死を想起させる書物/とかちつくちて/骨ボルト/日銀政策決定会合
Posted at 07/02/20 PermaLink» Tweet
昨日。12時頃出かける。新宿まで。車中、『食べる西洋美術史』を読む。
中国や日本には書という芸術があって意味と美を同時に伝えることが出来たが、ヨーロッパにはそれがないので図像に意味を込める(百合が純潔や聖母を表わすとか)寓意画が発達したという説明は非常に理解しやすい。ヴァニタス画はこの世の生の空しさを描き、永遠を求めることを進める絵だが、その中で骸骨や空瓶と並んで書物も死を想起させるもの、「メメント・モリ」として扱われているというのははじめて知ったが、言われて見たらそういう場面に書物はよく描かれているなとは思った。
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フランスやイングランドでは野菜は農民の食べ物として蔑視されてきた、というのはちょっと驚くがへええと思う。「ボラを取るものはボラを食べない」、ということわざがあったり、分不相応な宮廷のご馳走を食べた農民が死ぬという芝居があったりもしたそうで、食というものが明確に階級に関わるものだったという指摘は面白いなと思う。読みかけ。
新宿で紀伊国屋書店で少し本を物色したあとカフェ・ユイットへ。開店の1時半と同時に入店したら口開けの客だったが、もう一組中年のご婦人達が入店。結構年齢層の高い人たちにも評判がいいんだなと思う。ビーフシチューとコーヒーを注文し、昼食。値段は高いが落ち着くのは何より。店においてある昔のアート系の本を読み漁る。これが一番この店に来て楽しみなこと。加藤唐九郎の『原色陶器大辞典』があってこれはいろいろと読みがいがあった。陶器にかかわることというのはいろいろ分かっていないことが多いんだなと思うが、興味深い。
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この店は本当に落ち着く。ときどき携帯電話で喋ったりする人がいたり、煙草を吸う人がいたり、パソコンで作業する人がいたりもするが、何だかその場になじんでいて普通の店だと結構イヤだなと思うことがそんなに気にならない。何でも飲み込んでくれる雰囲気があるからなんだなと思う。1時間近く過ごしたが店が結構込んできたのでトイレに行って出る。トイレに張り紙がしてあって、3月から営業時間が3時からになるという。そりゃないよセニョール。結構盛っているけれど、人手不足なんだろうか。それ以外の理由があるのか。3時以降だと結構込んできちゃうから、昨日みたいな落ち着いた時間のすごし方ができるかどうか。
3時過ぎ家に帰着、いろいろ作業。作業の過程でまたいろいろ見つける。一番面白かったのは「とかちつくちて」かな。XBOXのゲームに『アイドルマスター』というのがあり、その中で『エージェント夜を行く』という歌を歌う(自分の持ち歌じゃない歌手が)なかで「溶かしつくして」という歌詞が舌っ足らずで「とかちつくちて」になる、というつまりはどうでもいいネタに多くのゲーマーが熱狂し、低迷していたXBOXの売り上げを急進させた(らしい)という話が、ネットに渦巻く煩悩とか申そうとかの持つ圧倒的なパワーというものを再認識させられた。しかし、この曲結構良くて、カラオケとかでも歌ってみたい感じさえする。このゲームを作った人も相当な情熱を持ち、才能をつぎ込んで作っているという感じがとてもしてすごいと思う。
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夜は来年度の仕事に関する仕事をしたりメルマガを書いたりしていたら1時になってしまった。
朝のNHKニュースで気になったものをいくつか。
自家骨でボルトを作り、それで関節を固定するという技術が島根大学で進められているという。これは面白いなと思う。よく知らなかったが自家骨移植の技術というのはずいぶん進んできているらしい。
放置されたプレジャーボートを原料にして燃やして建設材料を作ったり熱を発電に再利用したりする計画が東京都で進んでいるという。これは国土交通省で進められているようだ。人民日報を引用するというのもなんだが。(元ネタはアサヒコム)
茨城や栃木で半鐘盗難相次ぐ。私の郷里では火の用心のときなどときどきかんかんと鳴らされているが、全然使われてないところもあるんだな。中国では銅が非常に不足しているらしいから、何人かは知らないが最終的には中国に合法にしろ不法にしろ輸出されているんだろうと思う。こういう行儀の悪さは困ったものだが。
今日明日が日銀金融政策決定会合。これがこんなに注目されるようになったのは、先月政府の側が相当圧力をかけたからだが、今月はあまり圧力がなさそうで、利上げはあるのではないかという気がする。が、さてどうでしょう。
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