ったが、塩野七生が文学の方面からも歴史学の方面からも叩かれる存在らしい、ということは薄々知らなくはなかったが、実態はかなり酷かったのだなと思う。塩野自身はずっとイタリアにいたからわれ関せず、という風情だったようだが、日本にいたら相当きつかっただろうと思う。いくら叩かれても全然めげないから叩く側はよけい憎悪を募らせていたんだろうけど。なんかこういうところは日本人の本当につまらない情けない部分だなと思う。

塩野によると、デビュー当時は哲学なら田中美知太郎、歴史学なら林健太郎、会田雄次といった大先生方に認められていて彼らがいる間は大丈夫だったのだが、80年代から90年代にかけて、その下の世代が学会に主流になったら大変だったのだという。『マキャベッリ全集』を出すので月報を書いてほしいと依頼が来て、OKを出したら訳者の学者たちが塩野が書くなら我々は書かないと言い出して、結局塩野が降りたのだという。またNHKでウフィッツィを取り上げるときに案内役をしてくれと頼まれてこれも引き受けたら、ルネサンス関係の学者たちが塩野が案内役なら自分たちは以後協力しないと言い出したのだそうだ。あまりのケツの穴の小ささに腹を抱えて笑い飛ばしたくなる。(卑語失礼)

これに関して三浦はこう分析している。

もちろん潜在的には、嫉妬とかそういう問題があるかもしれない。しかしそれは余分な話だから横に置くと、はっきりといえることは、マルクス主義が影響力を持つ時代が終わってしまって、学者としてのアイデンティティが研究方法の次元で問われる時代に突入した。結局、そのアイデンティティは研究のディテールに認めるほかなくなってしまった。だから、研究対象をなるべく細分化して、他の領域には手を出さないという、一言で言ってしまえば、タコツボ型がはびこったということだと思います。

これは、ルネサンスとかローマ史とか、つまり学者自身のイデオロギーがほとんど問われない分野においては全くその通りだと思う。近現代史ではまだまだマルクス主義とは言わないまでもイデオロギー的な部分が幅を利かせているが、それ以前の歴史学では趣味オタクの世界に近づきつつある一面は否定できない。そうなるとオタクの特性であるディテールへの異常なこだわり、異分子への排他性などが悪い形で噴出し、実社会においてもてはやされる塩野七生など最も叩きごろの存在になるだろう。

もう一つ三浦の指摘で面白いと思ったのは、塩野が小林秀雄の影響を受けているといっていることだ。塩野自身は「?」という感じだが、小林が「歴史は神話である」、と言っているのを受けて塩野が「歴史は娯楽である」と言っている、と三浦は解釈しているわけだ。

小林の言わんとするところは、結局歴史は人間なのだ、しかし、人間だけではない、神話を人間は必要とする、ということだと三浦はいう。そしてその人間が必要な神話と言うのは、つまりは娯楽なのだ、というわけだ。人間は生きた人間の話を必要とする。それが神話であり娯楽なのだ、というわけだ。

これはなるほどなあと思わされた。ある意味、ホモ=ルーデンスみたいな話だ。神話と言うものはなぜ力があるか、という疑問は常々あったが、要するにそれは神話は面白いからだし、それを人間が必要とするからだ、と言い切ってしまうとかなり納得する。塩野は確かにそういうふうに歴史と言うものを書いているから、逆に学者からすれば自分たちのやっていることの存在意義を脅かされるような、馬鹿にされているような感じがしてしまうのも分らなくはない。

しかし、その違いを制度としての学問にこだわるか、人間存在そのものを問うために学問を使うと言う立場に立つかの違いだとするならば、私はやはり後者の立場に立ちたい。その方が生きてて面白いと思うんだけどなあ。

"塩野七生が叩かれる理由"へのコメント

CommentData » Posted by 江沼輝行 at 08/11/02

塩野七生を検索して、偶々貴文を拝見いたしました。
主語+動詞でない日本語様式の思考に漬かってしまうとコウもなるのかと改めて嘆息にも似た感慨に浸りました。
私ども仕事でEC諸国と繋がりのある人間よりも、学者先生方はもっと広い見識をお持ちかと思っていましたが、意外にも侠角レンズカメラとわかって、カワイイ人種に近親感を覚えました。
Sono andato a Roma.
日本語が判らずに日本を理解することが難しいように、
Ho studiato un po’. 程度で、イタリヤやローマを語るのは如何かと思いました。 塩野七生さんは失礼ながら口下手ですが、日本人種の顔をしたイタリヤ人です。
ついでながら、イタリヤ人は所得の半分程度の所得申告しかせず、国民総所得の実際は、公表規模の2倍に達するというのが常識。
ムッソリーニ時代の戦争のやりかのダラシなさ、加えて、戦後、数回の経済危機を云々されながら、国としての破綻はありませんでした。 かくて、ベルルスコーニのフォルッア・イターリア(英語で言えばPull up your socks! Itarian.)は健在です。

