早く起きる/嫉妬されない男/作家性の高い作家
Posted at 06/11/06 PermaLink» Tweet
昨夜は疲れて早く寝たので朝目が覚めたらまだ4時半。腕の疲れが残っていたので左右両方とも腕湯をして見たらだいぶ疲れが抜けた。そのぶん頭もぼおっとしてしまったが。こういう措置は寝る前にやるべきことだ。
ごみを捨て、散歩に出て、志演神社にお参り。まだ暗い。ウールのジャケットの下にウールのベストを着て出る。この服装だとまだすこし暖かすぎる感じ。神社の前で落ち葉を掃いている人がいた。小声でおはようございます、といったらびっくりしたようだった。暗い中、お参りに来る人などそんなにいないのかもしれない。
忙しいとろくな文章がかけない、というのはちょっと実感。この場合の忙しさ、とは気持ちの問題という部分が大きいけれども。時間は少しあったので『読書三昧』に10作品アップ。こういう単純作業が実は結構大変だ。内容自体は昔書いたものなのだが、それを探し出し、選び出して、それをhtmlにしてアップしてトップページを更新し、アクセス解析などの調整をして…とやっていると、一作品あたりどのくらいの時間がかかるのだろう。今度時間を計ってみよう。結構かかっているはずだ。新しい文章を書いてブログにアップするよりむしろそちらの方が手間かもしれない。
『嫉妬の世界史』読了。杉山元や寺内寿一が「嫉妬されなかった男」として取り上げられていて、ふうん、と思う。二人ともどちらかというと印象のよくない人物なのだが、同時代ではそうでもなかったということだろうか。もうひとつ、スーダンで戦死した常勝将軍・ゴードンとエジプト領事・ベアリングの対立も興味深かった。ベアリングといえば1995年にデリバティブの失敗で倒産した名門銀行だが、その一族の祖先である。イギリス人でもゴードンやあるいはロレンスのようなタイプもいれば、ベアリングのようなタイプもいる。そのあたりは興味深い。帝国主義華やかなりし頃、の話ではあるが。
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昨日の夕方、気分転換に駅前に出て、本屋に入ると大河原遁『王様の仕立て屋』12巻(集英社、2006)が出ていた。ちょうどスーパージャンプを毎回買うようになる前後のあたりのところで、これで全部の話を一度は読んだということになる。内容はパリが舞台で主にフランス服、パリの生き馬の目を抜く業界の話、など。このあたりのギャグや話の冴えはさすがだなあと思わされる。一度は読んだはずなのにまた笑わされたところが何箇所もあった。この作家は才能あるなあと改めて思う。
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近藤ようこ『春来る鬼』を『読書三昧』にアップしていて、昔の文章を読んで、とても感動したことが書いてあったのだが、内容が全然思い出せないので、なんだかそれも詐欺みたいだなあと思い本棚をひっくり返して読み直してみた。内容としては『仮想恋愛』のころ(最初の作品、確か大学に入ったばかりの頃に読んだもの)のものに近いが、それよりは絵も構成も複雑であった。『仮想恋愛』はあの頃の私にとって、高野文子の『絶対安全剃刀』などと並びある種のバイブル的な本だったのだが、まあ聖書というよりは聖書外典とかそんな感じかもしれない。
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今読むと、そのときと同じように感動はしないが、ああこの人はこういう世界のこういう作品を書いていたよなあと改めて思う。あまりに生々しいので中世の説教節を舞台に書いた『小栗判官』などの方が私は素直に好きだが、最近また現代を舞台にした作品を描いている。ビックコミックに連載した『兄帰る』などはこれもまた近藤らしい作品。なんというかどの作品も近藤ワールドなのに、どれもみな違う作品というのもやはり凄いことだなあと思う。作家性の高い作家、というべきだろう。
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