ハタラキ/『働きマン』/安倍総理中韓歴訪/田中真紀子は『過去の武器』
Posted at 06/10/08 PermaLink» Tweet
昨日。世の中なかなかうまく行かないなと落ち込む。一日くらいきっちり落ち込まないと私のようにいい加減なタイプはだめだなと思ったので落ち込んでいてみた。何が見えたというわけでもないが、結局動いてみないと何も動かないということだけは思う。世の中なかなかうまく行かない。ただ、考えているときより働いているときの方が自分自身が多くのものを得ていることは事実だなと思った。
「はたらく」という作用。何かが少し動いたり、何かが何かに変化したりするように、いろいろやってみたりやりぬいたりすること。お金が生まれるようなハタラキは苦手だが、お金が生まれないけど楽しいハタラキはずいぶんしてきたよなあとは思う。逆にお金が生まれるようなハタラキはちっとも楽しくなかった。ちっとも楽しくないけどお金も生まれないというハタラキもそういえば結構した気がする。お金が生まれて楽しいハタラキが一番なのだが、世の中なかなかうまくは行かない。
まあ昨日はそういうわけで落ち込んでいたのだが、安野モヨコ『働きマン』3巻(講談社、2006)を買おうと本屋に出かけたら城アラキ原作『バーテンダー』6巻(集英社、2006)も出ていたのでマンガを2冊買った。『働きマン』はずいぶん重厚なテーマが多くて、とても読み応えがあった。今までの三巻の中でも出色ではないか。漫画家担当の編集、作家担当の編集、失恋、新しい試みとその失敗、植木屋、政治家…安野モヨコが取り上げればそれだけで絶対面白くなるのは確かなのだが、今回はものすごくその世界を広げていて、その苦闘が強く伝わってくる。大丈夫なのかなと彼女の作品を読むたびに思うのだが、ゴッホとかモディリアニの作品を見るような「大丈夫かな」感にいつも衝撃を受ける。大丈夫かもしれないな、ご主人が「カントク」だし。『バーテンダー』6巻はスーパージャンプで読んだ内容になってきたので二度読みなのだが、最初の葉巻のストーリーはとてもよかった。
働きマン 3 (3)講談社このアイテムの詳細を見る |
バーテンダー 6 (6)集英社このアイテムの詳細を見る |
ふつふつと断片的にいろいろなイメージがわきあがってくるのだが、明確な形を伴ったものになっていない。もう一度立ち上がったときにどういうものを作り出すのかもまだ分からない。
***
政治について少し書こう。安倍内閣のさまざまな動き。何が起こっているのかよくわからなかったのだが、こちらを読んでだいぶ納得した。小泉内閣に比べるといろいろと読みにくいところが多くて困るのだが、本来政治というものはそういうものだろう。首相官邸でもいろいろ発信するようになったが、マスコミが予断を以てまとめた記事よりも、政治家たち本人が喋る言葉にもっと集中していかないと本当の動きを読みそこなうようになりそうだ。それにしても菅直人も田中真紀子も、もう完全に「過去の武器」、過去の政治家だなという感を深くしている。訪中・訪韓前に首相に対し中国や韓国に貢物的な質問をするところなどどうにもならない。ただむしろ、安倍首相はそれをうまく利用して中国や韓国へのメッセージに使っているという印象を受けた。どうも役者が違うということではないかという気がしてきている。
本屋で雑誌の表紙を見ていても思うが、保阪正康にしても立花隆にしても、全く時代遅れというか、つまりは日本史は勉強しても世界史の勉強が全く怪しいという本当に古いタイプの作家でありジャーナリストなのだなと思う。小泉政権のあいだにそういう古いタイプが炙り出されてきて、安倍政権のうちには完全に彼らが消滅する、そういう時代の流れを感じる。ある意味、彼らの歴史的な役割は終わったということなのだろう。韓国も中国も、結局安倍首相に振り回され、その対応に汲々としている感じだし、いわゆる戦後派・親中派の分子は「使い捨て」られつつあるのだろうと思う。まあ彼らはリサイクルは下手そうだが、使えるものは何でも使う姿勢は変わらないから、ゾンビのようなものを拾い上げることがこれから先ないとは言い切れないけれども。
書いているうちにだんだん安倍内閣に対する期待感が蘇ってきたな。今日明日の中韓訪問でよい成果が上がることを期待したい。
『読書三昧』もよろしくどうぞ。
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