啖呵、掛け合い、不吉な予感
Posted at 07/06/29 PermaLink» Tweet
昨日は空き時間は小説を書いていたのだが、夜は気分転換にと読み始めた『NANA』にまたはまってしまった。今こちらにあるのは8巻から17巻までなのだが、デビュー前の前半とはまた違う面白さがあるということが読めば読むほどわかってくる。前半を読んでいるときはあまり意識していなかったのだが、登場人物の啖呵の切り方が実にかっこいい。特にナナとヤスだが。江戸っ子という感じ?
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で、それでいて大阪系?の掛け合いの面白さ、妄想暴走系のキャラの面白さなどもふんだんに取り入れているし、心理分析や心理表現もうまく、またキャラクターの脆さはかなさ、あるいは強さや時に見せる狂気、凶暴性なども上手く現されているし、それでいて少女漫画の基本のようなものをはずしていない。天才?みたいな?感じだが、作者の表現の業や商業性やいろいろなものが詰め込まれていて、やはりちょっと他にない作品になっている。この先ストーリーがどうなるかわからないが、本編にとっては未来にあたるところも少しずつ明らかにされていて、その手法もなんだかすごいなと思う。
昨夜はつい2時前まで読んでしまい、目が覚めたら8時半を回っていた。一仕事やり損ねた感じ。朝食のとき話をしていたらちょっと頭の芯がずれたのでまた『NANA』を読んで戻そうと思ったらまた読み耽ってしまった。
時間も余裕もそろそろない。とにかく書かなければと思う。
***
といいつつ、また読んでしまった。(馬鹿)
ただ一つ気がついたのは、次の巻への「引き」が基本的に「不吉な予感」で出来ている、ということだ。その「不吉さ」というのは乗り越えられる場合もあるし、通奏低音のようにずうっと続く場合もある。またいろいろな出来事が起こる中で動揺したり、乗り越えようという決意で乗り切れたりもする。ギャグっぽく書いているが、「魔王」、あるいは「運命」に翻弄される人間というテーマも意識的か無意識的にかはわからないがあることは間違いない。(魔王というのはもともと「ノストラダムスの大予言」の「恐怖の大王」のことだったはずなのだがもはや何なのかはわからなくなっている)
これは16巻までは読んでいても次の巻が読めるからすぐに解決するのであまり気にしてなかったのだけど、17巻は読んでも続きがわからないから、強く意識されたのだと思う。だから連載中からずっと読んでいればこの不吉さの通奏低音というのはもっとずっと強く意識されたんだろうな。この不吉さとか不安とか言うものに翻弄される人間たちを描いているからこの話は爆発的な人気を得たのだと思う。そのときどきの人間にできることとできないこと。限界、葛藤、昇華、トラウマ、沈潜、記憶、希望、野望、愛すること。
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