もうすぐ1年/桁違いのダンサー/『バーテンダー』/『闇の奥』
Posted at 06/06/05 PermaLink» Tweet
ふと気がつくとこのブログを書き始めてからもうすぐ1年だ。その前は少し休憩していたが、2000年の最初ころから日記を書き始めていたので、それを入れるともう7年目になるのだが、スタイルとか書く内容とかそれなりに変わってきているような気もする。多分もっと昔は内省的だったのだが、最近はあまりそうでもない。なんというかそのときに書く必要のある文章というものがあって、そういうものを結構ウェブに書いているのだけど、そのうちもういいかなという気がして書くのを暫くやめてしまう。しかしそのときそのときに書く必要のある文章というものはやっぱりあって、結局こうして書き続けている。
今まで一年の経験から言うとブログというのはどうもあまり内省的にならない。構造的に開かれているからなのだろう。自分の中に降りていった文章というのは人が反応しようとしても反応できるものでもない。若いころの悩みとか対人関係とか結構普遍性のあるものには反応のしようがあっても、その人独自の思考なんてものは付き合うのが大変だということはよくわかる。読んでもらって面白かったり何か考えてくれたりすれば別にそれで十分なのだが、ブログだともっと人に接するような書き方になるんだと思う。これでか、という気もしなくはないが。
今気がついたが昨日やるべきことをひとつやり損ねたことがあった。今度は水曜日だ。困った。
午後テレビを見ていたらローザンヌ国際バレエコンクールというのをやっていた。決勝進出者は日本・韓国・中国のダンサーが多く、他はロシア・ウクライナ・カナダしか見なかった。15~18歳の若いダンサーたちだからまあ未熟で、見ていてあまり面白いものでもなかったが、ひとりだけ出てきて他のダンサーと全然桁が違う、と感じる人がいた。ウクライナのセルゲイ・ポロニンという16歳のダンサーで、表現力といい振り付けのこなし方といいステップといい明らかに群を抜いている。解説の女性も今までのダンサーの中で抜きん出ているといっていた。私の見る目もこのくらいの桁の違いならテレビで見てもはっきりわかるのだなとちょっと嬉しかったが、やはり最優秀点をもらい、観客賞も受賞した。バレエは高いからなかなか見に行かないが、本当に誤魔化しのきかない芸術だし、すごいものを見ると素直に感動する。新しい優れたダンサーが出てくると期待は高まる。
どうも自分の中で不完全燃焼が溜まり、午後遅くなってから出かける。地元の書店でちょっと本を見た後、少し歩くことにして木場の方に永代通りを歩いた。木場に近づいてきて、いっそのこと永代橋を渡るまで歩こうと思った。西に日が少しずつ傾いていたが、気持ちのよい夕暮れ時だった。久しぶりに永代橋を渡ると、橋の下を屋形船が通っていった。霊岸島を歩いていると、以前ときどき行った喫茶店が店を閉めていて、隣にナチュラルローソンが出来て喫茶コーナーまであった。こういうコンビニ系やファミレス系、スタバ系に押されて雰囲気のいい喫茶店が店を閉めていくとこっちとしては困ってしまう。日本橋を抜け、結局大手町まで歩いて丸善で本を探した。
一階には佐藤優『自壊する帝国』(新潮社、2006)が並んでいた。一読して面白い。ただいまは読む暇がないなと買うのをやめ、3階に上って本を探す。長友健篩『バーテンダー』(集英社ジャンプコミックスデラックス)の第1巻(2004)、<第2巻(2005)とコンラッド『闇の奥』(岩波文庫、1958)を買う。バーテンダーは最近スーパージャンプを読むようになって面白いと思うようになったもの。古谷三敏『レモンハート』(双葉社アクションコミックス)は基本的に客の立場で書かれているような気がするが、『バーテンダー』はバーテンダーの立場から書かれていて、そこがなかなか興味深い。現実には最近ほとんど飲みに行かないし、銀座に行くのもいつも昼なのだが、東京に完全に拠点を据えるようになったら、「感動する一杯」を求めて少しは飲み歩くのもいいかなと思った。基本的に洋酒は好きだし。
バーテンダー 1 (1)集英社このアイテムの詳細を見る |
コンラッド『闇の奥』は少し読み始めたが、面白そうだ。1899年の作だから典型的な帝国主義時代ともいえるし、ビクトリア朝最末期ともいえる。最初の船乗り心理の描写とかがなるほどなあと思わせる。外国駐在の企業の社員はまたもう少し地元に関わるだろうし、植民地統治の役人たちはまたその関わり方が深くなろうが、彼らの論理が地元の論理と関わることは基本的には無いのだ。これはピースボートで世界一周した車谷長吉の旅行記を読んでいても思ったことだが、見聞は広まっても個人に内在する論理が変化するわけではないんだよなと思う。ノマド論とかディアスポラ論とか定住者と新来者との関係は何につけても一筋縄ではいかないが、少なくとも帝国主義だけを軸に見ていたのでは見えないことが多いよなと思う。
