スタイルシート/ティム・バーナーズ=リー/小室直樹『硫黄島栗林忠道大将の教訓』
Posted at 07/03/07 PermaLink» Tweet
スタイルシートの勉強し直し、ということで1999年に初めてホームページを作り出した頃に買ったアンク『スタイルシート辞典』(翔泳社、1999)を引っ張り出し、読み始める。css2.0の解説が書かれているのだが、現在とどのくらい代わっているのだろうという危惧を持っていたのだけど、あとでウェブで調べたら基本的にW3Cの勧告では2.0がいまだに最新で、実際に使われているのは2.1、3.0の開発が進んでいるという状況のようなので、ほぼこの時代からそんなには変わっていないらしい、とりあえず2.0を理解しておけばある程度は使えそうだ、ということがわかる。
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関係ないが、Wikipediaで調べていてW3CとはWorld Wide Web Consorthiumの略であるとか、WWWのハイパーテキストシステム(URLとかhtmlとかhttpとか)を「発明」したのがイギリス人のティム・バーナーズ=リーという人であるとか言うことを知って結構驚いた。こういうことって知っている人にはあたりまえのことなんだろうけど、みんな知らないで使っているよなあと思う。いわゆるノーベル賞ものなのだが、もちろんコンピューターサイエンスの部門にはノーベル賞はない。しかし大英帝国勲章『ナイト・コマンダー』を受章しているのだという。ビートルズみたいだな。しかしこの人、私より7歳しか上ではない。それでこんな明らかに世界を変えたことをやってのけたわけだから、すごい人だなと思う。
スタイルシートの勉強のために上記の本のサンプルのhtmlを打ち出してみた。それがこちらだが、htmlのファイル一つ(とgifもいるけど)でこれだけの表現が出来るというのはやはりすごいなと思う。ちなみにほんの指定どおりに打ち出してみたらpxとptの指定にミスが結構あってそれを見つけて修正するのも勉強になった。それが目的でわざと間違えたわけではあるまいが…
昨日帰郷。前の日に気になっていた小室直樹『硫黄島栗林忠道大将の教訓』(WAC、2007)を東京駅の丸善で購入し、電車の中で読む。久しぶりに小室直樹を読んだ(まだ読みかけだが)が、結構面白い。というか、やはり視点が独特で、しかしぶれないところがあり、異論がある人はいるのだろうが、彼の論理は論理として納得できるところが多い。彼は政治なり軍事なり経済なり宗教なり、普通の人にはわかりにくいことを常識の範囲内で説明することが天才的に上手だと思う。その本質をつかんでそれを説明に転換する過程で解釈とか言葉の用法の選択があるわけで、そのあたりのところはもちろん議論の対象にはなり得るが、細かいところはチェックだけしておいて先を読み進めると、そんな細かいところはどうでもいいような気がしてくるところが彼の筆力なのだと思う。
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硫黄島の玉砕をアラモ砦とかテルモピレーの戦いとかと比べていて、玉砕の敢闘精神を称えることがいけないことのようにアメリカナイズされた日本人は考えがちだが、アメリカ人だって古代ギリシャ人だって状況はもちろんそれぞれだが「玉砕」はしてるんだよな、ということを認識させられた。そしてそれが歴史のエネルギーになっているか否かがその後のその国の歴史を変えているのだとも思う。
まだ第二章までしか読んでいないが、硫黄島について、戦前の状況、現在の状況、第二次世界大戦中に硫黄島が置かれた戦略的な位置関係などを非常にわかりやすく説明していて、とても勉強になる。山本五十六の判断の誤りがミッドウェーの敗戦を招いた、とかちょっと私の知識では判断しかねる評価も提示されているのだが、そういう評価の問題はいくつか議論にはなりえるのだろうと思う。しかしそういうのって戦史の研究家同志でも熱くなって議論するようなことだから、私が立ち入るつもりもない。そういう意味で言えばまだWW2は現代史だ。
真珠湾から始まり、ドゥーリットル空襲、アッツ・キスカ占領とミッドウェー海戦、ガダルカナル戦とマリアナ沖海戦…と見ていくと、この戦争はアメリカにとっては紛れもなく太平洋の島々を巡る争い、すなわち「太平洋戦争」なのだということがよくわかる。だからアメリカがこの戦争をそう呼ぶのは至極正当なことなのだ。しかし日本にとってはこの戦争は単なる対米戦ではない。「大東亜戦争」というと、東亜=日満支だけでなく大東亜=東南アジアまで含めた範囲での戦争ということになるが、ハワイやアリューシャン、珊瑚海までの展開を考えるとその名前もあまり十分ではない。「アジア太平洋戦争」などという羊頭狗肉というかヌエ的な名称はもっと不適切だろう。
戦争の本質をめぐる問題はおいておくが、とにかくサイパン・テニアンを巡る戦闘(つまりマリアナ沖海戦)が日本の死命を決したというのは正しいだろう。そこからB29が日本に空襲をかけられるからだ。あまりちゃんと認識していなかったが、B29というのは当時としては考えられないくらい巨大な飛行機だったのだなということがはじめて認識された。「当時の感覚」というのが実に理解の難しいものだということはよく感じるのだが、小室はそういうことを説明するのが上手い。しかし日本側もB29を1000機打ち落とした、というのは初めて知った。(初めて知ったのでなんだか信じられないような感じもするのだが裏づけは調べていない)アメリカはサイパンからの中継点、不時着の出来る地点として硫黄島がどうしても必要だった、というわけである。硫黄島の戦闘の意義がよくわかる。読みかけ。
夜の仕事はまあまあ忙しく。12時には就寝。
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