CommentData » Posted by kous37 at 08/11/03

コメントありがとうございます。

わたしが承認するまでコメントが表示されないようになっております。何度も投稿いただいたようで失礼しました。

さて、本当にわが国の学者の皆さんは度量が狭い方が多いですね。こういう考え方だから、学問が本当には役に立たない、ということになってしまうのだと思います。方法論的に自分の満足のいくものでなくても、違うアプローチのものも評価してお互いに高めあっていくような視点をなぜもてないのかと不思議に思います。それは歴史学だけでなく、他の多くの分野でも感じることですが。

さて、イタリア人のたくましさを江沼さんのコメントで再確認させていただきました。日本人もむかしはそういうところがいくらでもあったんですけどね。

そういうものも踏まえた重厚さのようなものを、日本人ももっともてるといいなあと思います。

CommentData » Posted by 深山あかね at 09/08/16

初めて塩野七生を読んだというつたない読者です。
『ローマの街角から』という書です。
その中に、学者とは違うスタンスを持っていることが次のように表明されていました。   
 「わかっていること」を書く彼らと違って、私の場合は「わかりたいこと」を書く点にある。
と、司馬遼太郎の歴史小説についてについて、小説は面白いので多くの人が読む。しかし、どこまでも小説であって歴史ではないということを述べているものがありました。
でも、本と面白くないと読めないのが私たち凡人ですから、時々これは小説だと思いながら歴史に親しんでも良いのではないかと思いました。

CommentData » Posted by kous37 at 09/08/16

はじめまして。コメントありがとうございました。

歴史に親しむ、というのはいろいろな親しみ方があっていいと思いますよ。専門の学者のにとっては、いろいろと脚色された作品を、史実そのものと思っている人が多いのに苛立ってしまうということは事実のようです。娯楽として楽しむ分には別にそれでもいいのですが、何か「ものを言おう」と言う人が史実でないものに立脚して言われることをいちいち訂正したり反論したりするのが鬱陶しいと言うことなのでしょう。日本の学者はどうしても厳密主義なので、そういう想像力の自由な飛翔のようなものを、嫌う人が多くなってしまうようです。

そういう世の中に向けての発言をしようという人はもちろんちゃんと歴史的事実や、その歴史的事実がどう扱われてきたかということも含めて勉強して欲しいと思いますが、やはり娯楽として楽しんでいる範囲では、学者も多めに見るスタンスがもっとあっていいと思いますね。

ただそこにもいろいろ問題があって、日本では、歴史的事実に限らず、世の中にものを申そうという人たちが基本的に不勉強極まりないということ。とくに一線で活動している政治家たちにそういう不勉強が目立つのは残念なことです。これは日本という国の沽券にも関わることですので、もっとしっかり勉強してもらいたいと思います。

もう一つ、塩野七生のような存在。彼女は小説は小説として書きますが、『ローマ人の歴史』などは基本的に「教養人のための歴史」のようなスタンスで書いていますね。だから史実の解釈も、自分として納得できるものを優先し、学界の、とくに日本の学界が広く認めている解釈を必ずしも取らないということがあるのだと思います。そして、その塩野のほうが何十倍も人々によって広く読まれていて、一般の人々から学界の常識があっさりと否定されたりすると言う現実に相当いらだっているのだと思います。

それなら人々にもっと読まれるようなものを、少なくとも読めば彼らの主張が多くの人に伝わるようなことを書けばいいと思うのですが、自分の研究を優先してそういうものを書くわけでもない。それでいて彼女をボイコットしようとする。その姿勢はやはり首を傾げたくなります。大学という、アカデミズムという安住の地があって、その中でのコップの中の議論に満足している人たちにとって、塩野の存在は黒船来襲のようなもので、いかんともしがたい反発が渦巻いている。彼らのアイデンティティが否定されるようなものですから、まあ仕方ないかなという点もありますが、もっと前向きに頑張って欲しいものだと思います。

CommentData » Posted by 深山あかね at 09/08/16

 丁寧なご返答をいただきありがとうございました。
古田武彦や、南方熊楠の昭和天皇へのご進講のいきさつなどを読んだときにもいろいろ感じたことは、こういうことだったのかと、あらためて理解できました。
 また、大学では教授が、自分とは違った説を唱える人を助教授に推薦するだろうかと、30歳で夫に近所の大学にに行かせてもらった二人の子持ちのおばさん学生だった私は思ったこともありました。

