早慶戦と大学スポーツ/ドヌーヴとマストロヤンニの娘
Posted at 07/06/04 PermaLink» Tweet
昨日。疲れが出てぼおっとしていた時間が長かった気がする。なんとなく早慶戦を見て、時々他のチャンネルのプロ野球を見た。どれにも熱中できず。6回裏の慶応の攻撃で斎藤は4点を失ったが、これは慶応の試合巧者ぶりと早稲田がどうも浮き足立ったところ、斎藤自身の疲労による握力の低下によるコントロールの乱れ、というような感じで、慶応が快打連発というわけではなく、かえって斎藤という投手のすごさを見せられたような気がした。早慶ともにいい選手が多く、プロとも高校野球とも違う、日本のスポーツの原点である大学野球、というようなものを考えさせられた。
早慶戦は1903年に新興の早稲田が老舗の慶応に「挑戦状」を送ったことにより始まり、それが六大学野球に発展していくもとになったのだという。もともと大学(高校)スポーツでは一高が王者であったのが、私立の早慶に中心が移っていくことで大衆化も進んだのだろう。戦後もずっと大学がスポーツの中心だったが、徐々にプロや高校レベルに人気が移り、今では大学こそがメッカという部門は「箱根」をもつ駅伝競技くらいだろう。
そういう長い伝統を持つ大学スポーツは、旧制高校的な精神主義が今でも色濃く残っていて、そこがアナクロっぽくて面白いことは面白いのだが、「世界に通用するアスリートを育てる」という意味ではあまり合理的ではない。もともと大学スポーツはアマチュアリズムの権化であり、「人格形成に資するもの」であるべきで、高校レベルでは「指導者が選手を教育する」ものだが大学スポーツは「自らの人格を陶冶する」のが目的であるわけだから、あまりがちがちなものだと何だけど、最近の風潮とはまた違う意味で可能性のあるスポーツだと思うし、そういうものに触れていくことで「人格の向上」という半ば死語になったようなことが再び注目されるようになればいいことだと思う。斎藤投手などは全くそういう雰囲気を持っているわけで、期待される。
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UA『11』をマーケットプレイスで注文していたのが届き、早速聞いてみる。才能はある人だなと感じたが、ちょっと自分が今聞きたいと言うのとは違う感じ。特に、サウンド面ではすごく面白いものが多いのだが、歌詞的にはちょっとユルい感じがしてならない。いや、時々きらっと光るものも確かにあるんだが。
何というか、こちらの期待がちょっと大きすぎたんだなと思う。自分にとっての「失われた90年代」の音楽を少しでも取りもどす作業の中では、必要な試行錯誤だとは思うのだけど。また心境が違うときに聞いてみれば感想も違うかもしれないが。
これよりは多分フィオナ・アップル『タイダル』のほうがインスパイヤされるだろうなと思って久しぶりに聞いてみる。『タイダル』は最初聴いたとき、ちょっと自分の中に入ってくるものが多すぎて聴けない、という気持ちになったからだ。今回聞いてみると最初に聴いたときよりはだいぶ楽だ。ただやっぱり、どうしようもなく苦しい部分がある。何でこんなんだろうと思ってちょっとネットで調べてみると、12歳のときのレイプ体験から自傷や摂食障害を繰り返しているということが分かり、その異様な精神の緊張感と人格危機の状態からこういう音楽が発せられているのだということがわかった。
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それがかなりストレートな形で楽曲になっているところが彼女のすごいところなんだと思うが、今聞きながら囲うとしたらやっぱり途中で聴けなくなった。「苦しみ」というものを音楽にしたらこうなる、というものを聞くのは、やはり辛い。
そのフィオナ・アップルに影響を受けたアーチストには椎名林檎やアンジェラ・アキなどがいるが、私は椎名林檎はほとんど聞いたことがないのでなんともいえない。アンジェラはインディーズ時代のミニアルバム『One』がその影響がいちばん見られるけれども、少女時代に徳島の田舎町でハーフとしていじめられた経験などからフィオナの苦しみに共感する要素があったのだろうと思う。しかし基本的にこの人の声は前向きで明るく、華やぎがあるから、フィオナ・アップルのようにはなっていかないんだなあと思う。『One』をかけてみると、やはり救われる感じがある。
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ミクシイを見ていたらカトリーヌ・ドヌーブの話題が出てきたのでちょっとネットで調べてみると、マルチェロ・マストロヤンニとの間にキアラ・マストロヤンニという娘がいることを知った。マストロヤンニは私の中では世界で一番カッコいい男なので、彼とドヌーブの娘とは一体どんな人だろうと強く興味を引かれた。マストロヤンニは一度結婚し数々の女優と浮名を流したが、本当に愛したのはアニタ・エグバークとカトリーヌ・ドヌーブだけだと勝手なことを言ってたらしい。アニタと言えばこれも私がフェリーニで最も好きな『甘い生活』で共演している。『インテルビスタ』では老いた後の二人が出てきていて、その背景にはこんなことがあったのかとちょっとへえっと思った。ドヌーブとキアラはマルチェロが亡くなったときも看取ったのだといい、なんかそんな話があったとは知らなかったなあと嘆息する。
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で、キアラ・マストロヤンニの出ている映画を探していて見つけたのがマヌエル・ド・オリヴェイラ監督の『クレーヴの奥方』だった。ちょっとこれを見てみたいと思ってレンタル屋を3軒回ったのだが見つけられなかった。あまりメジャーではないようだ。
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で、ついでに本を物色して瀬戸内寂聴『秘花』(新潮社、2007)と『ぴあ』の6月7日号を購入。3軒目のレンタル屋でレンタル落ちしたビデオの安売りの中からウッディ・アレン監督主演『アニー・ホール』(1977)とフアン・ルイス・ブニュエル監督・カトリーヌ・ドヌーブ主演『赤いブーツの女』(1974)を購入。何だかたくさん買っているのはいいんだが、本当に心の底から動かされると言うものの一歩手前のものが多い感じがして、ちょっと不全感が残る。
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