方向を絞る/人間は意味のあるもの
Posted at 06/09/11 PermaLink» Trackback(2)» Tweet
昨日。体調はだいぶ戻ってきた。ただまだ怪しい点があったので、なるべくゆっくり過ごすことにする。昼過ぎに用事があって大手町に出かけたが、失望して帰って来る。いろいろ考えさせられたが、いろいろなことを考え合わせるとこの方向ではだめだということにならざるを得ない。ひとつ選択肢が減ったので、もうひとつの方向に全力を傾けるべきだと思う。この方向は最初から自分にふさわしい方向だとは思いつつ、あまりの漠然とした感じのゆえに避けてきた方向なのだが、だいぶ見えてきたし、何しろ自分が何かをやり切れる時間がそんなにあるわけではないから、とにかく頑張るしかない。やるだけのことはやる。
丸善で『文学界』10月号を買う。この号は結構メジャーな人が書いているのだが、関心があってきちんと読んだのは今のところ佐藤優「私のマルクス」だけ。佐藤という人のセンスというのは私には納得できるところが多くて、共感しやすい。人間の強さにも、弱さにも。
文学界 2006年 10月号 [雑誌]文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
東京駅の八重洲口に歩く。北口の前にブックストア的に広がっていた栄松堂が駅改良工事の影響で店じまいしていて、もとからあったところだけになった。そこでSAPIOとビックコミックの新しい号が出ていたので買う。コンビニで買ってもいいようなものをこういうところで買うと持ち運ぶのが面倒なのだが。
SAPIOはいろいろと面白かったが、手嶋龍一と佐藤優の「スーパーインテリジェンス対談」が面白い。情報関係者どうしの会話というのはあまり読んだことがないが、かなりポイントをついたところがある。現場の職人というか、ある種の驚異的な視覚の広さと、それに対してあれっと思うような視野の狭さが同居しているのが情報関係者というものだなと思う。そこが学者や政治家とは違う。
書評ページでは小島一志・塚本佳子『大山倍達正伝』(新潮社)の紹介が面白い。大山が朝鮮半島出身だということは聞いたことがあったが、伝説の部分と真実の部分のミックス具合が非常に興味深い。戦後日本で民族運動に参加し、「在日朝鮮建国促進青年同盟」の「戦闘隊長」として「在日朝鮮人連盟」(現在の朝鮮総連)と体を張って戦った、というのは80へえだった。(古)小林よしのり『ゴー宣・暫』は靖国問題。サフランシスコ条約11条解釈の問題を徹底的に書いている。東京裁判批判の保守政治家の側からの抑圧を「60年安保のころから」としているのが正確かどうかは分からないが、保守政界でいつのころからか「反米」を徹底的に嫌う空気が醸成されたというのは事実だろうと思う。
もうひとつ面白いなと思ったのはディアーヌ・ベルトラン監督『薬指の標本』の紹介。このフランス映画の原作が小川洋子なのだという。9月23日からユーロスペースで上演するらしいのでちょっと見に行きたい。
ビッグコミックはどの作品も面白い。バスケット漫画の「ファイブ」がだんだん佳境に入ってきた。業田良家『男の操』の引っ張り方が相変わらず凄いが、これがなんだか『自虐の詩』以来の感動巨編になってきている。一体どこまで行くのか、想像がつかない。
アルヴォン『無神論』読了。ニーチェのあとでカミュとサルトルを取り上げているが、カミュの方がなんとなく好感をもてるのに対し、サルトルはちょっとどうも。「この世界の中のあるものは意味をもっている。そして、人間こそ意味を持つことを要求される唯一のものであるから、それは人間である。この世界は少なくとも人間という真理をもつ。それは人間以外の根拠をもたないし、もし生についていだく考えを救おうとするならば、救い出さなければならないのは人間である。」という言葉は、人間の絶対的な弱さにおいて人間を救い出そうとしているように思われる。この考えと神という考えのあいだには無限の距離があるようで、実はそう遠くないようにも思われる。
この本はだいぶ考えさせられたが、教養の世界の無限の広がりのようなものを感じさせられた。勉強しなければならないことは多く、人生は短い。
朝方は雷鳴が鳴り響いていたが、だいぶ晴れて暑くなりそうだ。今日も30度を越えるのではないだろうか。
『読書三昧』、以下の4作品を追加しました。
レールモントフ『現代の英雄』
絲山秋子『沖で待つ』
保坂和志『季節の記憶』
C.S.ルイス『馬と少年』(ナルニア国物語5巻)
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from 【ネット右翼】或る団塊Jr.の徒然日記 at 06/09/11
昨日(7日)の17:00過ぎにSAPIO編集部に電話しました。 漫画家の小林よしのり氏がSAPIO9月27日号の自著 「ゴー宣・暫」の中でネット保守との共闘を求めた。 以下要点抜粋 今のメディアにはもう何も期待できない
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