ゴッホの黄色、ムンクの目、岡本太郎の白

Posted at 07/12/25

昨日は久しぶりに無茶をする。美術館を三つ梯子。まず上野の東京都美術館で『フィラデルフィア美術館展』。バーンズコレクションを髣髴とさせる、というキャッチコピーでちょっとイヤな感じになった、というのは1994年のバーンズコレクション展はあまりいい印象がなかったからだ。

今回もとても混んでいた。最終日でしかもクリスマスイブだと言うのは混む条件が揃っている。コローの女性の絵とかよかったけど、絵葉書はなかった。ルノアールはやはりうまいなと思う。ゴッホの黄色い背景の絵がよかった。やはりこういう色使いは普通しないなと思う。ゴッホの色を見るだけでちょっと行った甲斐があったかな。

何というか、美術の教科書に出てくるような作家は一通り全部そろえていると言う感じで、その辺の感じが実にアメリカ的。金に飽かせて、とはいわないが、いまいち印象が散漫な気はしないではない。フィラデルフィアで見たらそうも思わないんだろうけど。

あと、ジョージア・オキーフの本物が見られたのはよかった。見た時間は実質20分強か。早々に退散。見たい絵をじっくり見られるような状態じゃなかった。

次に西洋美術館に行って『ムンク展』。思ったより高かったし思ったよりこんでたので見るかどうか迷ったのだけど、結果的に見て正解。昨日の梯子で一番充実していた。前回のムンク展は世田谷美術館で97年だったから、ちょうど10年。前回も『叫び』だけではないムンクの画業というものは印象に残ったが、今回はパブリックな場所に飾られた、あるいは飾られるはずだったフリース作品、あるいはその下書きなどが多くあって興味を引かれた。ムンクは目が特徴的、とどこかの若者が横の女の子に言っていたが、私が思ったのは、画中の人たちはなんでみんな前向いてんだ、ということ、全身像でしかも突っ立ってる人たちが多いということ、かな。いろいろムンク的なアイテムというのがたくさんあって、こういうのって奈良美智とか同じような絵ばかり描く人と共通すると言うか、現代美術的なことなのかもしれないと思った。アイテムになじむと理解しやすい(海に映る満月とか)部分が多いことは事実。目の表現もある種のそれなんだけど。充実した。

お茶の水に出て昼食、ギターの弦を買い、お金をおろしてヴィレッジヴァンガードを探す。探し当てるのに相当時間がかかったが、結局何も買わなかった。神保町から三田線で日比谷に出、銀座を散歩して教文館エインカレムへ。(今までエレンカイムだと思っていたら全然違った)カードを二枚買ってカフェでカフェオレ。銀座線で三越前、半蔵門線で清澄白河で降りて東京都現代美術館へ。もう相当疲れていた。図書館で少し奈良美智を探し、その後カフェテリアでビールのジンジャーエール割り(カクテルの名がついてたけど忘れた)を飲んで、常設展を見る。いや、なかなか楽しい。企画展もそれなりのをやっていたようだけど、常設展がお得だ。岡本太郎の『太陽の神話』が見られるのはいい。真ん中の白いところが盛り上がってるんだということを始めて知った。

家に帰ってきてから気がついたが、靴がだいぶ痛んでいた。新しい靴だったのだが。この程度歩くと、つまり足が疲れるということは靴も傷むんだなということに今更気がついたクリスマスイブだった。

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by Luke Peterson

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