秀丸にとってのNGワード/創作が作る日本語/「教員でなく教師でありたい」
Posted at 06/06/02 PermaLink» Tweet
一度ほとんど書き上げた文章だったのだが、思わぬところでつまずいた。「みまもりつつ」という言葉を変換したら秀丸がハングアップしてしまったのだ。このノートパソコンの特性?なのかも知れないが、ときどき変換しようとしてハングアップしてしまうことがある。もう一度ためしに先ほどの単語を変換してみたら再びハングアップしてしまったので、どこかにそういうバグがあるのだろう。どのソフトのどの設定と衝突しているのかまでは分らないので、自分ではどうしようもないのだが。
昨日は仕事は忙しかったが、面白かった。流れがつかめたのか、流れに乗ってあまり頑張らないでもできる。その余裕でより進んだ対応ができて面白かった。
『感情教育』『ボヴァリー夫人』それぞれ少しずつ読む。風俗描写は面白いのだが、その時代の風俗を想像するには想像力がかなり必要で、なかなか続かない。現代の作家が読みやすいのはそういう点なのだなと思う。描写だけで到達できる深さという点では、フローベールはかなりの所まで行っていると思う。
創作を手直ししていて思うのだが、キーボードで打つ場合、それを赤で直す場合、手書きで原稿用紙に書きなおしてみる場合、そしてそれをまた清書のために打ちなおしてみる場合、それぞれにいいと感じられる言い回しが違うし、必要十分と感じられる量も違う。創作の場合は言葉の言い回し一つ一つが吟味の仕方が幾らでもあるし、それだけ日本語としての表現が磨かれていくのだなとやってみて思う。夏目漱石が日本語の現代表現を作り、プーシキンがロシア語を作ったというのは比喩でも誇張でもなく、実際にそうなのだなと実感できる。
仕事の後、NHKの『プロフェッショナル』をみた。多くのサッカー日本代表選手を輩出している清水商業の監督が取り上げられていた。その「教え」で大事だと思ったことは三つある。一つは「考えろ」ということ。「自分で到達した答えだけが自分のものになる」というのはまったくそのとおりだと思った。自分で出した答えには喜びと確信と誇りが持てる。そういう意味では、今の教育はあらかじめ教えすぎで、教えられる側が怠けてしまうようなところがあるなと思った。限界まで追い込んで、考えざるを得なくするというのは大事なことだと思った。二つ目は日常のルールをきちんと守らせるということ。このあたりが指導した経験から言うと一番大変なところなのだが、日常のレベルからルールどおりの「方向を向く」ということが向上のための最低条件だということは思う。私などはこういうことは面倒で仕方ないのだが。
三つ目はなんだっけ。何かうまく思い出せないが、全国大会決勝戦の前日に選手一人一人に自分の両親に、ここまで育ててくれてありがとうと電話をさせた、というエピソードと関係あったと思う。つまり自分が今どの位置にいるか、ということを認識させ、どうしてここまでこれたのかということをリアルに思い出させるということにあるのだと思う。これも強い誇りと喜びとともに感謝を持たせるという点で、その日その時にしかできない最高の教育だと思った。感謝を本当に実感できるというのはそういう時点だろうし、そのことによって喜びを感じれば、次の日の決勝戦もリラックスして試合に臨めるだろう。
「自分は教師でありたい」という言葉はいいなあと思う。「教員」ではなく。また生徒の成長のことだけを考えてそれを片思いでもぶつけていって、それが相手に通じて両思いになるのが教師の醍醐味だ、というのもそうだなと思う。今までこういう番組で取り上げられた教師はへえとかすごいなと思うこともあったがどうも何か「教員くささ」のようなものがあっていただけない感じが残ったが、この人はなんというか教員を超えたものがあると思った。そういうオーラというかカリスマのようなものがやはり日本代表になるような選手を育てるのだなと思った。
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