日本が右傾化したなんて嘘っぱちだった

Posted at 07/07/30

今日はどうも調子があまりでない。天気もはっきりしない。ちょっとした用事を片付けてはいるのだけど、何かに本格的に取り組む気合が出ない。困ったな。

参院選の結果について、まだ考えているせいもあるんだろうな。

一つ分かったのは、日本が右傾化しているなんて嘘っぱちだということ。自民党が勝つと、みんな保守化してるだの右傾化してるだのと騒ぐが、民主党が勝っても左傾化したとは誰も言わない。たしかに戦後民主主義は空洞化し、戦中の報国主義と並んで一つの強力な(しかしあまり中身のない)イデオロギーであった戦後民主主義は、一部の頭の柔軟性を失った人々を除いては過去の遺物になりつつあると思う。

しかしだからといって、明確な保守思想、右翼思想が蔓延しているかというとそんなことは幻想に過ぎない。昔なら、戦後民主主義の洗脳によって他の思想を受け入れるキャパがなくなっていた人たちが、洗脳が解けてきたことによってわりあい柔軟にいろいろな思想に理解を示すようになって来たに過ぎないと思う。そして割とその場限りの勢いに流されて、どんな思想にも染まるけれど、少したって流れが変わったらまた柔軟に新しい考えを受け入れる。つまり、どんな思想にも上書きされ得るような頭の状態に過ぎないのだ。

こういう状態の中で、思想を語るということは本当に砂上の楼閣を築くに等しい作業だと思う。小林よしのりが『攘夷論』を展開しているが、大変だなあと思うけれどもうあんまり付き合う気になれない。日本人は結局無思想無節操なんだと思う。

結局思想ではなく、行動の型とかしぐさの型、言葉の力、気持ちの行きかいのようなものが日本人を支えてきたんじゃないかという気がする。日本人が日本人であるために必要なのは、論理や思想ではなく型や言葉や気持ちのような手触りのあるものなんだと思う。

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