日常雑記文学の源流

Posted at 07/05/23

咳き込んで睡眠不足ではあるのだが、逆に時間が出来てはいる。だからといって何でも出来るというわけではないが、普段よりも少し余裕を持って行動できて、普段では気がつかないことにも目が行くということはあるようだ。

『若草物語』のような少女向けの小説というのはほとんど私の守備範囲外なので、先日見たDVDが非常に強く印象に残ったのだが、本屋で『若草物語』の子供向けの本など立ち読みしてみると、いろいろ面白い。映画は原作はかなり長いのでかなりの場面がカットされているし、原作と変えてある部分がかなりあるということもわかるが、基本的には身辺雑記というか、日常のこまごまとした事柄がエピソードになっているわけで、現代日本のウェブ日記などはその延長線上にあるものかもしれないと思った。清少納言以来の伝統、みたいにこじつけるよりは、そういう日常文学の「ワタシ版」と考えた方が近いのではないか。

私は子供のころは現実の日常生活のことなんか全然関心がなかった。だから『赤毛のアン』とかで大騒ぎする男性がいるとちょっと驚いたが、日常雑記ものがウェブに溢れている現在から見ると、返ってああいう膨大な日常の集積のような小説の方が時代にあっているのかもしれないという気がする。

朝早めに家を出て東京駅の丸善に寄り、オルコット『続若草物語』(下)(角川文庫、1987)を購入。映画は話の途中で終わりになっているのでその続きを読みたいと思ったのだ。だがこの巻の始まりはベスとジョーのエピソードがあり、「死ぬのは恐くない」という映画の中でも感動的な言葉が出てきたり、また映画では全く出てこないローリーとエイミーのヨーロッパでのエピソードなども出てきて、そういう意味でも面白いなあと思う。


続 若草物語〈下〉

角川書店

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by Luke Peterson

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