闇の奥岩波書店このアイテムの詳細を見る |
夜は巨人西武戦を見る。また清水がサヨナラ打。ジャイアンツの野球、今年は結構面白いと思う。
ランキングに参加しています。よろしければクリックをお願いします。
人気blogランキングへ
カテゴリ
- Bookstore Review (17)
- からだ (237)
- ご報告 (2)
- アニメーション (211)
- アンジェラ・アキ (15)
- アート (431)
- イベント (7)
- コミュニケーション (2)
- テレビ番組など (70)
- ネット、ウェブ (139)
- ファッション (55)
- マンガ (840)
- 創作ノート (669)
- 大人 (53)
- 女性 (23)
- 小説習作 (4)
- 少年 (29)
- 散歩・街歩き (297)
- 文学 (262)
- 映画 (105)
- 時事・国内 (365)
- 時事・海外 (218)
- 歴史諸々 (254)
- 民話・神話・伝説 (31)
- 生け花 (27)
- 男性 (32)
- 私の考えていること (1052)
- 舞台・ステージ (54)
- 詩 (82)
- 読みたい言葉、書きたい言葉 (6)
- 読書ノート (1582)
- 野球 (36)
- 雑記 (2225)
- 音楽 (205)
月別アーカイブ
- 2023年09月 (19)
- 2023年08月 (31)
- 2023年07月 (32)
- 2023年06月 (31)
- 2023年05月 (31)
- 2023年04月 (29)
- 2023年03月 (30)
- 2023年02月 (28)
- 2023年01月 (31)
- 2022年12月 (32)
- 2022年11月 (30)
- 2022年10月 (32)
- 2022年09月 (31)
- 2022年08月 (32)
- 2022年07月 (31)
- 2022年06月 (30)
- 2022年05月 (31)
- 2022年04月 (31)
- 2022年03月 (31)
- 2022年02月 (27)
- 2022年01月 (30)
- 2021年12月 (30)
- 2021年11月 (29)
- 2021年10月 (15)
- 2021年09月 (12)
- 2021年08月 (9)
- 2021年07月 (18)
- 2021年06月 (18)
- 2021年05月 (20)
- 2021年04月 (16)
- 2021年03月 (25)
- 2021年02月 (24)
- 2021年01月 (23)
- 2020年12月 (20)
- 2020年11月 (12)
- 2020年10月 (13)
- 2020年09月 (17)
- 2020年08月 (15)
- 2020年07月 (27)
- 2020年06月 (31)
- 2020年05月 (22)
- 2020年03月 (4)
- 2020年02月 (1)
- 2020年01月 (1)
- 2019年12月 (3)
- 2019年11月 (24)
- 2019年10月 (28)
- 2019年09月 (24)
- 2019年08月 (17)
- 2019年07月 (18)
- 2019年06月 (27)
- 2019年05月 (32)
- 2019年04月 (33)
- 2019年03月 (32)
- 2019年02月 (29)
- 2019年01月 (18)
- 2018年12月 (12)
- 2018年11月 (13)
- 2018年10月 (13)
- 2018年07月 (27)
- 2018年06月 (8)
- 2018年05月 (12)
- 2018年04月 (7)
- 2018年03月 (3)
- 2018年02月 (6)
- 2018年01月 (12)
- 2017年12月 (26)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (5)
- 2017年09月 (14)
- 2017年08月 (9)
- 2017年07月 (6)
- 2017年06月 (15)
- 2017年05月 (12)
- 2017年04月 (10)
- 2017年03月 (2)
- 2017年01月 (3)
- 2016年12月 (2)
- 2016年11月 (1)
- 2016年08月 (9)
- 2016年07月 (25)
- 2016年06月 (17)
- 2016年04月 (4)
- 2016年03月 (2)
- 2016年02月 (5)
