尺八奏者と呼吸法/ビジネスと高邁さ
Posted at 07/01/24 PermaLink» Tweet
昨日帰郷。やることが押せ押せになって上手く片付いたかどうだか、といううちに家を出て東京駅へ。しかし行ってみたらわりあい余裕があったので丸善で本を物色。朝、甲野善紀氏のサイトで読んだ尺八奏者の「密息(みっそく)」という呼吸法に興味を持ち、そういえば丸善で見かけたということを思い出したからだ。3階の文庫・新書のコーナーで中村明一『「密息」で身体が変わる』(新潮選書、2006)を買う。巻末の参考文献をぱらぱら見ると甲野氏等の身体論関係の本が並んでいて、これで間違いないだろうと確認。
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駅構内で『牛肉ど真ん中』を買って中央線に乗る。中央線と特急の車内でずっと読んでいたが、なかなか面白い。密息という呼吸法は知らなかったが、なるほどと思うことは多い。しかしやってみると、これは案外難しい。骨盤を立てる/寝かせる、あるいは緩める/ひきしめるというのは寺門琢己『男も知っておきたい骨盤の話』であるとか『デューク更家の1分間ウォーキングスーパーセラピー』(ちょうど手元にあるのでこれを上げておく)などでも取り上げられているかなり重要な問題なのだが、中村氏は日本人は最も骨盤が倒れている民族だといい、それに応じて日本人の身体技能が発達してきたが、それは骨盤を立てる体系の西欧人とは全く違う身体文化であって、密息という呼吸法もまた骨盤を倒すことによって可能になる呼吸法だということだった。
この呼吸法が自分にどのくらいあっているのかよくわからない。呼吸は意識と無意識の境目にあるもので、意識してもできるし無意識でもしているものだから、身体について探求していく上では重要な要素だということは齋藤孝だったかの著作で読んだ。甲野氏はだからこそ技の説明の際に呼吸については触れない、という姿勢を持っていると書いていたけれども、中村氏との対談で中村氏の尺八がどこか遠いところで吹かれているように感じ、その呼吸法について驚いたことから呼吸についても考えなければいけないかもしれない、と書いていた。甲野氏の技は今のところ私にとっては単に神業で、とても真似のできないことだと感じているが、密息というのも上手くできないと変なことになりそうなので気をつけなければいけないと感じている。
ただ日本人特有のたたずまいの静けさとか、そういうものを身につけるには密息は重要だ、というのはわかる気がする。いずれにしろさまざまな身体論でよく出てくる「深部筋」というものが密息においては重要で、自分でやってみた限りでは深部筋の衰えが一番もろに反映されるのはこの呼吸に関してなんじゃないかという気がするので、なかなかハードな感じがする。四股踏んで摺り足の練習するとかした方がいいのかもしれない。というか尺八吹けばいいのか。ってそう簡単にできるものではないが。
ただこのへんの呼吸法も、演劇をやっていたころに練習していたさまざまな呼吸法(私がいた劇団では当時からそういう東洋的なものを稽古に取り入れていた)との共通性があるような気がするので、試行錯誤しているうちにわかってくるのかもしれないと思う。
『金もち父さんの起業する前に読む本』は読了。いろいろな点で面白いなあ。安っぽい客を相手にするな、というコメントは全くそのとおりだと思った。トラブルを持ち込むだけで売上にはつながらない、そういう客はなるべく上手にお断りするに限る。そして値段の安さを売りにするとどうしてもそういう客がたくさん集まってきてしまうのだ。そういうことをするのが好きならともかく、そうでないならそういうビジネスはなるべく避けたほうがいいと思った。まあそのあたり、いろいろ難しい部分があることはよくわかるのだけれど。
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このシリーズはなんというか、物語形式のハウツー本で、題名から受ける印象よりもずっと深いものをこの本は語っているし、その理想も実はかなり高邁だし、人間の本質に迫る、それも文学や哲学からではなく、「実社会」における人間の実態というものを踏まえたうで使命や理想について語っているので非常に共感する部分が多い。ビジネスというのはほんとうにある種の高邁さがむしろ必要不可欠の面があるのだということは私の今までの経験からは想像の域外にあったので、ある種のコペルニクス的転回を感じた。
今朝起きたときは寒かった。朝やらなければならない仕事があったので職場に出かけ、そのついでにスーパージャンプの新しい号を買ってきた。『王様の仕立て屋』はだんだん面白くなってきた。『バーテンダー』も意表をつく展開。『銀のアンカー』も予想通りといえば予想通りだが、逆にそういう意味で続きを読みたい感じ。その他はまだ十分読み込んで(笑)いない。
今もコーヒーを飲んでいるのだが、最近コーヒーが美味しく感じられる。美味しいのはいいのだが、なんだか飲みすぎている感じもするのだが、いいんだろうか。少しでも飲みたくないときは惰性で飲むのはやめた方がいいんだろうな。
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