深夜の豪雨/自分の拠って立つ根拠があるから直観でものが言える
Posted at 07/08/25 PermaLink» Tweet
昨日。昼前から松本に出かけ、整体の操法を受ける。私鉄の時間が合わず、炎天下を歩いていったらちょっとぼおっとしてしまった。頭の調子は悪くないようで、少し安心。
帰りは電車に乗って帰る。上高地帰りのマナーの悪い観光客が多くて少々閉口。地元に戻り仕事場へ直行。昨日もわりあい忙しい。最終の特急で上京。車中は居眠りをしたり携帯でmixiに書き込んだり。PCを立ち上げないでも出来るというのは本当に楽だ。出先で暇なときに時間を解消するのにこれは使えると思う。
地元の駅で下車するまでは特に問題はなかったのだが、地下鉄の出口に行ったら人が密集している。あちゃー、と思ったが、やはりものすごい豪雨。あまりの激しさに、くるぶしまで漬かるくらい道路が冠水している。家に帰り着いたときには、鞄の中までずぶぬれ。上下全部着替え。頭まで濡れていた。折りたたみとはいえ傘を差していたのに。1時過ぎになってようやく雨がやんだので近くのampmに何か買おうと思って行ったら清掃で閉店。何だそれ。仕方ないのでローソンまで歩き、スーパージャンプとグレープフレーツジュースなど買う。クッキーの10月号が出ていたので立ち読みしたらなんと矢沢あい急病のため「NANA」休載。11月号も休み12月号から連載再開とのこと。う、楽しみにしていたのに残念。
30年前の知り合いからはがき。そのころのことをよく理解してくれた内容で、ちょっと嬉しかった。月刊MOKU2006年2月号の野口整体の記事を読む。野口晴哉のいった言葉で、「大事なのはまず黙ること」、という言葉が心に残る。自分の心を静めて黙すことで感じる働きが高まる、というわけだ。「最初に感ずることがある。そして思い考えるのである。……感ずることを失った生活は死だ」という言葉も本当にそうだと思う。と同時に、自分自身を思わず振り返る。
スーパージャンプ。「王様の仕立て屋」。mixiにもあったが、ちょっと絵が荒れてきた感じ。今回はパティシエっぽい話が多かったけど、ちょっと空回りしているというかノリが不完全燃焼の感じ。ちょっと「急病」になってしばらくエネルギーを充填した方がいいかもしれない。「バンパイア」なるほどこういう展開か。「ゼロ」香水が生まれたのもイスラム世界が起源で、イブン・シーナーが製油や植物エキスを蒸留によって抽出する技術を開発し、オイルに植物の香気を閉じ込めて薔薇水を作り、それが香水の起源になったのだという。勉強になった。「美少女いんぱら」……。「銀のアンカー」なるほどね。なんだかんだやっていたら寝たのは3時になった。
朝、8時前に目が覚めたのだが調子が上がらず実際に動き出したのは10時を過ぎていた。昨日濡れたかばんから中身を出してみると、買ったばかりの本やいろいろ書いたノートが濡れていて仰天。早速中身を全部出して乾かす。濡れた服の始末をしたり、まずは昨日の後始末からと言う感じになった。お昼頃昼食を買いにampmに行ったらレジ打ってもらってから財布を忘れたことに気がついてダッシュで家まで往復。そういう話が『働きマン』の4巻に出ていたが、マンガの登場人物がやったことを地でやってしまった。
ビックコミックを買う。「宗像教授異考録」忌部神奈の出てくる回はなんか盛り上がるな。「かむろば村へ」あはは。「単身花日」うーん。児童虐待を出してくるのかあ。ちょっとがっかりだなあ。安直過ぎないかそれ。結構期待していたのに。「遅咲きじじい」今回はいいな。神部幹夫というキャラがフランス人のじじいっぽくて可笑しい。最後の落ちは、ちょっと深いなあ。たしかに小林よしのり本人が言うように、この作品は最終的には名作になるような気がしてきた。最近「ゴーマニズム宣言」はあまり読んでないけど、「遅咲きじじい」は毎回読んでいる。「ファイブ」うーん、きついなあ。