- 2016年01月 (2)
- 2015年10月 (1)
- 2015年08月 (1)
- 2015年06月 (3)
- 2015年05月 (2)
- 2015年04月 (2)
- 2015年03月 (5)
- 2014年12月 (5)
- 2014年11月 (1)
- 2014年10月 (1)
- 2014年09月 (6)
- 2014年08月 (2)
- 2014年07月 (9)
- 2014年06月 (3)
- 2014年05月 (11)
- 2014年04月 (12)
- 2014年03月 (34)
- 2014年02月 (35)
- 2014年01月 (36)
- 2013年12月 (28)
- 2013年11月 (25)
- 2013年10月 (28)
- 2013年09月 (23)
- 2013年08月 (21)
- 2013年07月 (29)
- 2013年06月 (18)
- 2013年05月 (10)
- 2013年04月 (16)
- 2013年03月 (21)
- 2013年02月 (21)
- 2013年01月 (21)
- 2012年12月 (17)
- 2012年11月 (21)
- 2012年10月 (23)
- 2012年09月 (16)
- 2012年08月 (26)
- 2012年07月 (26)
- 2012年06月 (19)
- 2012年05月 (13)
- 2012年04月 (19)
- 2012年03月 (28)
- 2012年02月 (25)
- 2012年01月 (21)
- 2011年12月 (31)
- 2011年11月 (28)
- 2011年10月 (29)
- 2011年09月 (25)
- 2011年08月 (30)
- 2011年07月 (31)
- 2011年06月 (29)
- 2011年05月 (32)
- 2011年04月 (27)
- 2011年03月 (22)
- 2011年02月 (25)
- 2011年01月 (32)
- 2010年12月 (33)
- 2010年11月 (29)
- 2010年10月 (30)
- 2010年09月 (30)
- 2010年08月 (28)
- 2010年07月 (24)
- 2010年06月 (26)
- 2010年05月 (30)
- 2010年04月 (30)
- 2010年03月 (30)
- 2010年02月 (29)
- 2010年01月 (30)
- 2009年12月 (27)
- 2009年11月 (28)
- 2009年10月 (31)
- 2009年09月 (31)
- 2009年08月 (31)
- 2009年07月 (28)
- 2009年06月 (28)
- 2009年05月 (32)
- 2009年04月 (28)
- 2009年03月 (31)
- 2009年02月 (28)
- 2009年01月 (32)
- 2008年12月 (31)
- 2008年11月 (29)
- 2008年10月 (30)
- 2008年09月 (31)
- 2008年08月 (27)
- 2008年07月 (33)
- 2008年06月 (30)
- 2008年05月 (32)
- 2008年04月 (29)
- 2008年03月 (30)
- 2008年02月 (26)
- 2008年01月 (24)
- 2007年12月 (23)
- 2007年11月 (25)
- 2007年10月 (30)
- 2007年09月 (35)
- 2007年08月 (37)
- 2007年07月 (42)
- 2007年06月 (36)
- 2007年05月 (45)
- 2007年04月 (40)
- 2007年03月 (41)
- 2007年02月 (37)
- 2007年01月 (32)
- 2006年12月 (43)
- 2006年11月 (36)
- 2006年10月 (43)
- 2006年09月 (42)
- 2006年08月 (32)
- 2006年07月 (40)
- 2006年06月 (43)
- 2006年05月 (30)
- 2006年04月 (32)
- 2006年03月 (40)
- 2006年02月 (33)
- 2006年01月 (40)
- 2005年12月 (37)
- 2005年11月 (40)
- 2005年10月 (34)
- 2005年09月 (39)
- 2005年08月 (46)
- 2005年07月 (49)
- 2005年06月 (21)
フィード
Powered by Movable Type
Template by MTテンプレートDB
Supported by Movable Type入門