貿易立国から投資立国へ?

Posted at 06/08/03

2005年度、ついに貿易収支の黒字よりも所得収支の黒字が上回ったことを知った。

これをもって日本が貿易立国から投資立国へ移行しつつある、という人があるが、どうなんだろう。

貿易収支の悪化は原油価格の高騰が最大の要因。所得収支の伸びは海外に移転した現地法人への投資からの配当金などだが、2005年に限っては内外の金利差から米国債などへの投資が増えたためということらしい。

国内産業、特に地方が必ずしも経済が上向きにならない中で投資家や金融資本が儲けているというのはまあそういう現状を反映しているのだろう。

日本人の体質として、投資の利益が国際収支のほとんどを占めるというところまではいかないだろうが、産業が立ち行かないままではやはり自壊していく気がする。

しかし一方で、投資による収益の確保をある程度は心がけていかないと、今後とも「格差」は広がる一方になるだろうなあ。勤勉で正直な古いタイプには、難しい時代になりつつあるということは言えるだろう。新しい時代に見合った新しい倫理が生まれるとよいのだが。

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by Luke Peterson

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