大凶の一日/固有名詞の偏愛
Posted at 06/07/06 PermaLink» Tweet
昨日はいろいろと大変な一日だった。朝起きたらいきなりテポドンだったのがまず第一だが、韓国や中国の調査船の領海侵犯もあったし、PCはいかれるし、仕事上のえええっ!と思うようなこともあった。もう大丈夫だろうと食事をしながら報道ステーションを見ていたらソフトバンクの王監督が胃の腫瘍の手術のために戦列を離れるという。この間は中田が引退するというし、7月という月は厄月なのか。
実は昨日朝、卦を立てたら大凶だったのだ。雷山小過の上六、「遇わずして之を過ぐ、飛鳥これを離る、凶なり。之を災セイという」という卦だった。これはいつも自分のこととしてその日の易占を立てるのだが、どうしても周りの状況が混入してきてしまう。「飛鳥これを離る」とか、これはまさにテポドンだ。遇わずして、というのは分不相応に高いところを飛ぶために誰にも遭遇しない、理解されないというような意味で、これもまさに北朝鮮ぽい。その他の出来事もこれに当てはある。王監督に関しては単に災難というほかないが、国民の希望を担ってきたホームランバッターであるだけに、これも「飛鳥」のイメージに乗ってしまう。
そういうわけで、まあまさに昨日は大凶の日だ、大人しくしてないとという感じで、私自身としては見を慎んでいた感じだった。現状打開のための卦も立ててみたがこれが離為火の九四でこれもまた大凶。「突如それ来如たり、焚如たり、死如たり、棄如たり。」めちゃくちゃだ。突然はすべて駄目、思いつきでなく今まで手を抜いていたことをきちんとしたり、積み重ねで解決していくしかないという卦。私は大凶という卦を出すことはほとんどない。一日に二つ出したのは初めてだ。しかしここまで悪いと逆にさわやかという感じで、開き直るしかない。7月に入ってから6日のうち5日間凶または大凶が出ていて、これも今までにないこと。何か笑ってしまうほど苦難だ。
しかし今朝起きると自分の方向性に対して一つのヒントが出てきた。それは自分が「固有名詞好き」だということ。自分の中の古代性にもつながる。『古事記』もそうだが、古代の文書には偏執狂的に固有名詞が羅列されている。それは「名」の持つ呪力を文書に込める、という意味合いがあろう。そういう意味では近代性とは抽象のことであり、そうした「名」の持つ本源的な力から離れることで変化を可能にし、空虚ではあるが不確かな明るさを持つ「約束」、すなわち近代性を生むことになる。
今日の卦は巽為風の九三、「頻りに巽(したが)う、吝なり」で、やはり凶なのだが、なんとなく再生の兆しがある。
ワールドカップはフランスがポルトガルに勝利し、フランス対イタリアという二大カトリック国対決となった。考えてみれば現在の教皇はドイツ出身で、だからカトリック国の群れの中でドイツが生き残ったのかもしれないと考えてみたりする。イタリアとフランスの戦いを紐解けば古くはガリア人のローマ侵入、加えてカエサルの『ガリア戦記』があるが、ルネサンス時代のシャルル8世の侵入に始まるイタリア戦争、ナポレオン戦争はもとより、(大体ナポレオンはコルシカのジェノバ系豪族なので出世するまではブオナパルテとイタリア風に発音していた)イタリア統一戦争の際のナポレオン3世の口出しによるサヴォイ・ニッツァのフランス併合(サヴォワ・ニース)の絡みもある。イタリアが勝ったらニースをイタリアに返せ、と言い出す輩がいないか楽しみなのだが、その辺は日本には伝わってこないな。
タブッキ(イタリアの作家だ、その前はそういえばフランスのデュラスを読んでいた)の『逆さまゲーム』を読み進める。昨日は「カサブランカからの手紙」と「芝居小屋」を読了。「芝居小屋」は好きだな。著名なシェークスピア俳優が思うところあってポルトガル領モザンビークに隠棲し、左遷されて来た若いポルトガル貴族相手に荒れ果てた粗末な「激情」で『リア王』を情熱を込めて朗読する。その状況設定自体が胸にぐっとくるものがある。
昨日は一日雨だったが、今日はだんだん晴れてきた。昨日は上下ウール素材のものを着ていたが、今日はまた半袖でいられるだろう。フランスギクも露草もだんだん少なくなってきて、コスモスが伸びてきた。花も、一輪二輪、咲いている。
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