フィオナ・アップル/『やし酒飲み』

Posted at 06/06/25

なんか異様に目が疲れている。必要のないときはPCをなるべく見ないようにしなくては。ぼうっとしながらネットを探索するという行為が無意識に目を蝕んでいる気がする。桑原桑原。

昨日は昼間に友人から相談事で長電話し、最終的に易を立てることを頼まれて占ってみて、その結果を伝えたら異様に疲れが出てきた。自分のことを占う分にはまあどうっていうことはないのだが、人のことを占うというのは異様にエネルギーを使う。易者の人たちはよくそんなことがやれるものだなあと感心する。

ちょっと疲れに支配されていて物事になかなか気合を入れて取り組めない。バイオリズムが下がっているというのはまさにこんな感じか。こういう時は変に無理しない方がいいというのが教訓だが、なかなか守りきれないときも多い。

夕方気分転換に銀座に出かける。アンジェラ・アキが影響を受けたアルバムを紹介していて、一番興味を引かれたフィオナ・アップル『タイダル』を山野楽器で買う。ついでにアンジェラのシングルをいくつか見るが、アルバムに収録されていないものもあり、買おうかどうか迷う。が買わず。

TIDAL
フィオナ・アップル
ソニーミュージックエンタテインメント

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ヨシノヤのディスプレイで靴の展示を見る。ここのディスプレイはいつも垂涎。

教文館で安部公房『終わりし道の標べに』(講談社文藝文庫、1995)を買う。戦後すぐの作品で、アプレゲールっぽいというか、文体としては加藤道夫『なよたけ』に似ている感じ。旧制高校生の文体というか。

終りし道の標べに―真善美社版

講談社

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なよたけ

青土社

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帰ってきてフィオナ・アップルを聴く。全身の神経が集中してしまう感じ。ジョンとポールが離れる前の、後期ビートルズの路線がいきなり一人の少女に蘇ったという感じを私は受けた。特にサウンド面、歌詞の内容まで仔細に感じ取っていないからそこまでしかわからない。あまりに感性が強すぎて、こちらのある種の感覚が強制的に開かされる感じがし、疲労困憊。いま文学的な感性がある意味全開状態なので、この上音楽的な感性が開かされるとちょっとやばい感じがある。しかしまあ学生時代後期はそういう感じだったんだよな、自分も。しかしあのころは今ほど物を知らなかったから結構平気だったのだと思う。今は知っているものが多すぎ、それに耐え得る体力が少なすぎる。もっと好調になってからきちんと聞こう。とりあえずいまはジャンゴ・ラインハルトをかけている。このあたりがいい。

ベスト・オブ・ジャンゴ・ラインハルト・オン・ヴォーグ
ジャンゴ・ラインハルト
BMG JAPAN

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『やし酒飲み』p.35まで読む。こういうお話は、私は好きだ。親指から生まれた子供が強烈な暴君的な支配者で、父親である主人公が村人に知恵をつけて焼き殺す幻想性が面白い。なんというか読み始めたときはこの父親自体がスサノオノミコトで、やし酒を一日150樽+75樽飲むことが出来る天国のような状態からやし酒造りの死によって追放され、現世に来ていろいろな知恵を働かせて変な者たちを退治していくという感じで読んでいた。まあ、世界観としては多分日本神話に近いものがあると思う。これがアングロ・ナイジェリア語で書かれているというのは、古事記や出雲風土記が万葉仮名で書かれているのとある意味似ている。外来語と現地語のミクスチュアでしか書かれ得ない文学というものがこの世にはあるよなあというのは実感として事実として迫ってくるものがある。

やし酒飲み

晶文社

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今日は曇り。血圧が上がらない感じ。血が足りない。

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