枕/プシュケー
Posted at 07/05/20 PermaLink» Tweet
昨夜。やはり咳き込んであまりよく寝られなかったのだが、横になっているうちにかなり汗ばんでいることに気がつき、布団を夏がけに変えたらかなり涼しくなって、咳も出なくなった。
快眠★夢枕はかなりいい。最初は少し高さが高いかなと思ったけど、だんだん気にならなくなった。中身は綿と極小ビーズの混合で、頭の形に合わせて自然に形を変えてくれる。起きたときの肩こりの感じがかなり減った。横向きに寝ているときが一番感じがいい。枕と頭の間に隙間が出来ない、と夜中にボーっとテレビ東京の通販番組を見ていたときに言っていたけれども、本当にそうだ。首の辺りが変に冷えることがないのがよく寝られる理由かなと思った。
足枕が一つセットについてきているのだけど、これがどうも使い方がよくわからない。ねっころがっているときに少し足を高くしたいときなどにはいいかも。あるいは膝を少し高くした方が楽なときもある。尻の少し下に当てて尻を少し上げる感じにして腰を伸ばすのが気持ちいい、という使い方も出来る。
咳き込まない普通の状態で使ったことがまだないのでふだんどんな感じかは分からないが、この枕はけっこういいんじゃないかと思う。
***
『フランス妖精民話集』。「プシュケ神話」のカテゴリ。異類との婚姻、ということか。
「鍋男」。尻にいつも鍋をつけている男との婚姻。夜は鍋を取っている、とつい言ってしまったために、素裸で十字路の十字架の下に立ち、異形のものたちに話しかけなければならないという試練を与えられる。その試練をやり遂げ、幸せになる。アプレイウス『黄金のろば』に出て来るエロースとプシュケーの物語の形式。プシュケーが不完全で、なおかつ美しい娘であることが共感を呼ぶのだろう。そういう意味でやや近代的でもある。
「マルグリットの国」。猿の顔をして生まれた王子と結婚する娘。娘は王子の本当の美しい顔を見てしまい、王子はマルグリットの国へ去る。娘は苦労を重ねてマルグリットの国へたどりつき、王子と再会する。鍵のたとえ。古い鍵をなくしてしまったと思って新しい鍵を作ったら古い鍵が出てきた。どちらを使うべきか、という問い。みなが古い鍵を使うべきだといったためにマルグリットの国の姫と結婚が決められていた王子は晴れて娘を改めて選ぶ。
「信義の人イウァン・ケルメヌー」。冒険小説だな。借財のために死に犬に食われていた男をイウァンは救い、ちゃんと葬礼をやらせてやる。その後の危機を、イウァンはこの男に救ってもらうが、そのときに財産を半分渡す、と約束する。何もかもうまく行ったイウァンのところへ男がやってきて大切な宝である彼の息子の体の半分をよこせ、という。嘆き悲しむがイウァンは約束を果たそうとする。男はその覚悟に感じそれをやめさせ、昇天していく。旧約聖書の、神がアブラハムに息子イサクを犠牲に差し出せと命じた話を思い出した。
このカテゴリは三つとも少し手が込んでいる。ブルターニュとノルマンディの話で、やや幻想性が強いといえるかもしれない。出て来る海も、北の海の淋しい荒れた感じだ。
『フランス妖精民話集』、以上で読了。民話の原点のような話が多くて読んでいて楽しい。下手に新しい小説よりも、こうした作品の中に新しいものにつながるインスピレーションが隠れているのではないかという気がした。
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