CommentData » Posted by kous37 at 09/08/16

アカデミズムの世界はいろいろと面倒なことが多いです。単純に真実の追求だけなら話はシンプルでいいんですけどね。

東大の文学部などでは、助教授と教授は年齢によって決まるようになっています。昔ながらの教授と助教授の関係は、変わってきている面もあると思います。

CommentData » Posted by 吉田統一 at 09/08/26

GOOGLEで「塩野七生」を検索してきました。私は中小企業の経営本として塩野さん著書を利用しています。企業運営はビジネスモデルやら何やら必要な要素はありますが、結局は「人」をどうマネージメントするかにかかっていると思います。適格な目標設定やモチベーションを高めることや仕事に対しての当事者意識を高めることなどなど。その視点からいうと、塩野さんから見た歴史を「人」を中心にとらえていく、更にその中から人間ってこういう特性があるというところをあぶりだしています。塩野さんの書くカエサルやアウグストゥスに現在の自分を重ねあわせ彼らならどのような経営決断をするのだろうかなどを考えていると、長期的スパンで、またマクロ的視点で自社を見つめていく事ができます。もともとマキャヴェッリの本を同様の読み方をしていたので、塩野さんの本はすんなり入れて大きく役立ちました。貴殿のブログを読んで、いろいろな考えを持った人がいるなぁと感心しました。ありがとうございます。

CommentData » Posted by kous37 at 09/08/26

コメントありがとうございます。自分がカエサルだったらどうするか、なんていう問題意識は、壮大でいいですね。

経営等でそれを応用しようと思ったことはありませんが、そう言うのに使える面もあるんでしょうね。読みかたも多様なんだなと感じ入りました。

CommentData » Posted by 遠藤 豊 at 10/01/10

塩野七生さんを検索してみたら、えっ、と思って覗いてみました。塩野さんが叩かれているなんて知りませんでした。というよりも、批評するほどの価値がある方だとは思ってもいませんでした(失礼!)
それよりも気になるのは、もしも、塩野さんがよく読まれているとしたら、その理由が気になります。
ギボンの時代のイギリス人のように、爛熟した自分たちの社会が、世界の中で置かれている状況から目をそらすためでなければよいのですが。
塩野さんは歴史家ではないので、史料の貧困や読みの浅薄さを批判されるいわれはないと思うのですが、文学的にも、その想像力と視野の狭さが気になります。
せっかくフェニキア人まで視野を広げられたのですから、地中海文明がどれほどレパント地域、ペルシア文明に裨益されたかをご存じないとは思えないのですが。
「ローマの道」などという言い古された言葉は、西アジアや欧州の方なら今はあまり口にされないでしょうが、「王の道」の小規模な模倣にすぎないことは、塩野さんならご存知でしょうに。
イタリアではまともに取り上げられないので、日本語で紹介されたのでしょうか。それともイタリアの歴史が本当に日本人に必要なこととお考えなのでしょうか。それならば、クローチェのような本当にすぐれた方の業績を紹介すれが事足りると思われるのですが。

CommentData » Posted by kous37 at 10/01/15

コメントの公開が遅れて失礼しました。

塩野七生は評価できない、というご意見はよくわかりましたが、この場でそれに関する議論をするつもりはありませんので、どうぞご自分の印刷物やサイト等でご高説を展開していただけたらと思います。

よろしくおねがいします。

CommentData » Posted by Venus at 10/06/05

塩野さんの本を読み始めた友人から、お勧めを聞かれて検索して来ました。
上からコメントを読んで、

)叩かれているなんて知りませんでした。
以降叩き。
笑いました。なぜここに書く、出版社経由で塩野さん宛に送らぬw

高校生の頃の愛読書でした。当時40代の塩野さんもいまやご高齢。
今も昔も、あまたいる歴史小説作家の一人という意識しかありませんが
気に入らなきゃ、他の本を読めばいい話。
たしかに、中小企業の経営者で傾倒している人は多いです。英雄願望
とかあるのかも。

CommentData » Posted by nakkinn at 10/09/10

 自分の薄い知識で生きていますね。
このコメントも殺すでしょう。

 言い訳だらけで勝負できない。

 文章力でわかります。

CommentData » Posted by kous37 at 10/09/11

>venusさん
お返事していませんでした。すみません。人のブログで毒を吐くよりもっと生産的なことをしていただいた方がよろしいかと思う方が多いですよね。

>nakkinnさん
ご苦労様です。コメントは公開しない場合もありますのでどうぞご了承ください。ご意見がおありでしたらご自分のサイトやブログで公開でお書きください。ただ、ご批判いただいてもこちらがお付き合いできるとは限りませんが。宜しくお願いします。

CommentData » Posted by N at 11/11/13

ググッたら引っかかり興味本位でのぞきに来た者です

僕は議論できるほど賢くも無いので眺めて楽しんでいます
ボクシングのリングに立つよりもそれを眺めているほうが「娯楽」な人間です

P.S
.コメントは殺しても構わないと思います
殺されたくなければ自分のブログに書けばいいんですから

ブログは管理している人のものです

CommentData » Posted by kous37 at 11/11/13

>Nさん

こんにちは。古い記事なのですがアクセス解析を見るといまでもかなりごらんになる方があるようで本人ももう内容を忘れていたりするのですが、建設的なコメントでしたらお相手するようにしています。

