蕎麦とルノワール

Posted at 06/05/29

昨日。日記を書いたあとプラド美術館展に行きたくなり、上野へ。上野広小路で降りて久しぶりに池の端藪で蕎麦を手繰ろうと思い探すが、暫く見つからず。土地勘がちょっと落ちている。ましかし、どうにか見つけ、相席で天ざるを頼む。やはり年配のちょっと上品な感じの人が多い。隣の席は下町の貫禄あるおじさんが一人で徳利から手酌で酒を飲みながらざる一枚手繰ってて、いやあ味だ。天麩羅は小海老の掻き揚げで、天かすをだいぶ残してしまったがこれは上品な味。蕎麦はもう少し量があればいうことなし。天汁が少し酸味のあるもので、これは必ずしも蕎麦の風味を味わうにはどうなの、という感じだった。何というか、もっと辛い醤油の味を期待してたんだよな。それなら浅草の並木へ行けということか。

食べ終わって不忍池ぞいを歩く。さつきの盆栽の展示が行われていて歩きにくし。池に大きな亀の置物があるのかなと思ったら本物だった。亀を見るときっていつもそうだ。

都美館に行ってみるとプラド美術館展は大混雑で見る気を失う。雨上がりの日曜の午後なんて込んでて当然なんだが。もう少し穴を狙って行かないとだめだ。仕方ないので静養美術館に行くとロダンとカリエール展をやっていたが、今ひとつ見る気が出ず、常設展を見ることにした。コレクションとしてまあそれなりの水準はあるし、クールベとかに好きなのもある。今回は版画素描室で「芸術家とアトリエ」展をやっていて、ドーミエの版画がたくさん見られたのは楽しかった。

そのほか、グイド・レーニの「ルクレツィア」、これは今までそんなに印象がなかったのだけど、実はシェイクスピアも取り上げているローマ王政時代の貞節を守って自殺した婦人で、「貞節」という善と、「自殺」というキリスト教的悪が主題にされることが多いのだという。17世紀前半のイタリアバロックの絵だが、レーニはこういう神話的が題が多く、わりと目になじんでいる。プーシキンがシェイクスピアをパロディにして「ヌーリン伯爵」という物語詩を書いていて、その辺のところでちょっと目に止まったという感じ。

それから、今回感心したのはルノワールの「帽子の女」。これは有名な絵だが、この絵が本当にいくつもの「線の艶かしさ」で構成されているということを強く実感した。後のカーテンの線、女の衣装の胸から下のプリーツ、右腕を引いてソファの背に載せている、そのシルク(だろう)の衣装の引っ張られてできる皺の線と、その向こうにやや透けている女性の肌色、帽子の線の丸みとその前にかかっている見えるか見えないかのヴェールの線。絵葉書は買ってみたが、この絵だけは実物のよさを再現するのは他の手段ではちょっと不可能なようだ。あんまりそう思うことはないのだが、やはりルノワールはすごいなと思った。

天気がよかったのでちょっと気になっていたつくばエクスプレスに乗ってみようと思い秋葉原に出る。JRのほうから見ると、構内も含めて、秋葉原の町が再開発されて全く違うものになってしまったという印象。びっくりした。地下のずいぶん深いところに降りていって電車に乗り、一つ目の新御徒町で降りる。これだけではちょっと印象を言うのには不足だが、開通したばかりにしてはもう十分生活路線として活用されているなという感じだった。JR御徒町まで歩き、JRで東京駅に出、丸善を一回りしてTante Marieでチーズケーキとフランボワーズを買って帰る。名前は不確か。

某ウェブメールと某SNSを紹介していただいたので、夕方からそれに熱中。その件で友人から電話がかかってきて朝4時まで(笑)話す。今朝は起きたら10時を過ぎていて、燃えるゴミが出せなかった。その辺りはまた機会を見てぼつぼつと書こうと思う。いろいろごたごたして書くには整理されてない。

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