テレビを見ていたら爆笑問題の太田の奥さんが出ていて可笑しかった。太田自身がよくネタにしているけど、ああこういう人なんだ、と思った。太田が心置きなく好きなことが出来そうなよく出来た?タイプの奥さんだ。なるほどね。
mxを見ていたら、「東京の窓から」で石原慎太郎と副知事になった猪瀬直樹が対談していて、文学論とかやっていて結構熱心に聴いた。猪瀬の、直観とか無意識というものを重視した姿勢が面白いなと思ったが、「自分の中によってたつ根拠があるから直観でモノをいえる」、という言葉は目から鱗が落ちた感じ。逆に言えば、よって立つ根拠が自分の中になければ、直観でモノを言っても無効だと言うことだ。全くその通り。
そうなんだよな。自分の中の拠って立つ根拠。それが何かということなのだ。子供のころからずっと、ある種の逆境にあることが多かったから、「とにかく何が何でも生き抜く」とか「何が何でも東京に行く」とか、そういうことを根拠にして生きてきたことが多かった。多分それは、それ自身が余り有効な根拠でなくなった最近まで、自分の奥底の根拠であったのだと思う。
「世界を知りたい」とかそういう根拠もあったが、いずれにしてもなんだかずいぶんだめになってきた。現実に妥協するというか、この仕事ではこのことをこう考える、みたいなものを受け入れ続けているうちに、「自分はどうなんだ」、という根拠、自分はどうなんだと言う意地のようなものが萎えて脱落して来てしまった気がする。
「業界の考え方」のようなものが最近どうしてもイヤだなと思うことが多い。職人の妥協を許さない生き方、みたいな意味での考え方は全然好きなのだけど、この位が一番うまく回るから、みたいなものかな、まあそういうことを私は一番考えてしまう方なのだけど、きっとだからこそそういうのが一番イヤな感じがしてきているのかもしれない。
特に最近イヤなのが、既得権益を侵されたことをぶつぶついうタイプ。般若心経を作家が現代語訳したことに文句をつける坊さんたちとか、塩野七生『ローマ人の物語』が影響力を持つことに対処しなくては、という歴史学者とか。歴史学者は同じ畑だからこそ、鼻につく。信仰は坊主だけのものではないし、歴史は学者だけのものではない。それを素人がいいようにハンドルする(専門家から見て)のを見て非難がましく言う裏には、専門家の良心だけではない、もっとどろどろしたものがあるのは明らかだ。ほんのちょっとだけかじった私でさえ、フランス革命のこととかあまり知らない人が知ったかぶりの口を叩くことにものすごくむっとすることがあるからそのあたりのことは容易に想像がつく。塩野の著作に問題があるなら、正面から批判したらいい。それも専門家の権威とかを振り回すのではなくて、紳士的に正々堂々とやればいいのだ。現代の日本の学者というのはそういうことが最低に下手な連中が多くて、そういうところが気分が悪い。
まあ塩野が世間でもてはやされ、自分たちがいくら問題があると発言しても誰も相手にしてくれないという傾向もやはり問題はあるけどね。学問に対する尊敬の念というものが日本では低すぎる。ただそれは一部は学者自身の責任でもある。社会が期待するだけのものを、学会が提示することが出来ず、特に一部の政治勢力の走狗にしかなってない人たちが人文・社会系統には多すぎるということもある。
ま、猪瀬の言葉に戻れば『自分の拠って立つ根拠』がしっかりしないから、自分にそういう意味での自信がないから、世間も学界もラッシュの電車の中で急ブレーキが踏まれたら全員こけてしまうような状態になってるということなんだろうと思う。自分ひとりでも踏ん張るという人が少なくなってしまったから、そうなってるんだろう。
人生後何十年残ってるのかは分からないが、その間に一体どれだけのことが出来るのか。最近自問自答していることが多い。
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