ありがちな問いへの微妙なずらし/通じがよいという快感
Posted at 07/02/10 PermaLink» Tweet
ええっと、話の方向性を変えて。
深夜に帰宅する前に地元のローソンでビックコミックの新しい号が出ていたので買う。特に面白いと思ったのは『ファイブ』と『宇宙家族ノベヤマ』。
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この作品は、掲載が始まった頃はあまり面白いと思っていなかったのだが、読んでいるうちにどんどん引き込まれてくる。奇想天外な宇宙人に出会って交流していく様子がとても面白いということもあるが、その出会いによって人間とは何かとかそういう問いが発せられている。その問いもある意味ありがちではあるのだけど、その答えは必ずしもありがちではない、というか少し微妙な「ずらし」があるような感じがする。たまにしか掲載されないから実はまだ10話なのだ。コミックスは28日に発売されるというが、何話まで収録されているのだろう。
『「陰」と「陽」の経済学』を読み終えたあと、近藤雅世『商品先物取引』を読み始める。この本を読んでいると何だか相場の世界に引き込まれていくような感じがする。面白いのだ。今まで株式相場とかいろいろな本を読んだことはあるけれども、何というか一番「へええ」と思うことが多いような気がする。投資の分析方法にファンダメンタル分析(その会社の業績とか市場傾向とか国際環境とかを調べて方向性を推察する)とテクニカル分析(価格の値動きのパターンなどを読み取る)、市場プレイヤーの内部要因分析(決算期が近いから財務担当者はこう売買行動を行う、など)の三つがあるわけだが、それを「ファンダメンタル分析は「市場で何が起こるはずか」に焦点を置き、テクニカル分析は「市場で実際に起きていること」に焦点を置き、内部要因分析は「市場内のだれそれがどうした」というプレイヤーの動向に着目する」、と説明しているのには目から鱗が落ちた感じがした。そういう説明が実に分かりやすく納得できるのだ。
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こういう説明のしかたというのは作者の個性や理解の整理度によるところが大きいと思うのだけど、私は「説明のうまい人」が好きだし、自分も「説明がうまくなりたい」と思う。「うまく説明する」だけでは本質が深まらない、という批判を私などは受けることがあるのだが、そんなことはないと思う。うまく説明されるということで圧倒的にイメージが広がるし、そこから新しいもののヒントが生まれたり、本質を追究するための手がかりが見えやすくなったりする。「うまい説明」というのは要するのそういう「理解における渋滞の解消」なのだ。そういう清掃行動というか「通じのよさ」のようなものが私にとっては直接快感につながる。(……って、誰にとってもって、必ずしもそうでもないのかな。少なくとも私にとっては求めるべき大きな快感ではあるのだが。まあ通じることがよろこび、ということは人によってはないかもしれないな。溜め込むのが好きな人にとってはあまり通じてしまったら迷惑なのかもしれない。以上ひとりごと)
まあそういう意味で、この本は非常に「通じのいい」本だ。……書きながら思ったが、私がいいと思う本、推薦する本、推奨する本は(同じだ)、そういう「通じのいい本」になってくるのだと思う。まあ私の文章も、そういう志向性をもった人間の書くものだと思って読んでいただくと参考になるのかもしれない。
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