まあ学会の閉鎖性というか、器量の狭さというか、まあそんなことなんですけどね、問題は。専門性に立てこもるのがどうも私は好きではないので。最近はそういう傾向が強いですけどね。でも福島原発の事故以来、専門性の牙城(原子力村とか)を攻撃している人が増えてきて、その節度のなさにもちょっと辟易はしているんですが。まあいろいろですね。

CommentData » Posted by yichintang at 11/12/11

こんにちわ。
塩野七生の検索でたどりつきました。

かつては「出る杭は打たれる」状態だったのが、
今では「出すぎた杭になったので、誰も打たなくなった」ところまで
突き抜けた姿は、かっこいいです。

憧れの目指す女性の姿であります。

CommentData » Posted by kous37 at 11/12/11

>yichintangさん
こんばんわ。

どうなんでしょうね。今でも歴史学や古典学のアカデミズムでは塩野さんなどは無視・嫉視されてるんじゃないかという気がします。まあそういう反応しても世間的には「はあ?」という感じになるかとは思いますけどね。

アカデミズムに限らず、現代日本は小人たちの楽園みたいなところがあって、残念です。

CommentData » Posted by komimi at 11/12/18

こんにちわ→こんにちは 

些細なことですが気になるのです。

CommentData » Posted by kous37 at 11/12/18

>komimiさん
こんにちは。
「わ」か「は」かというのは微妙ですね。私はずっと「は」で使ってきましたが、最近「わ」も使うようになりました。国語審議会的には「は」ではありますが、表記の問題は時代とともに変遷しますので、『わ』もありかなと最近では思っています。違う表記の問題についてはこだわるときもあるのですが、これに関してはあんまりこだわりは感じないですね。

地震も、ほんらいは「ぢしん」だと思うのですが、「じしん」と書くのが一般化していますし、国語審議会的にも認められているようです。だんだん変わって行くという感じがします。

CommentData » Posted by 匿名 at 11/12/25

>>kous37
おっしゃるように、言葉は変化していくものです。
しかし、その変化に加担しないということが常識人の良心ではないでしょうか。

# しかし、なぜこのページが塩野七生で検索して上位に来るんでしょう?

CommentData » Posted by kous37 at 11/12/25

>匿名さん

お考えはもちろん理解できますが、もう少し広く考えても、よろしいかと思います。まあ何でも許しちゃえばいいというものではないですけどね。

このページが検索で上位に来る理由は、GoogleさんとかYahooさんとかに聞いてみないと分からないです。特にSEOとかかけた覚えはないんですけどね。

CommentData » Posted by どさんこぐま at 12/05/09

ずいぶん以前の記事に今頃のコメント失礼致します。

数年前から塩野さんの作品を少しずつ読んでいたのですが
『ローマ人の物語』は文庫化を機にとうとう手をつけまして(笑)
いやあ読んだ読んだ読み返してはまた読んだ。
というくらい楽しませて頂きました。

国内の塩野バッシングについてはおおまかに聞き及んでいましたが
改めてひどかったんですね~

個人的には『だいたい読んでおもしろい論文書いてる学者いるのか?』
という立場でして(笑)。

塩野さんの作品はいずれも塩野さんというフィルターを通して
イタリアひいては当時の世界観・同時代人の視線といったものを
感じていくものであり、学術的には謙虚な立場の発言(記述)に
好感をいだいておりました。

これから十字軍物語やベネツィア千年の物語など
鋭意取り組む予定です。

これから他の記事も読ませて頂こうと思ってますが
興奮のままにまずはコメントさせて頂きました。

渋くて素敵な解説ありがとうございます

CommentData » Posted by kous37 at 12/05/12

>どさんこぐまさん

コメントありがとうございます。私も「ローマ人の物語」は文庫で出始めた時から読み始め、10年かかって読了という感じになりました。ヴェネツィア史を書いた「海の都の物語」はもっと前に読んでましたが、最近マキァヴェッリの『フィレンツェ史』が岩波文庫で出たのを立ち読みして、塩野さんもこれに触発されたのかなあなどと思ったりしました。

塩野さんはルネサンス関係の評伝的なものがとても面白くて読み始めましたが、魅力的だと思います。日本では『作家の書く歴史』が歴史家に認められない傾向があって残念ですね。松本清張もいつも嘆いてました。蛸壺的な専門性へのこだわりはちょっと残念だなと思います。もっとおおらかにいろいろなものを受け入れてくれればいいのに、と思います。

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