『ラチとらいおん』/匂いとたべもの/作者が何かを乗り越えるということ

Posted at 08/01/21 Comment(2)»

昨日は、以前やっていた英語学習の学習者の集いのようなものに出席。腰が痛くて大丈夫かと危ぶんだが、肩の凝らない感じの集まりで何とか最後までお付き合いできてよかった。帰りは銀座に出て、少し気分転換。腰が痛くても、家の中ばかりにいたらよけいに気持ちがくさくさしてくる。とは言ってもあまり歩けないので、教文館で本を物色した後、6階のナルニア国に上ってカードとデスクトップカレンダーを買った。

買った後気がついたのだが、これもマークスの製品だった。最近文房具を買ったら気がついたらマークスだった、ということが多い。ウェブショップで見ると同じデザインのものはもう売り切れのようで、色違いのものが残っていた。

郷里のわたしの部屋の机の上に去年はずっとデスクトップカレンダーがおいてあったのだが、年が変わってからなくなったので不便だった。買わなくてもどこかからもらえるのではないかと思ったのだけど、別に買ってもいいんだよな、と思って買った。割といい感じかも。

夜はいろいろ疲れが出て、8時には寝てしまった。起きたら5時前だったが、布団の中でぐずぐずしていたら6時半。ちょっと寝すぎ。腰の調子にもあまりプラスではない気がする。

今日は昼前に丸の内の丸善に出かける。やっぱり腰が痛く、あまり遠くまで出歩く気にならない。あまり何も考えずに出かけたのだが、おがきちか『エビアンワンダーREACT』を見つけたので1、2巻を買った。

エビアンワンダーREACT 1 (1)
おがき ちか
スタジオディーエヌエー

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後で知ったが、この作品は掲載誌の休刊で途中になっていて、別の雑誌の増刊に移って最後まで全うしたらしい。移った後がREACTなのだそうだ。ということでその前の分が2巻あるらしいのだけど、まだ書店では見つけていない。

それから思いついて、デスクトップカレンダーのデザインになっていた絵本、マレーク・ベロニカ『ラチとらいおん』を買う。

ラチとらいおん
マレーク・ベロニカ,とくなが やすもと
福音館書店

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わたしはこの作品は知らなかったけれども、ハンガリーの絵本作家なのだそうだ。初版が1965年なので私も知っていてもおかしくはないのだけど、たまたま縁がなかったのだろう。読んでみたらなかなかいい作品だし、確かに小物にデザインするには気が利いた愛らしい絵だ。いい絵本だと思う。

地階のナチュラボに寄ってパイナップルのドライフルーツとラベンダーのお香を買って帰る。最近気がついたが、お香の香りを嗅ぐということは、物を食べたときに近い満足感がある。もちろん腹は膨れないが、物を食べるという楽しみの中には味わうという楽しみもあるわけで、匂いを楽しむということにはものを味わうということに感覚中枢的に近いところにあるのではないかという気がした。

家に帰ってきて『エビアンワンダーREACT』を読む。最初はやや退屈、ということもないが『ランドリオール』の方が面白いな、と思いながら読んでいたけど、2巻の終わり、すなわち物語の大団円近くになってものすごく面白い、というか吸い込まれていく展開になった。主人公フレデリカが自分を捨てた両親と出会い、悪魔との契約を破棄する。そのために天界・地獄界から陪審員を召還し、裁判が開かれる。・・・と書くとやはりまるっきりファンタジーなのだが、人間の心の中というのはやはりある意味ファンタジーのようなものではないのだろうか。作者の心の葛藤、作者が乗り越えようとした何かが、作品にも現れているとやはり思われてならない。『ランドリオール』はやはり、『エビアンワンダー』で何かを乗り越え、何かを達成した人の作品なんだなと思う。フィクションの作家はそういうことをおおっぴらにいうことに徹底したテレがあると思うのでそうは言わないだろうけど、そういうことが作品のテーマ等を通してある意味ストレートに感じられる作品は私は好きだな。

『[晴]晴れの日もある』さん経由で見つけたブログパーツ、『あわせて読みたい』Feedmeterを貼ってみた。(メインページの左カラム一番下から二番目)出てくるブログが失礼ながら私が読んだことがないものもあり、へええと思う。このブログパーツを掲載していないと表示されないようなので、みなさまもどうですかお一つ。


"『ラチとらいおん』/匂いとたべもの/作者が何かを乗り越えるということ"へのコメント

CommentData » Posted by shakti at 08/05/06

昨晩は、トトロをNHKでやっていました。トトロといい、ラチとライオンといい、たった一つの作品で、長期にわたって語り継がれる作品になったというのは、興味深いです。

なお、最近では郵便局に絵本通販の人がパンフを大量に置いてあって、そこにあるのは、虎が家に尋ねてきて食べモノを食べ尽くしてしまうという絵本の絵でした。これも、中欧の作品だと思うが、記憶に残るモノとなることでしょう。

CommentData » Posted by kous37 at 08/05/06

>なお、最近では郵便局に絵本通販の人がパンフを大量に置いてあって、そこにあるのは、虎が家に尋ねてきて食べモノを食べ尽くしてしまうという絵本の絵でした。これも、中欧の作品だと思うが、記憶に残るモノとなることでしょう。

その絵本、面白そうですね。絵本は、確かに中欧のものがセンスのいいものが多いように思います。

トトロは、というより宮崎駿作品は私はほとんどみていないのでよくわかりませんが、自然環境の危機を意識した作品が多いようですね。それが日本人のメンタリティにこれからどんな影響を与えていくのか、興味深いものがあるなあとは思っています。

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