アルコールを飲んで走る機械/商品先物市場の問題点/横田めぐみさん:「Song for Megumi」

Posted at 07/02/17 Trackback(1)»

昨日。午後から夜まで仕事をして、深夜帰京。車中では『商品先物取引』を読む。トウモロコシの需要が自動車燃料用のエタノール製造のために高まっているという話は最近よく耳にするので知っていたが、もともとT型フォードの燃料がエタノールだったということは知らなかった。戦争末期の日本軍飛行機もエタノールで飛んでいたものもあったという。(松根油というのは聞いた覚えがあったが)ブラジルでは100%エタノールの自動車の生産が7割を占め、アメリカでも州によっては85%エタノールの車が走っているそうだが、日本では石油連盟の反対で3%までの混入しか認められていないのだそうだ。ハイブリッド車など環境対応の先進化はいいが、エタノール車の研究も進めておかないと携帯電話のような世界標準との違いで遅れを取る事態にならないかと少し憂慮してみた。エタノールなどのバイオ燃料も日本国内ではそうはたくさん生産は出来ないが、そういう世界的な傾向も見誤らないほうがよいのではないかと思う。「アルコールを飲んで走る機械」だな。

『商品先物取引』という本が面白いのは、個人客向けに商品取引の入門編としての説明があるだけではなく、商品取引業界の問題点など、今後改善が求められる点と改善案が示されているところにある。日本の商品取引市場では、当業者、すなわちその商品を実際に取り扱っている業者の参入が少ないのだという。つまり、たとえばプラチナを市場で調達はするが、プラチナの相場に参入はしない、ということだ。それは、今までの「商品先物はあぶない」という悪印象が強すぎるからなのだという。その結果、市場参加者は商社と個人だけになってしまい、情報が圧倒的に多い商社が個人客に勝ち続けているという構造になってしまっているのだという。これは日本だけの特異な現象なのだそうだ。

当業者が先物相場に参入するメリットは、価格のヘッジにあるのだという。つまり、現物を所持していると価格変動により思わぬ損害を被ることがあるし、また必要なときに市場で調達しようとすると思わぬ高価格で予算オーバーになりかねないのだが、先物市場でリスクヘッジすると価格変動リスクが最小限にとどめられるということなのだそうだ。リスクヘッジということは相場的には必ずしも勝つ必要はないので、それだけ個人客にも勝つチャンスが生まれ、相場の健全化にもつながるのだという。私もまだ完全に理解したわけではないが、結局既に取引もネット化され、昔のどろどろした印象とはかなり違うようになってきているようだし、産業のきちんとした成長のためにも市場の規模を拡大していくことは必要なのではないかと思った。そのあたり、政策的な誘導がもう少しあってもいいのではないかと思うのだが、さてどんなものか。読了。

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いつも土曜日は疲れて使い物にならないことが多いので、早めに寝ることにして昨夜は早めに寝た。起きたら7時。少し早すぎたか。いろいろやったのはいいのだがどうも何だか負のエネルギーが強いと言うか、陰か陽かというと陰の方の感じがどうも強く出ていけない感じがした。仕事の締めがひとつ残っていてそれを片付け、郵便局に行って投函。そのまま丸の内に出る。本を物色していたのだけどどうもいいアイデアが出ず。おなかが空いているからかと思い、オアゾの5階の『えん』で昼食。鯖の柚子味噌煮は美味しく、ご飯をお替りした。少し落ち着き、読もうと思っていながら最近読んでいなかった本を読むことにし、キヨサキ『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』を買った。フリーペーパーの『5L』をくれたので読んだらメインは角川春樹のインタビューだった。最近角川氏はよく取り上げられているが、昔よりなお一層焼きが入った面構えになっていてすげえなと思う。日本橋まで歩き、プレッセでリッタースポーツのラムレーズンを二つ買って帰る。

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電車の中で『5L』を読み、家に帰ってからリッタースポーツをかじりながら『金持ち父さん』を読んでいたが、どうも眠くなって寝てしまった。気がついたら7時を過ぎている。何だか結局一日が余り使い物になったとはいえないが、目が覚めたら何だかずっと元気が出ていて、ブログも更新しようという気が起きた。ニュースを見ていたらPPMのポールが来日し、横田めぐみさんをテーマにした『Song for Megumi』を横田さん夫妻や安倍首相の前で歌う予定があり、またCDも21日に発売されるというニュースをやっていた。迂闊なことにその話を知らなかったのでネットで調べるといろいろ出てきた。

ABDUCTION(予告編、YouTube)

ポール・ストーキー氏来日のニュース(NHK)

同じく朝日新聞の記事

しかしどういうことか、amazonでリンクを貼ろうとしたのだがまだでてこない。来週発売というのにどういうことだろう。メジャーレーベルからではないということだろうか。一刻も早く手に入るようにしてもらいたいものだ。

それにしても、いろいろ読んだり見たりしていると、また涙を流さずにはいられなかった。PPMというと反戦歌手、つまり左翼的なイメージが強いが、日本の左翼とは違い健全な部分は健全なんだなと思う。ネットでいくつかこのニュースに関する言説を読んでいて初めて気がついたのだが、めぐみさんのこと、拉致問題のことを歌で訴えている歌手が日本にいるだろうか。それはやはり少し情けないことではないだろうか。こんなことまでアメリカに頼らなければならないのだろうか。心の底から訴える手段に歌がある、ということをアメリカの歌手に教えられるということはどういうことなのだろうかと思わずにはいられなかった。

あまりにも切実で、歌にすることもできない、という感じは分からなくはない。自分でもそうだけど、やはりこの問題に触れるたびにどうしても身を切られるような辛さ、悲しさを感じずにはいられない。普段は忘れて過ごしてはいるのだけど、思い出すとどうしようもない思いに駆られてしまう。音楽関係者にもそういう人はいるだろうと思う。

とりあえず、ビッグネームがこの問題を訴えることに参加してくれたことを感謝すべきなのかもしれない。6ヶ国協議の会場でこの曲を流すことができるように、あるいは北京やソウルでもこの曲を流すことができるように、そして平壌でもこの曲を流すことができるようにしていけたらいいなと思う。

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