渋谷のライオン/人間には必要な違和感があるんだろう
Posted at 07/09/30 PermaLink» Tweet
昨日。昼過ぎに出かける。まだ食事をしてなかったので地元のどこかで食べようと思ったのだが、どうしてもトマトソースのものが食べたくて、ありそうなところをいくつか回った。結局駅のそばのイタリアンに入ったのだが、土曜の午後に男がひとりでイタリアンに入ってもどうも迷惑らしく、客あしらいはあまりよくなかった。でも注文してでてきたベーコンとトマトソースのスパゲティはとても美味しくて(熱くて口の中をやけどしそうになったが)我慢して注文した甲斐があったと思った。コーヒーはいまいち。
懸案にしていた渋谷に再び行く。九段下で半蔵門線に乗り換え、渋谷で宮益坂出口から出る。宮下公園に沿って道路の反対側を歩き、ガード下をくぐってファイヤーストリート(と昔は言ったが今も言うのか?)にでる。宮下公園では自衛隊の派遣に反対する人たちが集会をやっていた。こういうものを見るのは久しぶりだな。20人くらいか。
パルコに行く坂を上っていく。昔はこのへんはもう店とかあまりなかったよなあ、と思うあたりまで店が多くなっている。繁華街と言うのは成長するもんなんだなあと感心する。パート3、東急ハンズの前を通って坂の下に降りる。電話ボックス。ここの電話ボックスに昔財布を置き忘れたことがある。慌てて宇田川交番に駆け込んだら、ちょうど届けてくれた人がいて、助かった。お礼を、と言うと、いりません、と言って辞退された。懐かしい思い出。ハンズの下を宇田川交番まで行って、少し戻り、路地を上がる。山路愛山終焉の地の碑。以前からこんなところに、と思っていたが、その感がさらに強くなる。
パート3の角を曲がってスペイン坂を降りる。シネマライズは当時からよく来たが、その前はラブホテルだった。スペイン坂に人が増えて、さすがに商売上がったりになったのだろう。坂を下ると、「人間関係」や「大中」がまだあって、懐かしかった。下に降りると、ゼンモール。昔からあったな。センター街の方に歩く。このあたり、たしか始めて外で酒を飲んだところ。もう店はさすがに変わっている。センター街を少し歩くが、ちょっと怪しい雰囲気。90年代のチーマー全盛時代をちょっと思い出した。
戻ってきて東急本店通りに戻り、ブックファーストに入る。この店が出来た頃から余り渋谷に行かなくなってきていたのだが、この店も10月には移転するらしい。月日の経つのは早い。1階から5階まで本を見て回るが、ほかの書店であまり見ないものがあって結構面白い。外人も多い。
東急本店に入る。ブランド物の店が並んでいて、これは以前からそうだったと思うが、もっと強調されている気がする。文化村にでて、地下に下り、カフェドゥマゴに行こうとしたが席がふさがっていた。美術書の書店(なんて言ったっけ)を久しぶりにのぞく。こういうところにくると、ちっとも時間が経った気がしない。20年前とちっとも変わっていない気がする。文化村が、自分と渋谷との距離が一番変わっていない地点だなと思う。
道玄坂の方に出て昔よく行った店を探そうと、ホテル街に上っていくが、なんだか道の感じが変わっていて少し迷う。何とか百軒店に出るが、どの辺なのか少しつかめず。ここかな、と思う角があって曲がったら「ライオン」の看板が見えた。よかった。少し戻ったところで「喜楽」があるのを確かめる。今日は食べられないが、またタンメンを食べに来ようと思う。
久しぶりに「ライオン」に入る。うーん相変わらずだ。落ち着く。正面の座席につく。異様な椅子の凹み方も昔通りだ。ただ音がどうも不満だな。スピーカーの方を見たらCDが並んでいる。そうか、これはCDの音なんだな。SPとは言わないが、せめてLPのアナログレコードをかけて欲しい。バロックのいい音源だっただけに、その辺がちょっと不満。でもだいぶリラックスした。
道玄坂に出て、ヤマハの方に歩く。その前の、東急バスが出てくる出口。ここはその昔は玉電の駅にはいるところ。そちらの方を見たら、マークしティーにつながってることが分かった。なるほどね、これは便利になったものだ。昔は道玄坂から井の頭線に出るのにわざわざマイアミの角を曲がらなければならなかったのだけど、あそこはもう大混雑で大変だった。マークしティーと言うのはつまりは井の頭線の駅なんだから、超便利と言っていい。
もう一つ懐かしいところを探しておこうと、ヤマハの先を246の方に向かって交差点を曲がり、次の角あたりを左に曲がる。ギターを担いだ若い子が歩いているところを見ると、まだあるんだな、と思う。少し行って左に曲がると、あった。カフェ・ラ・ママ。懐かしい。クリスマスとか大晦日とか、ここで一晩明かしたこともあった。ライブハウスで一番行ったことがあるのは、ラママだろうなあ。
駅のほうに降りていって、マークシティーに入ってみる。これがまたあまりに分かりにくい構造でびっくり仰天。一体どこをどう通ったら目的地にいけるのか全然分からない。結局エレベーターで4階に上がり、駅のほうに歩いてようやく銀座線の乗り場に出た。渋谷は昔から分かりにくいことで有名な駅だが、それをさらに輪をかけていてなんていうか「渋谷らしさ」が増大していておかしかった。
銀座線に乗って帰ろうと思ったが、どうもなんだか不満だったので、銀座で降りる。銀座に来るとなんだかほっとするなあ。渋谷のごちゃごちゃした感じよりも落ち着くのはたしかだ。でも、若い頃から渋谷のあの感じというのは違和感があったなあということを思い出す。結構「好きじゃない街」だったんだよな。だから最近渋谷にあまり行かなくなっていたのだけど、敢えて行くようにしてみると、この「違和感」が私が渋谷に行く意味だったんだなあと思える。人間はむしろ、違和感の中で刺激を受けなければダメなのかもしれないと思った。最近気分転換に出かける街は銀座、日本橋、丸の内、神保町にほぼ限られていたのだけど、新宿などもなるべく行くようにしだしたのだが、新宿はなんていうか、自分にとって違和感があるというより、ちょっと距離がある街なのだ。渋谷が自分の中の混沌とか、自分の中に抱え込んでいる違和感のようなものと共振する部分がすごく大きい町なんだなと思う。
教文館でいくつか本を立ち読み。江原啓之の本の、政治家のオーラの分析が面白かった。吉田茂や佐藤栄作は「金のオーラ」があったが、今の政治家で金のオーラを持っている人はいないのだそうだ。金のオーラは「英知、信条、崇高な信念」をあらわすのだそうだ。それを読んで、自分はどうも「知」に頼りすぎる傾向があるのでそれ以外の部分を強化することに気をつけてきたけど、でも肝心な「知」が単なる「知」のまま何じゃないかという気がした。この「知」を、「英知」に高めるためにはどうしたらいいんだろう、と思った。松屋の地下で夕食の買い物をして帰る。日本橋の駅のキオスク?でSPA!を買う。買ったはいいが、なんだか読むところの少ない雑誌だな。
夜は千葉テレビでロッテX日本ハム戦を見る。行き詰る試合だったが、9回表に一挙に6点を入れ、その裏をマイケルが抑えて日本ハムが球団史上初の連覇を成し遂げた。そのためきのうからmixiでは日ハムのコミュばかりに書き込んでいた。
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