佐藤優『自壊する帝国』ソ連中枢の権力闘争と民族問題

Posted at 06/06/08

今朝は曇っている。仕事場に少し用事をしにいったが、曇りの日の薄暗がりがあたりを支配していて少し眠い感じがした。光というものが人間の意識や行動に及ぼす影響は大きいなと思う。その意味では人間も一個の動物だ。

昨日の仕事はまずまず。後でもう少しこうしていたらということがあって朝っぱらから修正に出かけたのだが。まあ落ち着いた気持ちで大体出来た感じ。

創作のほうは新しいのを書き始めたのだが、少し調べなければいけないことが出てきてちょっとペンディング。

佐藤優『自壊する帝国』p.130まで読む。「ソ連という闇」のことを少しずつ知っていく過程が興味深い。ナゴルノ・カラバフにおけるアルメニアとアゼルバイジャンの国境・民族問題が重要な問題であることに日本人として最初に気づいたのが佐藤であり、クレムリン中枢での権力闘争を反映していたという情報を得ていく話が面白い。ソ連において、ムスリムと共産主義が近い関係にあったという話はどこかで聞いたことがあったが、アルメニアがソ連中央から白眼視されていたという話は知らなかった。つまり、世界中にディアスポラしたアルメニア民族は西側に独自のロビーを形成していたのがクレムリンには邪魔だったわけだ。またアゼルバイジャンにはバクー油田があり、それもあってクレムリンはアゼルバイジャンの方を優遇していたという。

それがゴルバチョフの改革によって知的エリート、特に経済専門家が力を持ち始めると、ソ連における知的エリートのかなりの部分を占めていたユダヤ人とアルメニア人が力を持ち始める。しかしソ連中央には反ユダヤ感情があるので、勢いアルメニア人の影響力が強まり、それがナゴルノ・カラバフにおけるアルメニア民族主義者の強硬姿勢とアゼルバイジャンに対する優勢を結果したと言うわけだ。ソ連は民族問題を端緒にして崩壊したという認識は必ずしも強くなかったけれども、現代でもチェチェンなどかなりシビアな問題をロシアは抱えているわけで、そちらの方からこの時代を見直してみることは重要なことだろうと思った。


自壊する帝国

新潮社

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なんとなく変な集中が入っていてなかなか抜けない。ちょっとどこかで抜かないと。


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